ぶらぶら★アフリック

アフリカ・プロモーター、ンボテ★飯村がお送りする100%アフリカ仏族ぶらぶらトーク!

お釣りがありません!〜ローカル経済の成長を阻む隠れた理由

2017-07-10 11:30:03 | ぶらぶらアフリカ論
アフリカでのお買い物、いろいろ不便や不愉快が伴うことが多い。その一つの大きなセリフ・・・

「お釣りないよ!」

市場で、ブティックで、スーパーで、レストランで、繰り返される会話。
「150フランもってる?!」
「いや、ないよ。」
「こっちも釣りがない。」

がまん比べの会話が続く。

こちらがお釣りを諦めるか、アメやボールペンを買って帳尻を合わせるか。いずれにせよ不便。

先日、当地地元メディアの'iciabidjan.net'には、こんなエピソードが載っていた。

「お釣りがない」深くはびこるアフリカ経済の病理!
« Y’a pas monnaie » le refrain d’un malaise économique profond !



13時、お昼の時間になった。2キロの道のりを歩いて昼食へ。魚のフライにアチェケ、焼バナナの付け合わせを楽しみに。お店につくと、売り子が僕が手にする5,000フラン紙幣をみてひとこと。「ムッシュ、お釣りないわよ。」

押し問答しても始まらない。とにかく近くのスーパーへ行き、925フランで歯磨き粉を購入。そこでもレジから、あのひとこと。「お釣りないわよ。」



アフリカではどこもこんなやりとりが繰り返されている。釣銭を探す逸失時間に、せっかくの商いの不成立。社会厚生の低下など、西アフリカのフランCFA圏ではこのことが経済に影を落としている。一説では1日あたり十数億フランCFAの経済損失を生んでいるとの試算も。


この小銭の不足、前にもこのブログで述べたが、小銭専門の両替商の存在がその原因とも言われている。コインを中心にかき集め、高く売る。小銭を必要とする商売人は頼らざるをえない、という構図。また当地ローカルのインフォーマルセクターの乗り合い交通も小銭支配の大きな胴元とも。

バカがオロオロする話?(1)~アビジャンの公共交通

現にバカやウォロウォロは、きっちり小銭持っていかないと載せないという輩もあるらしい。


こんなに小銭にニーズがあるのに、なんとこちらアビジャンでは、250フラン効果は受け取らないとの変な商慣行も広がりつつある。

【悲報】250フラン硬貨は通じません〜集中講義「フランCFAのお話」番外編
前編
続編


上記の記事によれば、このフラン効果を溶かして、装飾品や芸術作品を作るなどの大胆な行為も多くみられるとか。


統計によれば、2015年における市場流通貨幣の88%が紙幣によるもの。他方、特に西アフリカでは、銀行利用率が低く、15歳以上の人口における口座保有率は20%あまり。特に地方部でその傾向が強い。そんな世帯では貯金をお札ではなく硬貨で溜め込んでいるという。コインはお札と違って、劣化が少ないからだ。


かくして西アフリカでは、きょうもおきまりのセリフが繰り返されている。

(おわり)

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