みみずのしゃっくり

みみずのしゃっくりのように役に立たないことを不定期に書き込むブログ。
専属スターはいませんが、猫っぽい内容です。

ななみみず前身「みみざこ連」




仔ニャンコ・仔ワンコが新たなお家に迎えられるには、いつ頃が良いのでしょうか?
いわゆる「8週齢」問題については、こちらをご覧ください。六つ子の仔猫の動画もあります。

最新記事は、この下です↓
通常1日おきに更新の予定ですが、2日おき、あるいは3日おきになることもあるかも・・・(^v^;)

花のワーグナー

2021-10-29 | そこらへん


前回、ウンPのアップだったので、口直しならぬ「お目直し」に「花の時期」のワーグナー建築をご紹介




「メダルの家」と呼ばれる建物(1898年)




外壁にメダルのような装飾があるので「メダルの家」と呼ばれます。



メダルの家に隣接するマジョリカハウス(同じく1898年:外壁にマジョリカ焼きのタイルが使われています)




中央にマジョリカハウス、その右が「メダルの家」で、左端に一部見える歴史主義建築とは明確な違いが見られます。



メダルの家とマジョリカハウスの「つなぎ目」





更に細部を見てみましょう。


コーナーを四分の一円とした画期的な設計



コロ・モーザーのデザインした壁面装飾



マジョリカ焼きのタイルはワーグナーの弟子がデザイン、ウィーンのレンガ・タイルメーカー(Wienerberger)が生産(今も存在する世界的企業)




メダルの家とマジョリカハウスは、以前にアップしたサスペンダーの家から10年後のワーグナー作品です。
歴史主義建築からユーゲントシュティルへの明確な進化が見られます。
ワーグナーの「花の時期」とは私の勝手な形容で、この時期のワーグナーはアールヌーヴォーに最も近かったと言えます。



ワーグナー建築は更に進化します。近く続きを書こうと思います 乞無期待






ワンPのウンP

2021-10-26 | おきにいり


2ヵ所のPを「コ」で置き換えると、今回のテーマになります







うんPそのものが登場するのに、目と眉毛をつけただけで可愛くなりますね 
私としては、このポスターが「おきにいり」です

世界中の都市で恒常的な問題である「ワンPのウンP」
このポスターはウィーン市のMA48によるポスターです。
MA48は「マギストラート48」の略で、ごみ処理、公衆衛生、駐車場を担当する部局です。大雑把に言えば「衛生局」でしょうか。

ウンPちゃんが「私を道路からどけて!」と呼びかけています。
右下には「ガッケール(ワンPのウンPを意味する俗語)はサッケール(小袋)に」(入れてゴミ入れに捨てよう)
最低50ユーロ以上の罰金を節約しよう(罰金を払わなくてすむよ)

しかし問題は、ワンコを散歩させている人がウンPを放置したのを見た人が、律儀に通報するかどうかです
目撃者がいなければ平気で放置する不心得な人もいるでしょう。

もう長年ウィーン市内には頑張るワンコがいました。今でも頑張っているようです。
登場した当初はセンセーショナルに人気沸騰して立札持ち去りが大問題となりました。
このポスターも可愛いけど、写っているのがウンPだけに、持ち帰る人はないでしょう


ついでに、Sars-CoV-2によるCovid-19とワンニャンの関係についてリンクしておきます。イヌネコロナ






普遍的な秋

2021-10-23 | おきにいり


絵でも写真でも、散歩したくなる風景ってありますね これも、その一例









北極・南極・熱帯を除けば、世界中どこでも見られる「普遍的な秋」


この風景にも合う「普遍的音楽」ペルゴレージのスターバト・マーテル

フィリップ・ジャルスキーは現代の代表的カウンターテナーのひとりです。喋るときは普通に男性の声です。

Wiki記事(ペルゴレージ作品について)

