
コの字型キッチンのダイニング編です。
その前に不思議なお話を一つ。
先日、娘がお昼に帰ってきて、ずっとおなかが痛いと言っていて、市販の薬を飲ませてから様子を見ていましたが、夕方になっても治まらないので、診療所に連れていきました。
患者さんは一人二人でしたが、患者さんとは思えないスーツ姿の方が他に2名ほどいて、診察を待っている間に診察室からこれまた患者さんとは思えないスーツ姿の方が「ありがとうございました!!!」と元気な声で帰っていきました。
娘は座っていることもできない状態で、待合のいすに横になっていたので、廻りからは一目見て辛そうだなってのが分かったと思います。
看護師さんもこりゃ相当だなと感じたのか、中のベッドで横になっていてと声をかけていただいたのですが、順番通りといいますか、看護師さんが「あまり先生は時間がないので、手短に」と説明を加えて、スーツ姿の方が順番に診察室に入っていきました。
ようやく娘の番が来て診てもらうことになり、先生が開口一番
先生「何か薬を飲ませましたか?」
私「とりあえず神経性の胃薬を飲ませました」
先生(失笑)「いや、薬の種類じゃなくて、薬の名前聞いたんだけど。はあ」
え?
何か失笑されて、ため息つかれるような回答しました?私?
かつて、私が診療所の設計をしたとき、その先生は必ずお昼休みか診察後の20:00以降が打ち合わせ時間と決まっていました。
そして、その先生から「命を預かる仕事という意味では、お互い同じですね」というニュアンスの言葉を言われて、建築士という責任の重さ、「士」は「サムライ」だという事を教えられました。
とても私が設計を担当した先生と今回の先生が同じ職業、また、私と同じ士業であると思えなかった不思議な出来事でした。
・・・あー、スッキリした。
さて切り替えて、コの字型キッチンのダイニングスペースは最初の画像の通り、一段上がっています。
まず一つ目の理由はその段にペレットストーブが置いてありますが、ペレットや薪ストーブなどの高温の熱を出す暖房器具はとんでもない上昇気流を生みます。
空気が上昇し続けるという事は、廻りの空気を引っ張ってきて、それを持ち上げるという作業を繰り返します。
つまり、廻りの空気を引っ張りながら、埃も一緒に引っ張ってきて、それを持ち上げ続けます。
暖炉や薪ストーブって、床から1段上がっているイメージないですか。

これは、空気と一緒に引っ張ってきた埃を上昇気流に乗せないために引っ掛けさせる役割もあると聞いたことがあります。
上昇気流が大きすぎれば、引っかかる手前で持ち上がる気もしますが、かつて、薪ストーブ屋さんから教えられました。
一応今回もその役目を持たせたことが一つ。
次が、バルコニーに出る場合、バルコニーの防水はある程度の立ち上がりを設ける必要があります。
つまり、バルコニーに出るには、サッシをまたがないと出られないという事になります。
でも、サッシをまたいで出るよりはフラットに出た方が気持ちいいですね。
フラットに出たい場合、2階の床よりもバルコニーの床を下げる方法がありますが、下げ寸法が大きすぎるとスキップフロア扱いとなり、無駄に耐力壁を増やすことになってしまいます。
明らかに無駄なので、水平構面に入る水平力がキチンと流れる段差以内に抑えつつ、納まらない高さは2階の床を上げることでバルコニーの出入りをフラットにします。
三つめが、ロフトとの関係性。
部屋全体で見ればロフトは床から2m20cmの高さにあります。
しかし、1段上げることでロフトへは2mちょっとの高さで行けます。
行けるどころか手が届く高さ。
懸垂したくなる高さです。
そこまで低くしてしまいましたが、もともとロフトはダイニングの上にあります。
座って過ごすことが多い、ダイニングですから、天井が低くても、圧迫感を感じません。
それよりも、座った時に見える景色の天井を高くした方が有効になります。
そして一番重要なのが、キッチンとのコミュニケーション。

