うたかたの夢暮らし 睡夢山荘にて(Dream life of Siesta hut)

夢から覚めた泡沫のごときだよ、人生は・・
せめて、ごまめの歯ぎしりを聞いとくれ

イスラム国より安倍首相に頭にくる

2015-02-02 23:04:02 | 社会・経済

僕の愛読 グルメブログの「高野俊一 おっさん一人飯」http://ossanhitorimeshi.net/に、後藤健二さん殺害についての記事があった。

僕の前回記事に関連し、同義の内容でもっとわかりやすく書かれており、全面的な賛意を表明し、無断転載する。

 

以下、記事

中東は石油の宝庫だから、歴史的に、大国の利権争いに翻弄されてきたころがあるようだ。

イスラム国の元々の創始者は、テロリスト集団「アル・カイーダ」の出身だそうなのだが、そのアル・カイーダは元はといば、アメリカが、ソ連のアフガン侵攻に対抗するために、地元民への軍事訓練所として作らせたものとのこと。

アメリカはその後も、アル・カイーダにたいして武器や弾薬、資金その他の支援をつづけたことで、アル・カイーダは9.11が可能となるような、高度なテロ能力を身につけたのだそうだ。

さらにそれらアル・カイーダのテロリストがイラクに入り込むようになったのも、アメリカが湾岸戦争により、イラクのサダム・フセイン政権を崩壊させたからだそう。

アメリカがサダム・フセイン時代の政府関係者を全員解雇、彼らは失業して貧困におちいった上、裁判にかけられて罪を自白させられたり、処刑されたり、自宅軟禁におかれたりした。

またフセイン時代に主流だったスンニ派にかわり、主流となったシーア派は、スンニ派住民にたいして不当に逮捕・拷問・投獄などをくりかえした。

こうしてアメリカにたいする憎悪をつのらせた、イラク旧政権関係者を吸収して、「イスラム国」ができるにいたったとのこと。 いわばイスラム国を作ったのは、「アメリカ自身」であるともいえるのだ。

⇒ 後藤さん殺害では終わらない! 米国と安倍政権が踏み込む泥沼の対イスラム国戦争(LITERA)

そうしたなか、アメリカは現在も、イギリスその他の国と「有志国連合」を結成し、イスラム国にたいして空爆をくり返している。 それにより、イスラム国関係者だけでなく、無実の一般市民も犠牲になっていく。

 イスラム国が、「アメリカにたいする憎悪」によって生まれている以上、攻撃すればするほど、その憎悪はふくらんでいく。

こうした現実を直視しようとしたのが、まさにジャーナリスト、後藤健二さんではなかったか。

後藤健二さんは、「何が起こっても、私はシリアの人を恨みません」

そうビデオメッセージを残し、湯川遥菜さんを探しに、シリアにあるイスラム国の拠点にむかった。

「イスラム国だけが一方的に悪者ではない」ことは、後藤さんが一番よく知っていたのではないだろうか。

 

そうした中東の複雑な状況に、よく配慮することなく、今回、安倍首相は中東外交をおこなった。

エジプト大統領には、「空爆でイスラム国壊滅を」と述べ、
https://pbs.twimg.com/media/B8tZnMVCEAAEbl4.png:large

「人道支援」をきちんと強調することなく、イスラム国に「宣戦布告」ととられても仕方がないような言い方で、2億ドルの供与を発表した

その時点で、湯川さんと後藤さんがイスラム国の人質になっていることは、もちろん安倍首相は知っていた。

人質の安全を第一に考えれば、そのようにイスラム国を挑発することなど、できるはずがないではないか。

さらにイスラム国から、「72時間」の期限を切った脅迫ビデオが送られた直後、安倍首相は、イスラム国にとっては敵国のイスラエルで、イスラエルと日本の旗にはさまれた中、記者会見をおこなう。

そして同日、菅官房長官は、「テロに屈することなく、国際社会とともにテロとの戦いに貢献していく」

と宣言する。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150120-00000565-san-pol

これらはほとんど、「湯川さんと後藤さんを、どうぞ殺してください」と言っているようなものだ。

その後のイスラム国との交渉も、ヨルダンに対策本部を置いたことを、「失敗」とする声も聞く。

ヨルダンはイスラム国にとって「敵国」であり、それよりも、イスラム国とのパイプがあるトルコを経由したほうが、人質が救出される可能性は高かったという。

中東ではこれまで、憲法9条をもつ日本は、「アメリカなどとはちがう」と、特別の信頼を得たいたとのこと。 その信頼を、安倍首相は今回の中東外交で、イスラム国にたいしていらぬケンカを売ることで、みすみす壊してしまったわけだ。

日本政府の一番大きな役割は、「日本国民の命をまもること」である。

そう考えたとき、イスラム国の残虐非道はもちろんながら、むしろぼくは、安倍首相がその責任を、きちんと果たさなかったことに、腹が立つ。 

しかも安倍首相は、その失敗を、なんとか取り繕うとするためだろう、「罪を償わせる」などの言葉を使い、シリアへの自衛隊派兵をめざすことを示唆している。

「お前はさらに、日本国民を、無用な戦争に巻き込むのか!」 ぼくは安倍首相に言いたいのである。

今ならまだ、引き返すことができるのだ。憎悪に憎悪で対抗し、泥沼に引きずり込まれるのでなく、あくまで人道支援に徹し、対話によって、平和を模索することができる。

日本人は、「有事」となると、上の言うことに意義をとなえず、「一丸となる」ことを尊ぶ性質があるだろう。

しかしそれが、あの悲惨な太平洋戦争を生んだのではなかったか。

 

安倍首相は、きょう、「テロの恐怖に怯え、我が国の足並みが乱れるようなことがあれば、それこそ卑劣なテロリストたちの思うつぼ」などと言いはじめている。
http://jp.reuters.com/article/worldNews/idJPKBN0L600B20150202

「ふざけるな!」という話である。

これから、自衛隊法が国会で議論される5月まで、どれだけ戦争に反対できるかが、日本のこの先を大きく左右することになると思う。

「できるだけのことをしていきたい」ぼくは、思っているのである。


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