ぶらぶら★アフリック

アフリカ・プロモーター、ンボテ★飯村がお送りする100%アフリカ仏族ぶらぶらトーク!

アフリカと地方分権化〜遥かコンゴのよもやま話

2017-10-05 14:20:49 | ぶらぶらアフリカ論
ついこの間、当地アフリカ人のお宅に呼ばれてディナーをいただいた。席上ご一緒した旧知のアフリカ人と話していたら、なんと同じ時期にコンゴ民主共和国のキンシャサに駐在していたというではないか!!

ンボテ「そうなんですか〜!あの頃は【古きよき(?)コンゴ】でしたから、それはそれはひどい目に遭いました笑。」

アフリカ人「まったくだ。エロコヤマカシ。」


話を進めるうちに、アフリカではいつも深いテーマとなる「地方分権化」の話に突き進んだ。

ンボテ「2007年、まだコンゴが『開国』して間もない頃、東部の都市キサンガニを訪問した。官吏が膝まづくその奥から、ジャングル大帝みたいな州知事がご登場。『俺の縄張りに、お前ら何しにきた?』って。ビックリした。」

アフリカ人「ははは。地方分権化して11州制に移行した頃の話だな。まだまだコンゴはsauvageだった。」

ンボテ「そういえば2015年、コンゴ民主共和国は11州制から26州制に移行した。あんな大きな国、オリエンタル州だけでもフランスの面積がある国で、州の統治が難しかったのはわかる。でも国レベルでいえば、そもそもガバナンスができていないのに、26州も州作って、大丈夫なの?!って。」


コンゴ民主共和国独立記念日2016(3)〜Très Très Démocratique

(congoayuk.wordpress.comより)


アフリカ人「まったくだ。州知事ポストを作る、官房を作る、十数名に及ぶ州大臣を任命する、州議会を作り議長を任命する。官房組織だけでいったいいくつあるのか。金ばかりかかる。」

ンボテ「まさにそこが心配の点。プロトコールばかりインフレして、中身がない。」

アフリカ人「ふむ、肝心の行政の基礎的サービス提供機能が低すぎる。カトリック系のNGOとかが保健やったり、教育やったりして。行政の肩代わりだ。」

ンボテ「それで人々の生活の支援や開発の金は、別によこせって、ちょっと違うよって。たとえば保健予算は、大多数が給与で、その少なからずが、実際は働いていない、いわゆる「幽霊公務員」の給与として闇に消えていく。そんでドナーにはお金がない、病院建ててくれ、ワクチンくれって。なんかおかしい。ドナー支援はそいういところにも切り込んでる訳だけど。」


ンボテ「ところでこの26州制は、今後の政局のためとも言われてる。カタンガ州のモイーズ・カツンビの去勢に影響していると聞く。」

アフリカ人「そう。政局だよ。」


コンゴ民主共和国・動く政局(前編)~地方分権化のイミ

ンボテ「選挙やるんですかね、、、。」
アフリカ人「さあ、どうかな。でもコンゴだ。選挙を強要するばかりが、解決ではないよ・・・。」



アフリカにおける地方分権化。コンゴの例は少し極端かもしれないが、どこの国でも大きな問題が潜んでいる。

小さな中央政府。行政サービスデリバリーは住民に近いところで。考えはよい。しかしまずは権限と組織を定める法令ができて、予算と人員と権限の委譲(rétrocession)が必要。

ひとたびそうなっても、地方でサービス提供ができる人材がいない。地方に配るほど予算がない。雇うための給与がない。ただでさえ弱い行政組織が、地方にバラバラに分散する。それをコントロールも調整もできない中央政府。

しかもその地方の行政は、誰が自治するのか?大統領や国民議会の選挙もおぼつかないアフリカの国では、地方選挙にまでカネも体力も持たない。ガバナンスが効かない。課題があまりに多い。


かくしてアフリカの地方分権が話題になると、ンボテの頭には、密林のジャングルから大帝がお出ましになる。
『オレの縄張りに・・・』

(おわり)

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2 コメント

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2つのコンゴのSAPEUR (らすた)
2017-10-08 08:49:07
こんにちは。大丸東京店での催事、サプール展に行ってきました。コンサバスーツはブラザヴィルスタイル、自由でちょっととんがってるのがキンシャサスタイル、元宗主国をみると反対じゃないのかな、と思ったり。BGMはPapa Wemba。つい絵葉書なぞ買っちまいました。いつか彼らを撮ったChanoさんとNboteさんのトークショーがあると楽しいでしょうね。
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Re:2つのコンゴのSAPEUR (ンボテ)
2017-10-09 06:06:21
日本ではそんな素晴らしいイベント開催中なんですね?!ンボテもSapeurで飛び入りたいです〜!日本ではブラザヴィルがはじめ取り上げられていましたが、もともとキンシャサとも同じ文化圏。こちらコートジボワールだって文化と流行の発信地。対抗というよりは、それぞれタレントの流儀が大事なんだと思います。
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