うたかたの夢暮らし 睡夢山荘にて(Dream life of Siesta hut)

夢から覚めた泡沫のごときだよ、人生は・・
せめて、ごまめの歯ぎしりを聞いとくれ

渋谷 道玄坂のカレー

2015-05-16 22:00:32 | グルメ

青春の味である。

知る人ぞ知るカレーライスの名店である。今は昼間だけの営業で、久しく訪問していなかった。腹いっぱい食べたい年頃である。何より田舎出の舌には何とも刺激的で旨い、ハウスインドカレーではない、これがカレーだと思わせた思い出のカレーなのである。友人Nと事ある毎に食したものである。二人して「ムルギー卵入り辛口大盛りで!」と注文すると、店のマスターが心配顔で「大丈夫ですか?辛いですよ」と厨房から顔を出したものである。何度目かに1回はビールを頼むと「一寸作ったので」とカレー味の餃子様のつまみを出してくれたものである。 もう、そのマスターも亡くなって、どうやら姪御さんらしき人が後を引き継いだらしい。

ご覧のように、長粒米のご飯が山のように盛り付けてある。腹を空かせた20代前半である、とても嬉しく特徴的でもある。カレーの味はカシミール的??カシミールどんな処か?何がカシミールなのかトンと不明ではあるが、僕の中ではこれはカシミール地方の味なのである。 乾いた香りと辛さであるが、左程飛び上がるような刺激的であるわけではない。 お皿の底に残る ギー という油の香りがこの旨さを引き立てる。横に添えられた チャツネ が絶妙な甘さで実に旨い。

お店は、当時はもう少し薄暗くて天風扇が回り、カレーの香りと黴の匂いが混ざったような、それでいて何ともエキゾチックな風であった。今は外光を取り入れたずい分明るい店内になり、女性店主らしい清潔な感じとなっていたが、十分昔を彷彿とさせてくれた。 僕と似たような年代の男性がチラホラ見えるのも、同様に昔を懐かしんで遠くから訪れたような人のように思えた。

そして渋谷の街も変わった。

最後に、もう一度、普通のムルギー卵入りカレーをご覧ください。


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