キッチンで作業する人は立っている。
ダイニングでくつろいでいる人は座っている。
これだと目線が揃いません。
だからダイニング側の床を一段上げることで立っている人との視線が揃います。
ついでに全く関係ないところで、階段を下りるときの、圧迫感も軽減させています。
9坪しかない階なのに、奥行き1m40cmもあるキッチンカウンター。
どんだけなんだと思いきや、視線はしっかり正面で同じ高さ。
小さいけど、遠いのに近いんです。
1個の工夫で5つのメリット。
欲張りネイティブディメンションズ。
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その前に不思議なお話を一つ。
先日、娘がお昼に帰ってきて、ずっとおなかが痛いと言っていて、市販の薬を飲ませてから様子を見ていましたが、夕方になっても治まらないので、診療所に連れていきました。
患者さんは一人二人でしたが、患者さんとは思えないスーツ姿の方が他に2名ほどいて、診察を待っている間に診察室からこれまた患者さんとは思えないスーツ姿の方が「ありがとうございました!!!」と元気な声で帰っていきました。
娘は座っていることもできない状態で、待合のいすに横になっていたので、廻りからは一目見て辛そうだなってのが分かったと思います。
看護師さんもこりゃ相当だなと感じたのか、中のベッドで横になっていてと声をかけていただいたのですが、順番通りといいますか、看護師さんが「あまり先生は時間がないので、手短に」と説明を加えて、スーツ姿の方が順番に診察室に入っていきました。
ようやく娘の番が来て診てもらうことになり、先生が開口一番
先生「何か薬を飲ませましたか?」
私「とりあえず神経性の胃薬を飲ませました」
先生(失笑)「いや、薬の種類じゃなくて、薬の名前聞いたんだけど。はあ」
え?
何か失笑されて、ため息つかれるような回答しました?私?
かつて、私が診療所の設計をしたとき、その先生は必ずお昼休みか診察後の20:00以降が打ち合わせ時間と決まっていました。
そして、その先生から「命を預かる仕事という意味では、お互い同じですね」というニュアンスの言葉を言われて、建築士という責任の重さ、「士」は「サムライ」だという事を教えられました。
とても私が設計を担当した先生と今回の先生が同じ職業、また、私と同じ士業であると思えなかった不思議な出来事でした。
・・・あー、スッキリした。
さて切り替えて、コの字型キッチンのダイニングスペースは最初の画像の通り、一段上がっています。
まず一つ目の理由はその段にペレットストーブが置いてありますが、ペレットや薪ストーブなどの高温の熱を出す暖房器具はとんでもない上昇気流を生みます。
空気が上昇し続けるという事は、廻りの空気を引っ張ってきて、それを持ち上げるという作業を繰り返します。
つまり、廻りの空気を引っ張りながら、埃も一緒に引っ張ってきて、それを持ち上げ続けます。
暖炉や薪ストーブって、床から1段上がっているイメージないですか。

これは、空気と一緒に引っ張ってきた埃を上昇気流に乗せないために引っ掛けさせる役割もあると聞いたことがあります。
上昇気流が大きすぎれば、引っかかる手前で持ち上がる気もしますが、かつて、薪ストーブ屋さんから教えられました。
一応今回もその役目を持たせたことが一つ。
次が、バルコニーに出る場合、バルコニーの防水はある程度の立ち上がりを設ける必要があります。
つまり、バルコニーに出るには、サッシをまたがないと出られないという事になります。
でも、サッシをまたいで出るよりはフラットに出た方が気持ちいいですね。
フラットに出たい場合、2階の床よりもバルコニーの床を下げる方法がありますが、下げ寸法が大きすぎるとスキップフロア扱いとなり、無駄に耐力壁を増やすことになってしまいます。
明らかに無駄なので、水平構面に入る水平力がキチンと流れる段差以内に抑えつつ、納まらない高さは2階の床を上げることでバルコニーの出入りをフラットにします。
三つめが、ロフトとの関係性。
部屋全体で見ればロフトは床から2m20cmの高さにあります。
しかし、1段上げることでロフトへは2mちょっとの高さで行けます。
行けるどころか手が届く高さ。
懸垂したくなる高さです。
そこまで低くしてしまいましたが、もともとロフトはダイニングの上にあります。
座って過ごすことが多い、ダイニングですから、天井が低くても、圧迫感を感じません。
それよりも、座った時に見える景色の天井を高くした方が有効になります。
そして一番重要なのが、キッチンとのコミュニケーション。

キッチンで作業する人は立っている。
ダイニングでくつろいでいる人は座っている。
これだと目線が揃いません。
だからダイニング側の床を一段上げることで立っている人との視線が揃います。
ついでに全く関係ないところで、階段を下りるときの、圧迫感も軽減させています。
9坪しかない階なのに、奥行き1m40cmもあるキッチンカウンター。
どんだけなんだと思いきや、視線はしっかり正面で同じ高さ。
小さいけど、遠いのに近いんです。
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