世の中的にはゴールデンウィークに突入。飛行機移動も多くなってくるこの時期にいささか縁起でもないが、こんなニュース記事を見つけた。
「アフリカはもう航空機の廃棄場ではない。」
どういうこと?4月24日付ダカール発、AFP通信の記事を見ていこう。
アフリカは「 もう航空機の廃棄場ではない」。アフリカの航空会社は航空機メーカーに次々と新しい機体導入のための投資を行なっている。 アフリカ航空保安機関(ASECNA)総裁がダカールで述べた。
「アフリカはつい最近まで、まるで『航空機のゴミ箱』だった。自動車のみならず、建設機械に至るまで、新品を購入するだけの購買力に恵まれなかった。・・・しかし今日、幸いなことに状況は変わったのだ。」ASECNAのアマドウ・ウスマン・ギテイェ総裁はセネガルの外国人記者クラブで語った。
ASECNAは約55年前に創設された機関で、17のアフリカの国およびフランスが加盟。管制下にある空域は1610万平方キロメートルに及ぶ。
過去において、「一般論でいえば、先進国が環境、騒音、公害の問題に口やかましくなった頃、アフリカはそういった問題に目を向けることはなかった。しかし今、事情は変化した。」
総裁によれば、意識の変化は、先進国から払い下げられた「老朽化した」機体による相次ぐ事故によってもたらされた。また国際基準に適合しないばかりか、経年で増加する老朽化した機体の維持管理にかかる多大なコストもその要因のひとつとなっている。
「隠し立てすることは何もない。もし古道具を手にしたら、そのメンテナンスには多大な時間と繊細な扱いが求められることはお分かりであろう。そういったことがアフリカの航空会社の意識の変化をもたらしたのだ。」
そして今日、「エチオピア航空、ケニア航空、モロッコ王位航空、南アフリカ航空などは新しい機体の調達に躍起」になっている。
さらにもう一つ、総裁は「アフリカの民間航空当局による的確な勧告が与えられるようになったこと」を挙げる。
ギテイェ総裁は一方で、航空機事故事例がアフリカにおいて最も多発しているとの指摘について、根拠にすべき数字のベースが異なっていることをあげ、反論した。「1事件に対する飛行回数が、100万回の場合と、10万回の場合では全く違う。」総裁によれば、ASECNAの管制下では、年間48万回の飛行回数があるという。
アフリカの航空事情についてはこれまでンボテもつくづく考えさせられてきた。移動ではかなり古く、不安な機体にも身を預けてきた。
ASECNAによれば、航空機事故に関し、アフリカだけが異常な事故発生率に苛まれているわけではないとのことだが、しかし事実として頻繁に繰り返されるアフリカの航空機事故、感覚的には、非常に事故が身近に起きている気がする。
他方、問題は機体だけではないと、誰もが知っている。その運航であり、運用であり、管制であり、機体の維持管理。そう、ソフトが大切。これらを支える人と仕組みがより大切なのだ。
Asky、Air Burkinaなど、西アフリカでも地元系の航空会社ががんばって地域を結んでいる。ぜひ安全性、定時性、そしてサービスの改善が進むことを願ってやまない。あの深い旅情を失わないまま・・・。


(つづく)
◆あわせて読む
「アフリカの航空事情」シリーズ
(1)横とびが大変
(2)エールフランスとアフリカ
(3)難関!中部アフリカ
(4)最難関のコンゴ民主共和国(前編)
(5)最難関のコンゴ民生共和国(後編)
(6)羽田空港はTICADですごいことに。。。
(7)筋書きのないドラマ(前編)
(8)筋書きのないドラマ(後編)
(9)航空機アルバム
(10)航空機アルバム(その2)
DJ機長~西アフリカ航空便のちょっとおもしろいMC
・ザンネンな一日(1)~アフリカ・ポンコツ旅程記
・ザンネンな一日(2)~アフリカ・ポンコツ旅程記
・ザンネンな一日(3)~アフリカ・ポンコツ旅程記
・旅行誌「Dodo」に「コンゴにまつわるエトセトラ」が掲載されました!
