テツの部屋B

アメリカ留学中の見聞録→日本国内の山登り記録+日常の覚え書

槍ヶ岳敗退記(3日目)

2012-08-20 | 登山
夜明け前、4時15分ごろ、小屋を出発し、燕岳の山頂に向かった。空には雲ひとつなく、最高の天気だった。






燕岳山頂から眺めた槍ヶ岳。5時3分撮影。






日の出。5時8分撮影。






北燕岳。5時17分撮影。クリックで拡大可。






燕岳山頂(2763m)にて。5時26分撮影。






メガネ岩。5時26分、広角レンズで撮影。せっかく持ってきた広角レンズだったが、結局この岩の前しか出番がなかった。






イルカ岩。6時10分撮影。イルカ岩の周辺は立ち入り禁止のロープがはられていて、近くに寄れず、広角レンズは出番なしとなってしまった。






燕岳。6時20分撮影。クリックで拡大可。


燕山荘に戻って、朝食を済ませ、7時12分に出発した。このとき、テツには2つの選択肢があった。1つ目はこのまま下山すること。最低限目標としていた写真は撮れていたので、このまま山を下りても、それなりに満足であった。しかし、テツは2つ目の選択肢、槍ヶ岳に向かって前進することを選んだ。これが大きな過ちであった。

7時34分、蛙岩を通過。






表銀座縦走路。7時38分撮影。


7時54分、大下りの頭に到着。この時点で、左膝に違和感を感じていた。ここで引き返せばまだ間に合ったが、先に進んでしまった。この天気で、この景色。引き返すことは難しかった。






リンドウ。9時6分撮影。






大天井岳。9時14分撮影。


9時28分、切通岩に到着。膝はかなり痛くなっていた。ここから大天荘まで、急登が続く。標高が2800mを越えているため、少し登るだけで息が切れた。死ぬような思いをして、10時7分に大天荘に到着した。

小屋前に荷物を降ろし、空身で大天井岳山頂へ向かう。空身でも、膝は相当痛かった。10時22分、山頂に到着した。






大天井岳山頂(2922m)にて。10時25分撮影。


大天荘に戻り、小屋で山菜うどんを食べた。食事中に腹が痛くなり、急遽トイレに行った。

11時17分、大天荘を出発。ここで、常念岳方面に進む選択もあったが、下調べをしてこなかったので、予定通り、槍方面に進んだ。大天井岳の南側斜面を急降下し、大天荘ヒュッテに向かう。この下りがとてつもなくきつく、左膝が完全に動かなくなってしまった。11時58分に大天荘ヒュッテに到着した。大天荘から大天荘ヒュッテまで、標準所要時間30分のところが、41分かかった。

腹具合もまた悪くなり、精神的にもかなり弱ってきていたので、大天荘ヒュッテに宿泊することも視野に入れつつ、大休息をとった。小屋の常連の男性(?)と長話をしたおかげで、少し気が晴れ、“西岳までは楽勝”との言葉を信じて先に進むことにした。実際、時間はたっぷり残されていた。腹具合は、“トメダイン コーワ フィルム”を服用することで克服できた。


12時半ごろ、大天荘ヒュッテを出発。12時59分、ビックリ平に到着。ここから赤岩岳までの間の縦走路では、右手に天井沢を挟んで槍ヶ岳が聳え立つ。足の痛みがなければ、爽快そのものだ。






槍ヶ岳と天井沢。1時12分撮影。


2時11分、赤岩岳山頂近くの標識に到着。膝の痛みは限界を通り越し、曲げた状態で体重をかけることが全く出来なくなっていた。普段ならなんでもない岩場を通り過ぎるのに倍時間がかかり、さらに恐怖心も相まって、精神力がどんどん削られていく。

西岳手前の見晴台で、とうとう力尽きてへたりこんでしまった。ここで、後ろから来ていた小学生の子供三人を連れたファミリーに抜かれた。

大休止の後、最後の力を振り絞って、西岳ヒュッテに向かい、3時34分、ようやく到着した。






常念岳。5時56分撮影。


相部屋になった大阪から来たというおじさんが、親切な人で、痛み止め、湿布薬、テーピング用バンドを惜しげもなく使わせてくれた。夜中を過ぎるまでは、膝を曲げるたびに激痛が走り、全く眠れなかった。また、こんな状態で下山できるのだろうかと心配でならなかった。夜中を過ぎた頃から、膝の状態はすこしずつよくなり、寝返りを打てるようになった。

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