*2/18の満月ワインバーで出合ったヴィナイオータのワインたち
満月の夜(とその前日)だけのお愉しみ
満月ワインバー に今月も行ってまいりましたよ。
「ツイッター自由なワイン連合」の総長、
VinaiOta の太田社長の持込みというだけあって、どれも魅惑的なワインばかり。
備忘録を兼ねて、いただいた6種類のワインを紹介させていただきます。
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■Trinchero A-iuto! Vino Bianco da Tavola
トリンケーロ アユート ヴィーノ ビアンコ ダ ターヴォラ
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私がヴィナイ太田の存在を知ったのは、このワインとの出合いがきっかけです。3年前、長谷のワインBar
Beau Temps のオーナー石井さんに「スゴイやつがありますよ~」と薦められて「ひと飲み惚れ」しました。
当時リリースされていた2005年ヴィンテージは、産地が多雨に見舞われ収穫時に厳しい選果を余儀なくされた年のもの。もともと少量生産の白ワイン3種類は生産量が半減し、単一で瓶詰めすると極めて少ない量しか出来なくなるため、全ての品種をブレンドするという苦肉の策を取りました。ところがこのアルネイス、シャルドネ、マルヴァジーアのブレンドは、奇跡的に互いの持ち味を生かした素晴らしいワインとなったのです。ヴィナイオータの太田社長が「全量買取り」という条件でこのワインの名づけ親となりました。
A-iutoとはイタリア語で「助け、援助」。語尾に“!”を付けると「助けて!」という意味になります。ワインと同じ2005年生まれの愛息ゆうとくんの名前を掛けたもの(A Yuto=“ゆうとへ”。イタリア語でAは前置詞)だそうです。
「日本でしか飲めない」「2005ヴィンテージ限定」という稀少価値も手伝って、私はすっかりアユートの虜となりました。偶然の産物にしてはあまりにも素晴らしすぎる、まさに奇跡のワインです! なんと2005年だけで終わらず、翌年も生産されたとのことで、こうして再会を祝うことができたというわけ。
色はビオ(自然派)らしい、まるでシェリーのアモンティリャードかと思うような茶色掛かった琥珀色。ラベンダー、ジャスミンを思わせる芳香、まるで香草をブレンドしたように個性的な味わいは、まさに未知との遭遇でした。しかしクセモノにもかかわらず、あくまでも飲み口は「スッキリ」。グイグイいけてしまいます。(今回も2杯いただきました)
産地:ピエモンテ
生産者:エツィオ・トリンケーロ
葡萄品種:アルネイス50%、シャルドネ30%、マルヴァジーア20%
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■Radikon Oslavje
ラディコン オスラーヴィエ
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現オーナーであるスタニスラオ・ラディコン氏の祖父が、オスラーヴィエで戦後まもなく創業したワイナリーです。1995年からは除草剤や化学肥料などを一切使わずにぶどうの栽培を行い、厳しい収量制限のもとに収穫された完熟葡萄は、化学薬品を使用することなく醸造されます。
白ワインとは思えない濃い色調を持つオスラーヴィエは、「葡萄の皮の色が違うから造り方を変えるのはナンセンスだ」という哲学に基づき、赤ワインと同じ醸造を経て生まれたワイン。ピノ・グリージョ、シャルドネ、ソーヴィニヨンの3品種をアッサンブラージュ、オーク樽の大樽で3年、瓶内でさらに1年熟成することにより、シェリー酒のように酸化的な独特の風味を持つ色の濃い白ワインとなるそうです。赤ワインの深みと複雑さを持ちつつ、白ワインの口当たりの良さをも備えています。
産地:フリウリ
生産者:スタンコ・ラディコン
品種:ピノ・グリージョ40%、シャルドネ40%、ソーヴィニヨン30%
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■Pane Vino ALVAS
パーネ・ヴィーノ アルヴァス
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主要品種マルヴァジーア(mALVASia)から文字を抜き取りワイン名に。
サルデーニャ語で「白」の意味もあるそうです。
