みみずのしゃっくり

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メルヘン王

2014-06-03 | おきにいり

前回のついでに、数年来アップしようと思っていたルキノ・ヴィスコンティの「ルードヴィヒ」です


DVDのケース

ロミー・シュナイダーの全く別のエリーザベト

何故このDVDを買ったかというと、学生時代ヒアリングの教材として映画「ルードヴィヒ」を見たことがあったからです。当時は全然聞き取れなかったし、映画監督が何を言いたいのかも、さっぱり分かりませんでしたが、豪華で時々幻想的な画面は印象に残りました。
仕事でロミー・シュナイダーの資料を読む機会があり、あの映画はなんだったのか?と改めて考え出しました。
ところが、バイエルンルードヴィヒ2世も極めて伝説的な人物で色々な劇映画、ドキュメンタリー映画があり、学生時代に見た映画がどれだったのか確定できず、どうせならヴィスコンティにしよう(ロミー・シュナイダーの「別の」エリーザベトも見られる)というわけで、この超大作映画のDVDを購入。


イタリア語版の予告編



歴史上のルードヴィヒと周辺の人々はドイツ語を話すわけですが、監督とスタッフがイタリア人なので、イタリア語版が本来のオリジナルです。
戴冠から謎に満ちた死までが描かれ、ほぼ4時間で、分量的にも超大作。長すぎるので分割されており、なんだか数回のテレビドラマ・シリーズみたい。



ロミー=エリーザベトの現れるシーンのひとつ



エリーザベトは沢山、大型の猟犬を飼っていました(と言っても自分で世話をするわけではなく、大きな犬舎があり犬係が世話していました)。



戴冠式の場面



こういう儀式は世界中どこでも仰々しいですね。でも、この映画では「絵本」にならず重厚です。



 今日の蛇足


ルードヴィヒと言えばノイシュヴァンシュタイン城。撮影にも使われています。あまりに観光名所なので、行ったこともなく、今後も行く予定はありません

この映画の重要な軸は、ルードヴィヒとリヒャルト・ワーグナーの不思議な関係です。ルードヴィヒがパトロンとなる前のワーグナーは破滅一歩手前で、ルードヴィヒの援助なしには作曲家ワーグナーは存在し得なかったでしょう。
映画の中にもワーグナー作品が効果的に使われています。

ルードヴィヒを演じているヘルムート・ベルガーはオーストリア人。日本語ウィキでバーガーと表記しているのは、アメリカ経由の発音による表記と思われます。エリーザベト→エリザベートの場合同様、ベルガーを日本語訳したものがバーガーと言うこともできるでしょう。


最後に…
DVDを見ても、やっぱり監督が何を言いたいのか、はっきり把握できませんでした。しかし、ヴィスコンティが自らの人生をルードヴィヒと重ねあわせ、情熱を注いだことは確かのように思います。

アマゾンで販売されています。

と言っても買う必要はありません。YouTubeに沢山紹介されています






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2 コメント

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Unknown (めんまねえちゃん)
2014-06-05 18:15:57
ワーグナーの伝記とか、ルードヴィッヒやエリザヴェートの伝記で読んでも、なんか関係がとても難しいですね。
騎士物語の幻想的な世界に生きていた人だと、
ワーグナーの曲はもう、鳥肌もので夢中になったのか。
うーん、この映画は何を言いたいのか. . .
とあまり考えたことがなかったですが、
ヴィスコンティの貴族性(なんて変な言い方でしょうか)を如実に表す舞台設定だから映画にしたのか. . .
と、漠然と思ってました。
剣と魔法と騎士とか、そういう世界観が好きなので、
なんか、ノイシュバンシュタインも気にならなくはないのですが、どちらかというとゴシックで重厚な城のほうが好きなのでたぶん、私もなにかの機会がたまたまなければ行かないかもしれません。
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めんまねえちゃんさん (ななみみず)
2014-06-07 03:14:16
ワーグナーもルードヴィヒもヴィスコンティもみんな
ややこしい人物ですから、つまり、とってもややこしい
と言っても、実はみんなシンプルだったのかも
私の独断と偏見で極度に簡略化すれば・・・
ワーグナーは偏執狂
ルードヴィヒは自分の夢の中に生きた小児病患者
エリーザベトは勝手に生きたかったエゴイスト
ヴィスコンティは自分の出自と現実の乖離に悩んだ同性愛者
ああ、やっぱり極度にシンプルで複雑だぁ~~~
この映画でルードヴィヒを演じているヘルムート・ベルガーは
ヴィスコンティの「パートナー」でした。

今、観光名所になっているお城には
19世紀の歴史趣味で作られた「おもちゃ」も多いみたい・・・
本当に古いものは、古臭くって、現代人からはガラクタに見える危険もあります
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