音楽ジャンルとしてのスターバト・マーテル

多くの作曲家がスターバト・マーテルを作曲しています。最初に聴いて感動したのはヴィヴァルディ作品でした。ハイドン、ドヴォルザークも聴きました。いずれも美しい作品です。ペルゴレージ作品については「憂いのない悲しみ」だったか「悲しみのない憂い」だったか、名高い形容があるのですが、どちらだったか、誰の言葉だったかは全く忘れました

ヴィヴァルディの「スターバト・マーテル」に触れた以前のボログ記事:10カ月






落第画学生

2021-10-20 | おきにいり


ブルク劇場ジョージ・タボりの「我が闘争(Mein Kampfマイン・カンプフ)」を見ました。
ヒトラーがウィーンの美術アカデミー入学試験に落第し、ホームレスのための施設で過ごした時期を、誇張した茶番劇として描いています。
タイトルは勿論、ヒトラーが後にプロパガンダのため出版した「我が闘争」への皮肉なアリュージョンです。
このボログのカテゴリーが「おきにいり」なのは「タボリの茶番劇が凄い」という意味での「おきにいり」です。



この作品は旧東独でも出版されたらしく、下の写真はその表紙です。




ヒトラーがホームレス施設で、ユダヤ人と親しくしていたことは良く知られています。
この「意図的茶番劇」の主人公はショロモ・ヘルツルというユダヤ人で、「我が闘争」というタイトルの本を執筆中です。
(この名前もテオドール・ヘルツルへのアリュージョン)
美術アカデミーの試験に落第し失意のヒトラーをヘルツルは親身に慰め、政治家への道を示唆。ちょっと無造作だった口ひげを後年の「ヒトラー髭」に剃り、執筆中の本のタイトルまでヒトラーに譲ります。その帰結は壊滅的で、「茶番劇」の最後には死神(女性)が表れて、ヒトラーに親衛隊のユニフォームを着せ、更にハインリヒ・ヒムリッシュ(ハインリヒ・ヒムラーのことで「ヒムリッシュ」は「天国のような」の意)という乱暴者が登場します。


ジョージ・タボリは父親始め多くの親族をホロコーストで失いました。
今回の上演を演出したのはイスラエル出身の演出家で、この人の祖母はアウシュヴィッツを生き延びた闘士で、演出家は祖母から多大の影響を受けたということです。


ブルク劇場HPの「Mein Kampf」紹介では多くの舞台写真が見られます

タボリの「我が闘争」は、映画史上の名作「チャップリンの独裁者」から40年以上を経て登場し、チャップリン同様、ヒトラーを徹底的に笑いものにしています。ほかにもヒトラーを喜劇的に扱った作品はありますが、チャップリンとタボリは際立った「過激派」と言えます。

今回の演出で面白かったのは、脇役として生きたニワトリが登場することです
他の演出では縫いぐるみを使う例もあるようですが、今回は正真正銘のニワトリさん。
しかもプログラムの出演者一覧に

ミッツィ(ニワトリ):(演者)ビルネ

と紹介されていたことです。このニワトリさんは、終盤に象徴的にガス室で殺されますが、その亡骸には縫いぐるみが使われていました。
上演があるたびにビルネさんがミッツィを演じているようです。
リハーサルから出演して慣れているのか、あるいは眠いのか、ココとも鳴かず落ち着いた立ち居振る舞いでした






深まる秋

2021-10-17 | そこらへん


秋も深まり、日照時間も毎日3~4分ずつ短くなっています。
でも、すっかり短くなった後には、また長くなり始めます







上の写真はウィーン市内のドナウ水郷地帯です。
既に何回もドナウ水郷国立公園のことを書いていますが、ここで改めて・・・
首都の国立公園というのは、世界的にも、あまり多くないのではないかと思います。

