ぶらぶら★アフリック

アフリカ・プロモーター、ンボテ★飯村がお送りする100%アフリカ仏族ぶらぶらトーク!

アフリカの航空事情(4)~最難関のコンゴ民主共和国(前編)

2013-05-07 07:30:57 | アフリカ紀行
このシリーズも四回目を迎え、いよいよ佳境に入ってきた。今日は最難関の横移動、コンゴ民主共和国に話を移したい。

(写真:国内線ネットワークの主軸、CAA。北キブ州ゴマ空港にて)


飛行機に頼るしかない、しかしその飛行機に頼れない、というのがコンゴ民主共和国だ。なんせ巨大な国、アフリカで唯一時差のある国。ヨーロッパに地図を重ねれば、南はギリシャ、北は北欧まで届く広さだ。そして、その大国が、陸上の交通網、道路や鉄道でつながっていない。人を寄せ付けないジャングルが国土を覆う。深い森の中に点在する州都を、いまにも落ちそうな飛行機が細々と結ぶ。我々はロシアン・ルーレットならぬ、コンゴ・ルーレットと呼んだ。

なんせ世界中で使えなくなった飛行機がアフリカ、そしてコンゴにおさがりとしてやってくる。よど号事件のボーイング727、あの事件の機体そのものがついこの間までキンシャサ・ンジリ空港に現存した。運航の用に供されていたが、2011年7月、東部キサンガニ空港で墜落し、姿を消した。

これを運航していたのが、コンゴでは一応最も信頼があるとされてきた「Hewa Bora(エワ・ボラ)航空」。第一話で話題にしたザイール航空の血筋を引くエアラインで、ブラッセル航空(旧サベナ航空)が以前、グループ化のもとで共同運航すら考えていたエアラインだった。しかし安全性には終始疑問がつき惑った。繰り返される飛行機事故で、この可能性も立ち消えたと聞く。

コンゴでは、飛行機の墜落事件が日常茶飯事だ。私が現地にいる二年半の間に、知る限りでも5件の重大事故が繰り返された。中でも、キンシャサの住宅密集地、市場があるカルティエに輸送機が墜落した事故は痛ましい。ついに犠牲者の数も正確にはわからない顛末だった。

わたしがコンゴに赴任した当初、国連などの仲間が止むを得ず利用していたブラボー航空も程なく墜落事故を起こし、その反動で姿を消した。

このように、コンゴの航空会社は、アフリカでよく見るポンコツ乗合バスのノリで運航される。違うのは、バスはエンコすれば路上に止まる。飛行機は落ちるという点だ。こういったことから、上記のエワ・ボラ航空を含め、コンゴのすべての航空会社、小さいもの、ペーパーカンパニーを含めて60くらいあるらしいが、すべての航空会社がEUのブラックリストに載っている(=ヨーロッパ人は当局から乗ってはいけないと注意喚起されている)。

コンゴをテーマに話しだすと、この手の話はネタが尽きない。次号に続く。


「アフリカの航空事情」
第一話~横とびが大変!
第二話~エールフランスとアフリカ
第三話~難関!中部アフリカ


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。