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黛信彦の時事ブログ

チベット動乱 国連即時介入を

2008年03月18日 | 国際
■チベット動乱 国連は即時介入を
騒乱を実力で押さえ込む中国政府、対するダライ・ラマ14世は静かに国際世論に訴えかけ、好対照をみせている。その姿を≪誇り高き抑制≫との美しい言葉で、産経新聞は讃えている。中国政府を除く全てが、国連安保理の介入を求めている。

●中国、武力弾圧を否定「焼死など」と発表
≪状況≫
中国チベット自治区のシャンパプンツォク主席が17日午前、騒乱について記者会見
・騒乱による死者が13人に上ったが、治安部隊による犠牲者はなかった。
・デモ隊の制圧は武装警察と公安(警察)が行っており、軍は加わっていない。治安部隊は発砲しておらず、戦車など人を殺害する武器は一切使っていない。61人の警察官が負傷した。
などと発表

しかし、すでに四川・甘粛・青海の各省に拡がり、北京の大学でも座り込みデモ行動が出ており、更に騒乱拡大の恐れがある。甘粛省では17日、政府庁舎への襲撃があった模様。

≪原因≫
中国政府は、騒乱の背景の『民族対立』を原因とすることは、『民族融和策』の失政証明となるため、「チベットの安定を破壊するダライ集団の試みは人心を得られず必ず失敗する」とうそぶき、「ダライ・ラマ一派を悪者」として「人民戦争」を宣言している。

≪対外≫
新華社通信は、自治区高官が16日、「僧侶と住民は完全な信教の自由を享受している。」と、ラサ市のドジェ・ツェジュグ市長も「分裂主義者の妨害さえなければ、チベットは歴史上最高の発展期にある」と述べた、と報道。

騒乱が新疆ウイグル自治区に波及した場合、「北京五輪に向けた不安は一気に数倍に膨れあがる」として、チベットの騒乱を強権力で押さえ込む手段に特化している。
米国政府機関のラサ地区入境或いは国際機関の介入をも、断固拒否している。
今後も、メディアを通じて「ダライ集団の扇動」を印象付けて、内政問題との宣伝工作を展開するようだ。

●米国、政策変更促す声明
ライス米国務長官は15日、中国政府にチベット政策の方向性を変えることなどを促す緊急声明を出し、「宗教、文化、生活面で影響を与え、緊張を生んできたチベット分野での政策に取り組むよう中国政府に求める」とし、政策修正が必要との考えを示した。

又、中国政府に「平和的な意思表示を理由に拘束されている僧侶らを釈放するよう求める」とした。

●独首相「直接対話を」求める
メルケル独首相は15日、政府報道官を通じ「チベット問題を解決するには平和的な直接対話しかない」と、中国政府とダライ・ラマ14世との直接対話を呼びかけた。
また、シュタインマイヤー独外相が16日、楊潔チー(ヤン・チエチー)外相と約1時間にわたり電話会談。「最大限の透明性を確保して、事態を収束させて欲しい」との見解を伝えた。

●日本の動き
対応の鈍かった日本は、政府レベルでは15日深夜から16日にかけて町村官房長官、高村外相が「双方自粛、懸念、注視」との談話を発表。
野党としては17日、民主党の鳩山幹事長が「国際機関による調査を」と発言した。

●ダライ・ラマ14世の 誇り高き抑制
本項は、チベット騒乱 中国・胡政権、抑制なき強圧/ダライ・ラマ、誇り高き抑制(産経新聞) - goo ニュース、より要旨抽出
≪国際社会に訴え≫
14世は、中国当局の武力行使を強く非難しながらも、「中国は五輪のホスト国になる資格はある。中国が「よきホスト国」になるよう国際社会は圧力行使をして欲しい」と呼び掛けた。 又、独立した国際機関による調査を訴えている。

≪中国に訴え≫
中国によるチベット人への人権侵害を非難した上で、「五輪は国際的な競技大会の中でも特に、言論と表現の自由、平等と友好が第一とされる。中国はこれらの自由を提供し、良識ある開催国であることを証明すべきだ」と、中国側に人権政策の改善を求めた。

≪誇り高き抑制の目的≫
14世は、五輪ボイコットを叫んで中国を硬化させるのでなく、五輪を自治獲得に向けた条件闘争に利用しようという現実的対応が底流にある。

●国際社会を『はっきり』と味方に
中国国外でもデモの動きが強まっている。特にアメリカ、インドでは一部の暴徒化が見られる。
しかし、中国政府の武力には徹底抗戦すべきであるが、中国国外では、あくまでデモ行進に留めないと、同情が国際的な反感に変わる可能性が大きい。自重を求めたい。

又、中国政府の武力弾圧に先鋭的に反感を持つチベット人らから「14世に失望した」との声を引き合いにして、14世の求心力を問う報道もある。

中国少数民族にとって、今最も重要なことは、国際社会をはっきりと味方につけることであり、一時の感情に流されること無く、≪誇り高き抑制≫を理解していただきたい。

中国軍隊の弾圧で殉死する人、今後も数知れず犠牲者が出る可能性がある。彼らにとって独立は当然の権利であり、果たすべき夢であろう。それは必ず成る。

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