26日のBSフジ・プライムニュースは、『速報「ギリシャ危機」EUとユーロの生命線』とタイトルして、ギリシャのIMFへの返済期限が4日後(ギリシャは、「6月に期限を迎える4回分を6月末にまとめて返済する」と約束している)に迫っている問題について、自民党衆院議員・山本幸三、元日本EU学会理事長・田中素香(田)、同士社大学大学院教授・浜矩子(浜)の知恵を借りた。 キャスターはフジTV政治部編集委員・反町理(反)とフジTVアナ・松村未央(松=金曜担当)
以下、番組の一部の浜矩子語録である。
なお、番組HPではハイライトムービーとテキストアーカイブ(数日後)をいつでも見ることができる。
●返済期限まで4日、ギリシャ経済悪化の現状
(反)リーマンショック後のユーロ圏で、なぜギリシャだけが大きく落ち込んだか?
(田)ヨーロッパの新興国であってもスペインやポルトガルはヨーロッパの常識が通用するが、ギリシャは国民性がヨーロッパとはいえない面がある。
(浜)欧州中央銀行は、ユーロという通貨を消滅させないためにやれることを手当たり次第やっているわけで、どこを救済するという話でもなくユーロの存続のために「やつら助けてもいい」とか「自己責任でしょ」と言えない状況の支離滅裂さが混乱の問題点なのです。
ギリシャ政府だって、突然ユーロでお金が借りられてオリンピックもできちゃう、という時に「それはやめておきましょう」とは言えませんでした。 ユーロ圏に入っていなければオリンピックは間違いなくできなかったと思います。 ユーロ圏入りで発展途上国からそれなりの先進国の一角を形成できるようになりそうだ、というところになったわけで、逆上していくのは当然です。
それから、貸し手責任とのかかわりで仏独の金融機関・投資家は「ユーロ圏に入った以上、ギリシャが危機に陥ったときには絶対に助けるに違いない」と高をくくったところがあったと思います。 案の定、そういう風になっている。
さまざまな皮算用があいまっての現状であって、誰の責任ということとは別に、経済適合性のないことをやってしまうとこういう事になってしまうんだ、ということを我々は目の当たりにしているわけです。
●中ロ接近・EUへの影響
(反)中露がギリシャに接近しているが?
(田)ギリシャはそれをみてEUに揺さぶりをかけている。
(松)それを懸念して、通常はEUのことをあまり言わない米国だが、ルー財務長官が「早く解決」しろ」とEU首脳に言っている。
(浜)これは典型的な小国のツッパリです。 ヨーロッパの小国はこういうのがすごく上手くて、周りにいる大きいものたちをテコにして踏ん張る。
「一寸の虫の五分の魂はこんなに輝いているぜ」ということをギリシャはギリシャなりにやっている。
ギリシャの一つの強みは、田中さんがさきほど仰った「スペインとポルトガルはヨーロッパでギリシャはそうでない」ということが重要なポイントです。
スペインとポルトガルは必死になってヨーロッパ化しようとしなければヨーロッパの一員になれない。 ピレーネ山脈の向こう側のヨーロッパの中心になかなか出て行けない。 そういう(地理的)位置づけから脱却するためには、EUの良き一員であることがものすごく大きな意味を持っている。 だから言われたこと言われたとおりにものすごく一生懸命にやるわけです。
けれどもギリシャは、振り向けばロシアもあるんだ、という感じで、振り向いても海しかないスペイン・ポルトガルとは違うわけです。
ギリシャがロシアの懐に転がり込む気持ちは一つもないと勿論思いますけれども、それをちらつかせるという、スペイン・ポルトガルが持っていないカードを持っていて、それをこうする(ちらつかせる)というところに小国魂がちょっと出てきたかな、と感じます。
(反)面倒くさいですよね
(浜)結末はどうなるかわかりませんが、それができなければあの辺の小国は生きていけないのです。 以下次編
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