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黛信彦の時事ブログ

温首相 五輪政治問題化すり替え

2008年03月18日 | 中国
温首相「五輪狙ったもの」 チベット騒乱 対話「うそ」(朝日新聞) - goo ニュース
●騒乱の原因は
チベットの騒乱について、中国の温家宝首相は18日、全人代の閉幕後の記者会見で、
「騒乱は、北京五輪破壊をねらったものだ。五輪を政治問題化してはならない。少数の暴徒が罪のない市民に危害を加えて人民の財産と生命に大きな損害をもたらしたきわめて残酷な事件」として、「(ダライ・ラマ14世)一派が組織的かつ念入りに企てた策動だ」と断言した。

●中国政府の対応は
更に温首相は「(14世らが、高度な自治を求め)独立は求めない。平和的な対話をとの立場を表明していることは≪うそ≫だ。14世らとの対話には応じない」とし、
「地元当局が迅速に鎮め、すでに制圧した」と述べて、軍の出動と武力弾圧を否定する発言を重ねた。

●戒厳令継続 
一方、米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)は18日、『中国当局は数百人を超す「容疑者」を拘束した。 自治区当局は騒ぎを起こした者に対して18日午前0時までに自首を呼びかけるとともに、厳しい家宅捜索を続けていたが、何人が自首をしたかは不明。治安当局は約150の逮捕状を用意して行方を追跡中 』と報じた。

又、18日の地元紙・チベット日報は、ラサ市長の「市民生活は回復した」との発言を紹介ながら、「道路はすべて武装警察部隊が保護している」という話も伝えて、市内が「厳戒下」にあることを認めた。

●五輪を政治問題化したのは、中国政府
温首相は、ラサの騒乱について、「五輪を政治問題化した」というが、的外れである。

第一に、ラサの騒乱は政治ではなく人権問題に端を発している。温首相の発言は『人権問題』を『政治問題』に摩り替えている。

中国当局は、ここ一年活動家への締めつけを強めていて、「人権」や「民主」を求めただけで「国家政権転覆扇動」の罪に問われ、逮捕されるケースが増えている。目立つのは、『北京五輪開催で、中国に国際社会の注目が集まっているチャンスを、人権状況の改善につなげようとする取り組みへ』の取り締まりという≪名目≫の弾圧である。

又、06年、に公布した「国家突発公共事件〈突発性公共事件〉総合緊急マニュアル」をもとに、07年3月、温家宝首相は政府活動報告で、「例えばオリンピック反対のビラ撒き程度でも「突発性公共事件」の社会安全事件として厳しく鎮圧する」と宣言している。 

ここまで人権弾圧して、はじめて成り立つオリンピックとは何であろう?

このように、五輪をよりどころとして人権弾圧を行う。『人権問題』を『政治問題』に摩り替えているのは中国政府ではないのか?

<<ここ一年で逮捕、有罪判決を受けた著名な活動家>>
呂耿松氏(08年2月、懲役4年の判決。浙江省在住のインターネット作家)
胡佳氏(07念12月に拘束、1月に逮捕通知。北京市で妻子も軟禁)
陳樹慶氏(07年8月、懲役4年の判決。非公認・中国民主党準備委員会一員)
楊春林氏(07年8月逮捕。「五輪より人権を」と訴え、署名活動を行う)
厳正学氏(07年4月、懲役3年の判決。「労働改造制度」反対の活動家)
張建紅氏(07年3月、懲役6年の判決。Webサイトで、中国政府を中傷)

第二に、「内政干渉」すればオリンピックが開けなくなるとばかりに、北京五輪というダイナマイトを腰に巻きつけて、国際諸国に圧力をかけているのは、中国政府ではないのか?

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