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新潟市の住宅設計事務所ネイティブディメンションズ=狭小住宅や小さい家、構造計算、高気密高断熱が好きな建築士のブログ

住みたいまち>住みたい家

2021-12-16 19:45:57 | 建物探訪
昨日の夕方に埼玉県入りして、今日は埼玉県にある増木工業さんの建て方と開発分譲した団地を見学させていただきました。

特に感動したのが一番最初の画像。
家の間を縫うように路地があります。
新潟県内でも遊歩道付の分譲地はありますが、ほとんどが敷地の裏側にあってそれが普通と思っていましたが、

なんとこの団地はここがメインストリート。
このように全住戸の玄関が路地に面しています。
しかも、ちょっとくねくねしているのが、雰囲気をさらに良くしてくれています。
結果、お隣さんの窓の距離も近いんですが、それをマイナスととらえずに、むしろ窓を飾って、通る人を楽しませてくれます。

この団地には共有の家庭菜園スペースなどもあり、積極的にコミュニティが取れるようにもなっています。
子供はこの路地を裸足で走り回っているそうです。

建物は耐震等級3、HEAT20ほぼG2のG1グレード、太陽光パネルにエネファーム、パッシブエアコンとフル装備の住宅。
なのに街並みは人間味が溢れる景色。

すごくエッジが効いたまちですが、そもそもこういう雰囲気やコミュニティが好きな人たちが必然的に集まってくるわけじゃないですか。
価値観の近い人たちが集まりやすいんだから暮らしやすいと思うんです。

家単体じゃこんなこと絶対できません。
住みたい家よりも、住みたいまちが大切だなぁって心の底から思いました。

増木工業さん本当にありがとうございました。
大変勉強になりました。

なかなか私がまちづくりに参加することはできませんが、私ができる一つ一つの建物を丁寧に関わっていきたいと思います。
ということで、
というわけでもありませんが、今週初めに神田工務店さんの設計協力物件の内部耐力壁検査を行ってきました。
是正箇所は一か所もなく、順調に工事が進んでいます。

また、今週からはリノベーション工事も始まりました。
このお住まいの購入前から相談を受けていて、最初お話を聞いた時は「築25年は実は危険」と答えました。

そのころの建物って、中途半端に断熱材を入れ始めたのに防湿処理が上手くできていないケースがあって内部結露しやすい建物が多いんです。
見た目きれいでも、壁の中は大変なことになっている確率が高いんですが、現地調査に伺わせていただいて調べたら、

この建物ツーバイフォー住宅だったんです。

お、もしかしてと期待が上がり、当時問題視されていた箇所も確認したら、そこもちゃんと施工されてる。

つまり上玉の中古物件だったんです。不動産屋さんは償却年数で判断しますが、建築士は質で判断します。
しかも、25年前と言えばバブル後ですが、住宅業界はまだ上向きだったころ。

私はそのころの建物を「バブルの亡霊」と呼んでいるんですが、この建物もまさにバブルの亡霊。
何が言いたいかというと、めっちゃ豪華なんです。
しかも、傷みも少ないので、Oさんに「いい建物ですよ」とお勧めして、今週無事工事が始まりました。

改めてツーバイフォーの建物はすごいと思いました。
25年前でありながら、耐震、断熱、気密、防湿、通気、防風が確立されている。
すっごいサスティナブルな建物です。

どうしてもこれを在来でやりたい。
しかも在来の特権でもある構造を現しにしたお住いにしたいと思って、ミニストックを考えたわけですが、

ツーバイパイセンの実力をまざまざと見せつけられました。

このお住まいを私の手で暮らしやすくさせることにとてもやりがいを感じています。

リノベって、経済面や流行的なものだけじゃなくて、今まで住んできた想いがどのくらい載っているかとか、これからも住み続けられる質が備わっているかが大切だと考えています。



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