うたかたの夢暮らし 睡夢山荘にて(Dream life of Siesta hut)

夢から覚めた泡沫のごときだよ、人生は・・
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何故、憲法学者が挙って安倍安保法制に反対するのか?

2015-09-03 23:10:13 | ブログ

日本の90%以上或は、殆どの憲法、法学者が安倍首相の一連の安保法制の動きに憲法違反だと言っている。

元来、現行法を研究している法学者とは、その対象の法律に対してフラット、平等、平行な立場でアプローチしているはずである。 右や左の思想的立場から其れを分析研究する場合もあるが、その場合においても論理的、歴史的整合性が法の研究分析では第一義である。法学者でなくとも、およそ学問といわれるものは論理的整合性のもとに成立するものである。

この意味において、自民党が安保法制合憲を期待して推薦した憲法学者が、違憲だとの立場を明確にしたのは、学問として当たり前の話なのである。 内閣法制局が違憲判断をして局長交代の事態になったのも同様であろう。

約80年前の事件である「美濃部達吉の天皇機関説による天皇不敬罪」禍も、全く同様な立場から発せられた論理的整合性に基づく学説であった。これを意図的に歪曲して別次元の天皇侮辱罪へ導き、2.26事件を経て専制政治へ雪崩れ込んで行った、そう遠くない過去に同様な歴史が有ったではないか。

天皇機関説事件(ウィキペディアより)

「いわゆる機関説と申しまするは、国家それ自身を一つの生命あり、それ自身に目的を有する恒久的の団体、即ち法律学上の言葉を以て申せば、一つの法人と観念いたしまして、天皇はこれ法人たる国家の元首たる地位にありまし、国家を代表して国家の一切の権利を総攬し給い、天皇が憲法に従って行わせられまする行為カ、即ち国家の行為たる効カを生ずるということを言い現わすものであります」

 これに対して、

「右翼団体や在郷軍人会が上げた抗議の怒号が収まらなかった。しかしそうした者の中にはそもそも機関説とは何たるかということすら理解しない者も多く、「畏れ多くも天皇陛下を機関車・機関銃に喩えるとは何事か」と激昂する者までいるという始末だった。」

 

2.26事件は皇道派による立憲制から専制政治へのクーデターであった。

80年前に天皇機関説を歪曲、論理を否定して専制政治への道を開き、そして今また違憲判断の論理を無視して80年前の轍を踏もうとしている。  当時の心ある人々が感じた「嫌な気分」が、また繰り返されるのであろうか。

今回の安倍解釈改憲の一連の策動は、憲法を改正する手続きを踏まないで内閣解釈判断のみで政治を進める立憲制破壊の行為であり、専制政治への暴力を伴わないクーデターである。

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