CYCODELIC WEBLOG

今思った事は主にTwitterで書いています。このブログは何か余程の事でなければ書いていません。

MXR CUSTOM COMP(をBASSに使う)

2010-08-28 | (かつての)ベースとコンプ持って旅に出たい
こういうのは自分の専用サイトに載せるべきなんだろうけど、更新が面倒くさくて、ついラクチンなブログにだらだらと書いてしまいます。でもあのAguilar TLCだって結局ググるとこのブログが上位に表示されますからここで書く意義はあるかなと。(このブログはグーグルに異常に拾われやすいのよどういうわけか。「エアコン」で画像検索かけると私の部屋の写真がヒットするのは恥ずかしいもんよ。)
例によって、長文なので興味ある人のみ覚悟して読んでください。
さてと。

【音量】
音量の扱いに特徴があるコンプです。OUTPUTコントロールの増幅が広くないので、最大にしても盛大なボリュームブーストはできません。
だからおのずとSENSITIVITYの最弱ポイントは決まってしまいます(原音と同等の音量を狙う場合ですが)。
今回チェックに利用した自分の今のメインベースでは約10時が最弱。そこより下げれば元音より音量が下がることになります。
ギターにとってはたいした問題ではないでしょうが、ブースター的に使う人には向かないと思います。

【ノイズ】
OUTPUTコントロールでのノイズの増大はほとんどないです。やはりたいしてゲインアップさせていないようです。
SENSITIVITYでのホワイトノイズは終始乗っていますがこれはこの手のコンプではごくあたりまえ。11時あたりから次第にわかりやすくなり、2時あたりから多めになります。ヘッドホンで聴くと心配になるでしょうが、アンプ&スピーカーで鳴らした場合では聴覚が相当優秀な人だけ気になる程度だと思います。
結論は、ライブ使用ならば現実的にまったく問題ならないはず。録音使用の場合はSENSITIVITY右半分の時に注意を(それでもマスキングされて気にならないかもしれませんが現時点で試していないので言及を避けます)。

【オーバードライブ】
歪みは、ずばり発生しない!(と言っていいでしょう)。このあたりが最新製品だなぁ。驚きました。アクティブベースの5弦ド~ンでもブーミーにはならず音量だけ抑えてくれます。さすが。

【音域】
周波数的にも特徴があるコンプです。低音の反応は最弱~最強まで大差なくしっかり効く…というか低音全体が初めからゲインリダクションされていてあまり出てないのかもしれませんね。だけど高音の反応は最弱では圧縮せずスルー気味。
つまり現実的な使用域でぱっと聴いた感じでは、低音は下げ、高音は上げ気味。
ベースで言えば5~4弦ほど過剰音量を抑えるけど、1~2弦のプルはほとんど抑えない感じです。独特な味付けだと思います(その心は後で気づくことに…後述へ)。
高音の反応については1時あたりからやっと抑えが始まり最大に向けて次第に圧縮していきます(ただしデフォルトの場合)。ギターの場合はほとんど1時以上で使うことになるでしょうね。

それに関連して、フレットノイズや弦のバズはくっきり目立つ方向です。音の輪郭成分もその域にあたので、全体的には音像が鮮明に前へ飛び出る印象になります。こう書くとまるでエンハンサーっぽいのではと思われるかも知れませんが、エンハンサーのような先鋭でシャリシャリしたわざとらしさはないです。
前に出ながらどんな量の低音でも暴れさせないわけだから、ベースの音程を聴かせたい人には好都合だと思います。
特に親指弾きではよく反応して輪郭のはっきりした強力な圧縮音を味わえます。
当然ながらたっぷりどっしりの芳醇なローエンドはなくなりますので(大概のコンプはなくなるわな)そこが命のハイファイLO-B主義者にはおすすめしません。アンソニージャクソンに渡したらきっと投げ捨てると思います(笑)。


【ATTACK & TRIM】
さて難所はこれからですよ。

裏ぶたを開けるとプリント基板上にコントロールが2つ現れます。これらが手強い部分だと思います。
まず、普通にデフォルトで使ってよほど不満があれば初めて回してみる程度で良いと思います。

ATTACKはまだ難しくないほうです。例えばDyna Compには無いけどSUPER COMPには既に装備されていますから、MXRにとって新しい試みでもなんでもないはずです。ベースに使うにはあまり遅めにかからないほうが絶対良いと断言します。繊細なコントロールではないのでちょっとだけ回してもわかりにくいだろうし、大きく雑に回してもたいして問題ないから気楽に扱えるでしょう。お好みで試してみると良いと思います。個人的にはデフォルトのセンターで不満はないように感じました。

