前回の続きです。
(3)温暖化対策供出金
>小沢鋭仁環境相は16日、途上国の地球温暖化対策支援のため、日本が12年までの3年間に
>総額90億ドル(約8千億円)を拠出する方針を明らかにした。
途上国の温暖化対策、12年までに8千億円支援 環境相
これに対しては、財政が厳しいこの時期に8000億円の支援を決めたとして、鳩山内閣を批判するものが多い。しかし、そのような批判をする人の多くは、この記事をちゃんと読んでいないように思われる。
日本は08年から5年間で途上国支援策として総額100億ドル規模の「クールアース・パートナーシップ」を表明していた。小沢氏が打ち出した約90億ドルのうち80億ドル近くはこの支援策でまだ実行していない分とみられるが、鳩山由紀夫首相が9月の国連気候変動サミットで表明した新規の援助額を上乗せして衣替えした。
なので、鳩山内閣が新たに90億ドル(8000億円)の供出を決めたわけではないと考えられる。
(ただ、本当に新たな90億ドルの支援を決めた可能性も一応残ってはいる)
そして、もともとの「クールアース・パートナーシップ」を打ち出したのは、言うまでも無く自民党政府だ。この点を忘れてはいけないだろう。
福田康夫総理大臣スピーチ(平成20年1月26日、於ダボス)
>その一つの方策として、我が国は、100億ドル規模の新たな資金メカニズム(クールアース・パートナーシップ)を構築します。
http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/bunya/environment/cool_earth_j.html
麻生太郎内閣総理大臣の欧州における政策スピーチ
>「クールアース・パートナーシップ」に基づき、排出削減と経済成長の両立を目指す、
>途上国に対し、日本の環境技術などを活用して、支援を行います。
http://www.de.emb-japan.go.jp/nihongo/info/bunka-osirase/090505vertrag_aso.html
なお、この供出が「借款」ではないことを批判する人がいる。
しかし、もともとの計画では、5000億円分は円借款であることに注意する必要があるだろう。
>「気候変動対策円借款」を創設し、各国の地球温暖化対策プログラムの実施等のために特別金利で5,000億円程度の資金供給を可能とする。
http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/bunya/environment/cool_earth_j.html
この前提を踏まえた上で、この時期に増額することが適切なのかどうか等について議論をする必要がある。
***
そもそも、この一連の「鳩山イニシアティブ」というのは、政策決定のプロセスがまったく見えない、独断的な政策提案である。しかもその内容は、公約のパッケージである「マニフェスト」では重要視されていないものである。このような独断での政策決定(しかも国際的なもの)をすることがリーダーシップだと思っているのであれば、それは方向性がズレていると言わざるを得ないでしょう。
また、鳩山総理の「鳩山イニシアティブ」といい、民主党の一部が活発に動いている「外国人地方参政権問題」といい、「マニフェスト」に記載された公約よりも優先順位が高いように見えるのはやはりおかしいだろう。
個々の政策の内容を検討する以前に、そもそも政策の決定プロセス等に問題があるといわざるを得ない。
(3)温暖化対策供出金
>小沢鋭仁環境相は16日、途上国の地球温暖化対策支援のため、日本が12年までの3年間に
>総額90億ドル(約8千億円)を拠出する方針を明らかにした。
途上国の温暖化対策、12年までに8千億円支援 環境相
これに対しては、財政が厳しいこの時期に8000億円の支援を決めたとして、鳩山内閣を批判するものが多い。しかし、そのような批判をする人の多くは、この記事をちゃんと読んでいないように思われる。
日本は08年から5年間で途上国支援策として総額100億ドル規模の「クールアース・パートナーシップ」を表明していた。小沢氏が打ち出した約90億ドルのうち80億ドル近くはこの支援策でまだ実行していない分とみられるが、鳩山由紀夫首相が9月の国連気候変動サミットで表明した新規の援助額を上乗せして衣替えした。
なので、鳩山内閣が新たに90億ドル(8000億円)の供出を決めたわけではないと考えられる。
(ただ、本当に新たな90億ドルの支援を決めた可能性も一応残ってはいる)
そして、もともとの「クールアース・パートナーシップ」を打ち出したのは、言うまでも無く自民党政府だ。この点を忘れてはいけないだろう。
福田康夫総理大臣スピーチ(平成20年1月26日、於ダボス)
>その一つの方策として、我が国は、100億ドル規模の新たな資金メカニズム(クールアース・パートナーシップ)を構築します。
http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/bunya/environment/cool_earth_j.html
麻生太郎内閣総理大臣の欧州における政策スピーチ
>「クールアース・パートナーシップ」に基づき、排出削減と経済成長の両立を目指す、
>途上国に対し、日本の環境技術などを活用して、支援を行います。
http://www.de.emb-japan.go.jp/nihongo/info/bunka-osirase/090505vertrag_aso.html
なお、この供出が「借款」ではないことを批判する人がいる。
しかし、もともとの計画では、5000億円分は円借款であることに注意する必要があるだろう。
>「気候変動対策円借款」を創設し、各国の地球温暖化対策プログラムの実施等のために特別金利で5,000億円程度の資金供給を可能とする。
http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/bunya/environment/cool_earth_j.html
この前提を踏まえた上で、この時期に増額することが適切なのかどうか等について議論をする必要がある。
***
そもそも、この一連の「鳩山イニシアティブ」というのは、政策決定のプロセスがまったく見えない、独断的な政策提案である。しかもその内容は、公約のパッケージである「マニフェスト」では重要視されていないものである。このような独断での政策決定(しかも国際的なもの)をすることがリーダーシップだと思っているのであれば、それは方向性がズレていると言わざるを得ないでしょう。
また、鳩山総理の「鳩山イニシアティブ」といい、民主党の一部が活発に動いている「外国人地方参政権問題」といい、「マニフェスト」に記載された公約よりも優先順位が高いように見えるのはやはりおかしいだろう。
個々の政策の内容を検討する以前に、そもそも政策の決定プロセス等に問題があるといわざるを得ない。