Aile(エール)という会社の製作した「relations sister×sister.」というゲームのプレイ動画がニコニコ動画に投稿されていた問題は、「投稿者が示談金を支払うということで決着」したようです。
参照:公式ブログ記事http://www.aile-soft.com/blog/?p=260
このようなインターネット上の投稿サイトへのゲーム(実況)プレイ動画の投稿について、ゲームメーカーと投稿者との間での紛争が決着したケースは他にはほとんど無いのではないかと思います。
前提として、ゲームの(実況)プレイ動画を著作権者の許諾無く投稿することは著作権法違反であり、よく「グレーゾーン」だといわれるのは、著作権者が事後的に許諾(黙認)してくれる可能性があるというだけのことです。当然、著作権者が権利侵害があると主張すれば、アウトということになります。
しかしながら、私としては、やはりゲーム(実況)プレイ動画の持つ文化的な意味というものを完全に否定することは避けるべきだとも思います。
ゲーム会社の方も「いろいろと線引きが必要なので、ガイドラインを作成する予定です」とのことですが、どのようなガイドラインが作成されるのか注目したいと思います。
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現在のようなユーザーの判断による投稿・メーカーの黙認/事後的な権利侵害の主張という形では多くの紛争が今後も生じるでしょう。
投稿可能なタイトルや制限事項などをあらかじめメーカーが決定し、それをホワイトリストとして提示する形でしか紛争の予防にはならないのではないでしょうか。(加えて、許諾を一切しないメーカーのブラックリストの作成提示)
ただそうすると、リストの作成コスト等の問題、また、メーカー一般におけるゲーム(実況)プレイ動画に対する否定的な姿勢等の問題により、ゲーム(実況)プレイ動画の投稿は著しく制限されることになるでしょう。
しかし、いままでがあまりにも勝手をして盛り上がりすぎていたのですから、今後は、権利者を尊重しながらのじっくりとした盛り上がりへと移行して欲しいものです。