いい感じでせり出しています。
これだけ軒が出ている住宅は、最近ではあまり見かけません。
しかし、軒は住宅における省エネ対策や劣化対策においてとても重要な役割を果たしています。
夏に直射日光を部屋に取り入れない、雨水から外壁を守るというとても重要な役割です。
気合が入っているせいかこの軒、1m20cmも飛び出しています。
そのため軒を出すための材料(タルキと言います)の厚さは14cmにもなります。
一般住宅の2倍以上の厚さです。
しかし、ここで問題が。
建物の地震や暴風に対する構造計算をする場合、このタルキは9cm以上の材料を原則使ってはいけない事になっています。
じゃぁ、なぜネイティブディメンションズは使っているのか。
言わなきゃばれなさそうだから。
ウソですよ。ウソ。
地震や暴風の検討にこのタルキとその上に張る合板の耐力をないものとして検討して、計算をクリアさせているから。(風に吹き飛ばされない検討はしています)
設計はさまざまなアプローチがあります。
構造の検討。
省エネに対する検討。
住む人のライフスタイルの検討。
これらがすべて組み合わさるとき、どれかに不都合が出る場合があります。
それを仕様がないじゃなくて、すべてをクリアさせるかが設計士の仕事です。
当たり前っちゃぁ、当たり前。
もう一つ屋根で重要な事がありますが、また次回という事で。
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