葡萄は他にヴェルメンティーノ、ナスコ、レタッラーダ、ヴェルナッチャ、ヌラーグス、セミダーノを使用。醗酵は皮ごと行い、屋外の木陰で醗酵を始め、徐々にセラーの入り口付近、セラー奥へと醗酵槽を移動、醗酵温度は45度に達する時も。圧搾後は50ℓ程度の大瓶で保存、1年後にボトリングされます。独特の醸造方法は、葡萄についた微生物を温度や光の変化に慣れさせるためだそうです。
産地:サルデーニャ
生産者:パーネ・ヴィーノ
品種:マルヴァジーア他
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■Massa Vecchia Rosart
マッサ・ヴェッキア ロザート
トスカーナの自然派が造るロゼらしくないロゼ。マッサ・ヴェッキアは、創業当初から化学肥料を一切使わない有機農法を実践しています。
野生酵母のみを使用し、木製の開放醗酵槽でのマセレーションと醗酵、温度管理などの人為的なコントロールをせずに醸造を行うため、年間生産本数はわずか1000本程度です。2005年ヴィンテージが「美味しすぎるロゼ」として大注目のロザートは、パッシート(甘口デザートワイン)のために干していたアレアーティコがブレンドされているそうです。収穫後に雨が続き、カビはじめてきたため、パッシート造りをあきらめて入れてしまったとか。
華やかな濃いローズ色。凝縮した葡萄の甘みと赤ワインのような心地よい渋みが絶妙のバランスで同居しています。
「ロゼらしくない」に納得。もちろんニ酸化硫黄無添加。
産地:トスカーナ
生産者:マッサ・ヴェッキア
品種:メルロー、マルヴァジーア・ネーラ、アレアーティコ
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■Vinicola Savese Primitivo Tarantino Desiderium
プリミティーヴォ タランティーノ デジデリウム
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地図の「かかと」地域、南イタリアのワイン。
プーリアでも屈指のワイン生産者、ヴィニコーラ・サヴェーゼの最強ワインがこちら。強い日差しと土壌からの照り返しで、干し葡萄のように一気に糖度が上がったプリミティーヴォで造られているせいか、あのヴェネトの銘酒アマローネ・デッラ・ヴァルポリチェッラに爽やかな酸味が加わったような印象です。しかし、なんとアルコール度数16.5%!と怪物級。口当たりの良さにいい気になって、グイグイ飲んでしまうと大変なことになりそう。
産地:プーリア
生産者:ヴィニコーラ・サヴェーゼ
品種:プリミティーヴォ100%
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■Angiolino Maule
La Biancara Pico
ラ・ビアンカーラ ピコ
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イタリア自然派ワインの第一人者、アンジョリーノ・マウレ氏のカンティーナです。畑では有機農法を実践、全てのワインを野生酵母で発酵し、ビン詰めまで二酸化硫黄は無添加で造られます。
やや薄茶色がかった、にごりのある独特の色合い。
完熟パイナップル、砂糖づけのレモンを思わせる甘く複雑な香り。ビックリしたのは、グラスに注ぐ時にまるでオリーブオイルのようなとろみがあったこと! これは微生物のいたずらで、ボトルの中で偶然に生まれたサプライズだそうです。口に含むと、すっきりとした酸味、華やかな果実味がねっとりと広がり、ミネラル感がジワジワと溢れてきます。フィニッシュに心地よい苦味も感じられ、とってもふくよかなボリュームを感じさせるワイン。グラスを回してじゅうぶん空気に触れさせると、みるみるうちにサラサラに変化します。
産地:ヴェネト
生産者:ラ・ビアンカーラ
品種:ガルガーネガ100%
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あ~しかし。。。4、5年前まで「ビオワインって胡散臭くて苦手」だなんて言っていた自分、どうかしてたぜ。
濁り系(ノンフィルター)、微発泡(瓶内発酵)、トロットロ(微生物効果)、、、今やすっかりフリースタイルの虜です。
ビオの素晴らしさ(美味さ)を教えてくれた石井さんに感謝、アユートの父太田社長に感謝。
それにしても熱い夜でした。風邪が吹っ飛んだ。
ワインインポーター、VinaiOtaのHPは
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