ここにはビーバー、カワセミ、オジロワシなど多くの野生動物が住んでいます。
彼らもウィーン市民です
最小市民も、水郷地帯の住民です。

コンラート・ローレンツのホームグラウンドでもありました。

ローレンツについても繰り返し書いていますが、ひとつだけリンクしておきます。
惚れた相手





今年も性懲りなく始まったサマータイム。従来通りだと10月末に終わるのですが、近年は「1年中、夏時間のままにしよう」という意見もあります。
さて、今年はどうなるのでしょうか






サスペンダーの家

2021-10-14 | ことば


大分以前にピンボケ写真をアップしたことのあるオットー・ワーグナー初期の建築です(1888年建築)。
まだ歴史主義建築と言えますが、既にその後の発展への兆しが見られます。






この建物は俗にHosenträgerhaus(ホーゼントレーガーハウス)と呼ばれています。
ホーゼントレーガーというのはズボン吊り、つまりサスペンダーのことです。






何故こんな通称が定着したかと言えば、正面ファサードを飾るリボン状の装飾に由来しています。






いつも市電で通るたび「ワーグナーの建物だなぁ」と見ているのに、サスペンダー・ハウスという通称があると知ったのは、最近のことです。
でも、どこで発見したのかは、もう忘れました

英語Wikiの記事には沢山のワーグナー建築の写真があります






WWの3D

2021-10-11 | おきにいり



漸くピンボケ写真によるWW女性デザイナー締めくくりです
その1)WWの女性デザイナー
その2)WWテキスタイル

今回は3Dつまり立体の作品。ここでも日本伝統の意匠のような雰囲気



小箪笥




帽子入れ




ドレス:いずれも和服にもなりそうな・・・






陶器





和装にも合いそうなバッグの数々









MAKウエブサイト英語版:WOMEN ARTISTS OF THE WIENER WERKSTÄTTE







秋猫シネマ

2021-10-08 | かりねこ


ちょっとゴタゴタしてWWテキスタイルの続きを整理できず、また猫さんに飛び入りしていただきます








ソファにテディベア、ポップコーン、そして猫さん 
自宅で映画を楽しむ理想の環境


こういうときには楽しいストーリーが良いと思いますが・・・

以前にアップした忘れられない映画は「太陽の中の男たち
辛い衝撃的な内容ながら名画でした。当時も書きましたが、こういう名画は、残念ながら特別の機会がないと見られません。
同じころに見たイラン映画も素晴らしかったのですが、1回見ただけなので題名も忘れてしまいました

ついでにセンベーヌ・ウスマンの「エミタイ」も素晴らしい映画でした






WWテキスタイル

2021-10-05 | おきにいり


前々回の続き:WWの女性デザイナーによるテキスタイルの数々です。


型染めの版木と布




別の版木




その版木で染められた布




まるで帯のような・・・




続いて色々な「和風柄」の布の数々




















マリメッコ風もありますが、総じて和服(小紋や浴衣など)にピッタリの柄

今回初めて気が付いたのですが(遅~~~い😥)ウィーン工房の女性デザイナーで日本人建築家と結婚し、日本でも活躍した人がいました。
と言うことは、日本美術との交流もあったはずで、その影響もあったことでしょう。

上野リチ・リックス
上野伊三郎

ついでに・・・ブルーノ・タウト
この人は前から知っていましたが、改めて強調:桂離宮を世界に紹介した最初の外国人


すみません。もう一度続きます




秋猫珈琲

2021-10-02 | かりねこ


前回の続き写真を整理する時間がなかったので繋ぎ猫さんです。







猫さんがコーヒーを飲んでいるわけではありません。いつものHPの「あなたはどんなコーヒーが好き?」という記事の賑やかし猫 さん



      



9月から演劇やコンサートの新シーズンが始まりました。
ブルク劇場は前シーズンの後半ずっと臨時休演していたので、久々に行きました。
入り口ではチケットと国際予防接種パスのほかに身分証明書も提示。これで手間取って入り口には短いですが行列ができていました。
コンサート会場の場合はチケットとパスだけでOKなのですが・・・

この日観たのはシェークスピアの「リチャード2世」でした。



ブルク劇場HPのリチャード2世