「アフリカはもう航空機の廃棄場ではない。」
どういうこと?4月24日付ダカール発、AFP通信の記事を見ていこう。
アフリカは「 もう航空機の廃棄場ではない」。アフリカの航空会社は航空機メーカーに次々と新しい機体導入のための投資を行なっている。 アフリカ航空保安機関(ASECNA)総裁がダカールで述べた。
「アフリカはつい最近まで、まるで『航空機のゴミ箱』だった。自動車のみならず、建設機械に至るまで、新品を購入するだけの購買力に恵まれなかった。・・・しかし今日、幸いなことに状況は変わったのだ。」ASECNAのアマドウ・ウスマン・ギテイェ総裁はセネガルの外国人記者クラブで語った。
ASECNAは約55年前に創設された機関で、17のアフリカの国およびフランスが加盟。管制下にある空域は1610万平方キロメートルに及ぶ。
過去において、「一般論でいえば、先進国が環境、騒音、公害の問題に口やかましくなった頃、アフリカはそういった問題に目を向けることはなかった。しかし今、事情は変化した。」
総裁によれば、意識の変化は、先進国から払い下げられた「老朽化した」機体による相次ぐ事故によってもたらされた。また国際基準に適合しないばかりか、経年で増加する老朽化した機体の維持管理にかかる多大なコストもその要因のひとつとなっている。
「隠し立てすることは何もない。もし古道具を手にしたら、そのメンテナンスには多大な時間と繊細な扱いが求められることはお分かりであろう。そういったことがアフリカの航空会社の意識の変化をもたらしたのだ。」
そして今日、「エチオピア航空、ケニア航空、モロッコ王位航空、南アフリカ航空などは新しい機体の調達に躍起」になっている。
さらにもう一つ、総裁は「アフリカの民間航空当局による的確な勧告が与えられるようになったこと」を挙げる。
ギテイェ総裁は一方で、航空機事故事例がアフリカにおいて最も多発しているとの指摘について、根拠にすべき数字のベースが異なっていることをあげ、反論した。「1事件に対する飛行回数が、100万回の場合と、10万回の場合では全く違う。」総裁によれば、ASECNAの管制下では、年間48万回の飛行回数があるという。
アフリカの航空事情についてはこれまでンボテもつくづく考えさせられてきた。移動ではかなり古く、不安な機体にも身を預けてきた。
ASECNAによれば、航空機事故に関し、アフリカだけが異常な事故発生率に苛まれているわけではないとのことだが、しかし事実として頻繁に繰り返されるアフリカの航空機事故、感覚的には、非常に事故が身近に起きている気がする。
他方、問題は機体だけではないと、誰もが知っている。その運航であり、運用であり、管制であり、機体の維持管理。そう、ソフトが大切。これらを支える人と仕組みがより大切なのだ。
Asky、Air Burkinaなど、西アフリカでも地元系の航空会社ががんばって地域を結んでいる。ぜひ安全性、定時性、そしてサービスの改善が進むことを願ってやまない。あの深い旅情を失わないまま・・・。


(つづく)
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(1)横とびが大変
(2)エールフランスとアフリカ
(3)難関!中部アフリカ
(4)最難関のコンゴ民主共和国(前編)
(5)最難関のコンゴ民生共和国(後編)
(6)羽田空港はTICADですごいことに。。。
(7)筋書きのないドラマ(前編)
(8)筋書きのないドラマ(後編)
(9)航空機アルバム
(10)航空機アルバム(その2)
DJ機長~西アフリカ航空便のちょっとおもしろいMC
・ザンネンな一日(1)~アフリカ・ポンコツ旅程記
・ザンネンな一日(2)~アフリカ・ポンコツ旅程記
・ザンネンな一日(3)~アフリカ・ポンコツ旅程記
・旅行誌「Dodo」に「コンゴにまつわるエトセトラ」が掲載されました!