3.「自炊の森」とファイル交換
このような「自炊の森」型サービスを利用するメリットとしては、利用者は適法らしいという一応の安心感を得ることが出来ること、ログから利用状況を追跡されないこと、ファイル交換共有ソフトを経由したウイルス感染のリスクがないこと、ファイル交換共有のネットワーク上には出てこないような専門書・古書の「自炊」がやりやすいことなどが挙げられる。
反対にデメリットとしては、現実にその店舗まで足を運ぶ必要があること、店舗側が用意している範囲外の物は自分で現物を用意する必要があること、店舗側が用意する現物は徐々に劣化すること、自ら「自炊」作業を行う必要があること、有料であることなどが挙げられる。
私の勝手な印象でしかないが、専門書・古書の「自炊」をするようなコアユーザー以外は、多くの場合「自炊の森」型サービスよりもファイル交換共有サービスを利用するのではないだろうか。また、「自炊の森」型のサービスがその事業規模を拡大するためには現実の店舗数を増やす必要がある。そうすると、著作権者に対する打撃は現実にはそれほど深刻なものにはならないのではないかと思う。
むしろより深刻なのはネット上でのファイル交換共有サービスであり、これに対抗することができれば「自炊の森」型サービスにも自ずと対抗できるのではないだろうか。
4.対策としてのJコミ
ファイル交換共有サービスに対しては、電子書籍・コミックの市場を適切に構築することがまず必要である。新刊コミックの電子化を望むユーザーはもちろん、専門書・古書の「自炊」をするようなコアユーザーをも正規の販売ルートに誘導することができるだろう。
また、電子書籍・コミックの最大の弱点は有料だということであるが、これに対しては、漫画家の赤松健氏が主導する「Jコミ」というサービスが有力な対抗策になると考えられる。「Jコミ」は電子ファイルに広告をつけて無料で配布するサービスだから、有料であることに抵抗のあるユーザーも獲得できる。
参照:Jコミコンセプト
現段階では利用できる作品数は極めて少ないが、今後充実していくことが期待される。また、二次創作の同人誌と原著作物の著作者とを結びつけることも検討されており、その点でも期待される。
実際に固まってはいないがこういうアイデアがあるというものがあれば教えていただきたいのですが。
赤松 前から言ってるのが「同人誌」ですね。
参照:Jコミで扉を開けた男“漫画屋”赤松健――その現在、過去、未来(後編) (3/4)
とはいえ、有料かつ新刊(古書)の電子書籍・コミックと、無料かつ古書(絶版)の「Jコミ」の組み合わせでは、無料かつ新刊の電子ファイルを望むユーザー層に対応することはできない。新刊書籍・コミックの電子ファイルを無料で配布するなら広告料に頼るしかないが、それは極めて厳しい。新刊書籍・コミックの電子ファイルをアップロードする大量の人間に対して刑事民事の両面んで迅速に対応できる体制を構築するほかない。
@Hideo_Ogura 小倉秀夫 (HIDEO OGURA)
おそらく、それが一番健全です。自炊の森のビジネスモデルって、Jコミには勝てませんし。RT @KenAkamatsu: Jコミの新型コミックビューワーで、「自炊の森」を倒したいです。(こちらは無料だし、作者がズルズル儲かるし)
参照:http://twitter.com/#!/Hideo_Ogura/status/20257864283066368
前>>漫画・同人誌電子化スペース「自炊の森」問題1
このような「自炊の森」型サービスを利用するメリットとしては、利用者は適法らしいという一応の安心感を得ることが出来ること、ログから利用状況を追跡されないこと、ファイル交換共有ソフトを経由したウイルス感染のリスクがないこと、ファイル交換共有のネットワーク上には出てこないような専門書・古書の「自炊」がやりやすいことなどが挙げられる。
反対にデメリットとしては、現実にその店舗まで足を運ぶ必要があること、店舗側が用意している範囲外の物は自分で現物を用意する必要があること、店舗側が用意する現物は徐々に劣化すること、自ら「自炊」作業を行う必要があること、有料であることなどが挙げられる。
私の勝手な印象でしかないが、専門書・古書の「自炊」をするようなコアユーザー以外は、多くの場合「自炊の森」型サービスよりもファイル交換共有サービスを利用するのではないだろうか。また、「自炊の森」型のサービスがその事業規模を拡大するためには現実の店舗数を増やす必要がある。そうすると、著作権者に対する打撃は現実にはそれほど深刻なものにはならないのではないかと思う。
むしろより深刻なのはネット上でのファイル交換共有サービスであり、これに対抗することができれば「自炊の森」型サービスにも自ずと対抗できるのではないだろうか。
4.対策としてのJコミ
ファイル交換共有サービスに対しては、電子書籍・コミックの市場を適切に構築することがまず必要である。新刊コミックの電子化を望むユーザーはもちろん、専門書・古書の「自炊」をするようなコアユーザーをも正規の販売ルートに誘導することができるだろう。
また、電子書籍・コミックの最大の弱点は有料だということであるが、これに対しては、漫画家の赤松健氏が主導する「Jコミ」というサービスが有力な対抗策になると考えられる。「Jコミ」は電子ファイルに広告をつけて無料で配布するサービスだから、有料であることに抵抗のあるユーザーも獲得できる。
参照:Jコミコンセプト
現段階では利用できる作品数は極めて少ないが、今後充実していくことが期待される。また、二次創作の同人誌と原著作物の著作者とを結びつけることも検討されており、その点でも期待される。
実際に固まってはいないがこういうアイデアがあるというものがあれば教えていただきたいのですが。
赤松 前から言ってるのが「同人誌」ですね。
参照:Jコミで扉を開けた男“漫画屋”赤松健――その現在、過去、未来(後編) (3/4)
とはいえ、有料かつ新刊(古書)の電子書籍・コミックと、無料かつ古書(絶版)の「Jコミ」の組み合わせでは、無料かつ新刊の電子ファイルを望むユーザー層に対応することはできない。新刊書籍・コミックの電子ファイルを無料で配布するなら広告料に頼るしかないが、それは極めて厳しい。新刊書籍・コミックの電子ファイルをアップロードする大量の人間に対して刑事民事の両面んで迅速に対応できる体制を構築するほかない。
@Hideo_Ogura 小倉秀夫 (HIDEO OGURA)
おそらく、それが一番健全です。自炊の森のビジネスモデルって、Jコミには勝てませんし。RT @KenAkamatsu: Jコミの新型コミックビューワーで、「自炊の森」を倒したいです。(こちらは無料だし、作者がズルズル儲かるし)
参照:http://twitter.com/#!/Hideo_Ogura/status/20257864283066368
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