うたかたの夢暮らし 睡夢山荘にて(Dream life of Siesta hut)

夢から覚めた泡沫のごときだよ、人生は・・
せめて、ごまめの歯ぎしりを聞いとくれ

ユニオンショップ協定

2012-02-19 20:54:30 | 日記・エッセイ・コラム

職場の過半数を代表する労働組合と使用者との間で結ぶ労働協約で、労働者の採用にあたっては労組への加入を条件とし、労組を脱退・除名された労働者は解雇されることを定めたもの。厚生労働省の2005年調査では、この協定があるとした労組は76%。これに対し、組合加入が自由な場合を「オープンショップ」という。( 2011-03-04 朝日新聞 朝刊 政策総合 )

ユニオンショップ協定は、組合の統制力推進、使用者による労働組合の承認という趣旨で広く実施されている。 これは、間接的に労働組合の組織の拡大強化を図ろうとする制度であるが、現実には、労使一体となった二重の威嚇と統制により、労働者の労働組合を選択する自由の侵害や他の労働組合の団結権を侵害することに繋がる場合がある。

また、このことは労働組合と使用者の癒着を生み、労働者の側からの権利実現より、使用者側の意向を優先する、いわゆる労働組合の御用組合化への変容を手助けすることとなっている。

労働者派遣法改正を契機に、契約社員や準社員、派遣社員、パートタイマーなどの非正規雇用形態が爆発的に増加しているが、既存大手組合では、表向きにはこの非正規雇用社員の組合員化を図ろうとしているものの、一方では正規組合員の既得権益保護の観点から、労働者派遣法を楯に使用者側の人事政策の弾力的運用を手助けしていると言わざるを得ない。

しかし、結果的には非正規労働者の大量出現は、正規組合員をも含めた長時間労働、低賃金、福利厚生条件の劣化、そして何より雇用の不安定化を招いているのである。

 私の所属する組合など、代理店化した組合役員による保険の勧誘や年末年始の物資斡旋販売、定例的に行われるレクレーションと称するゴルフコンペや潮干狩りの開催などに、組合経費を浪費するのみで、職場の意見把握の集会など3年の間一度も開催されない態たらくである。

 会社の末端管理者への登用を希望するなら、組合役員の経験が必須であるし、会社の人事政策や組織再編制などの合理化施策実施に当たっては、走狗丸出しの露払いを嬉々としてやるのが組合なのである。 これを、御用組合と称さずして何というのであろう。

 この結果、多くのの職場が非正規労働者主体の構成となり、正社員との比率が6~7割となっている職場も珍しくはないのである。

高齢者で年金受給しながらの薄給契約なら、まだ暮らせるのだが、契約社員か準社員、派遣社員しか雇用機会を持たない昨今の若者にとって、まともに生活を維持することは不可能に近い現実となっている。  若者の車離れやスキー人口の低下など、一番の原因は、彼らが可処分所得を持たないからなのだろう・。 加えて長時間労働と勤務形態の不安定さや将来への雇用不安などが、目の前の現実だとしたら、車を買ってスキー旅行などの気持ちになる訳が無いではないか。

一昨年末の派遣テント村に見られる若年路上生活者の大量出現は、このような御用組合化した労働組合も、その責任の一翼を担っているといえるだろう。

この社会は、組織成員全体の維持とか他者との関係性の確立といった社会としての機能を失いつつあるのかもしれない。

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