昨日街でMさんのご主人とばったり。
「わし、この頃ウツになっちゃって・・・」
訊けば、大きな石を抱えて立ち上がろうとした途端、腰に激痛、
そのまま動けなくなってしまったのだという。
「どこへも出掛けられないからね、毎日テレビや新聞を見るだけ。
だけど厭なニュースばっかりで・・・・・・
そんなニュースの内容に拘っていたら、だんだんわしの気持ちも
暗くなって考え込むようになってしまった」
「天候もオカシイし、事件や事故のニュースが後を絶たないものね」
「オネエサンもそう思う? わしは色々なことに拘って落ち込む
のでね。 だけど、オネエサンもそう思うなら安心したよ」
何事にも拘らない大らかな人、という印象の強いMさんだったのだ
けれど、年齢のせいか、ぎっくり腰で気落ちしたせいか、意外な
一面を見た気がした。
「大丈夫、大丈夫。 拘らず、捉われず、だよ。
お互いにもうこの齢だもの、貴重な毎日を元気で明るく過ごさ
なければ」
これは同級生たちとの間でも集うたびに交わす合言葉。