TRIMは最も難しい部分です。ここは左に回すほど高音のディテールが加わり、右に回すほどフラットな周波数に反応するみたいなことが英文マニュアルには表記されています。要するに右に回すほど、高音にも抑えが効くようになり低音は抑えが甘くなるようです。なるほど、やはりもともと低音だけはゲインリダクション傾向なのですよ、このコンプは。確かに、左に回すほど高音が立ち、右に回すほど低音がもわっと出てくるので、安易に考えればベースは右に回したくなるでしょう。しかし、リダクションされていない低音の扱いは大変なのです。結果的に使用感はまるでリリースが早くなる感じに近いです。つまりリリース後の音量の復帰が急激になります。音圧の盛り返しが強調されて扱いづらい音になると思います。ギターはどちらに回してもたぶんあまり問題ないと思いますけど、ベースの場合は低音が出るからといってあまり大きく右に回さないほうが良いように感じました。特にスラップ時は注意。しかもATTACKと違いちょっと回しただけでかなり変化があるからなおさら難易度は高いです。
自分ならTRIMはせいぜい1~2時程度で使います。1時だと例えばベースによっては3弦3フレットと4弦8フレットのCの音質が違ってくることもあるので、SENSITIVITYを強くしなければTRIMを2時ぐらいまで回してもリリースが目立つ心配はないと思います。

幸いなことに、どちらのコントロールも△の刻印があり、デフォルトのセンター位置に戻すのは容易です。EBS MultiCompの基板上のミニコントロールのようにデフォルトがどこかわからなくなり元に戻せなくなる心配はないのが大変ありがたいです。

【その他気がついたこと】
ACアダプターは普通の9Vモノで大丈夫です。ハムありません。

【まとめ】
MXRらしからぬ現代的な効きのコンプだと思います。MXRらしい音痩せは許容範囲内であり、まるで「流行の高額オプト物」キラーのような小気味よい存在です。CA3080 metal can ICだから古き良き音かと思ったら大間違いだし、ROSSを狙ったようなことを書いてる人が多いみたいですけどじゃぁROSSっぽいかと言われればそれも首を縦には振れない。むしろ後ろを振り向かずススンだ現代の新しいコンプだという印象です。だって歪まないんだよ!ベースに使って問題ないどころか、従来のMXR製コンプの中では一番ベース向きだと思います。かえってギターにとってはパクパク感がもっと欲しいとかロングサスティーンが足りないなどと感じるのではないでしょうか。


【それでもMXRらしい所はある(笑)】
裏ぶたの精度がこれ。


ゴム足の貼ってある位置が雑。


取説だとblue LEDなのに実物は赤。

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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
通りすがりの者です (爽王)
2010-09-23 02:27:27
どうも!突然のコメントすいません・・・

先日自分もCUSTOM COMP買ったんですが、スイッチ(押す部分)が固くて不良品かな?と思ったんですが、そちらのペダルはどうでしょうか?

自分の持ってる他のペダルは押したらカチッカチッとスムーズに押せるんですが、これはガチッ、ガチッといった感じなんです。押しても最後に少し止まるというか・・・

回答していただけると助かります!
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爽王さん (CYCO)
2010-09-23 09:32:08
いらっしゃいませ!
おっしゃるとおり、これは固いですね!
市販の量産エフェクターの中では最も固いほうだと私も思います。

でも、例えば私のよく知るある拘りのエフェクター製作家の作品はいつも固いトゥルーバイパスフットスイッチを採用してますね。
固いスイッチは操作性に(人により)難はあるように思いますが、きっと構造的には優秀なスイッチなのかもしれませんよ。

また、うんと初期のMXRのフットスイッチも、トゥルーバイパスじゃないのにこれに近い固さだったような記憶があります。
MXRとしてはある意味、伝統的なのかも知れませんね。
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Unknown (爽王)
2010-09-23 11:10:32
わざわざ回答ありがとうございます!すごく助かりました!

良かった・・・固くて問題ないんですね!

自分はギターに使ってます。ダイナコンプ使ったことなくてコンプデビューなんですが、ナチュラルにエフェクトかかってかなり気に入ってます!

本当ありがとうございました!
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爽王さん (CYCO)
2010-09-23 13:54:12
いえいえどういたしまして。
なるほど、ギターだとオンオフするでしょうから、あんなバッチンバッチンいう固いスイッチだと使いづらいかもしれませんね。
まぁ音はナチュラルなので使いやすいですよね。

私の場合ベースにかけっぱでオフにしませんから気にしていなかった点です。かえって気付かせてくれて感謝しております。ありがとうございました。
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