20日のTBS・時事放談は、同志社大学大学院教授・浜矩子(浜)と元総務大臣・増田寛也(増)を招き「軽減税率自公合意」「補正予算はばら撒きか?」「黒田バズーカ強化」「米金利引き上げ」などをテーマに語られた。 司会・御厨貢(御)、アシスタントアナ・出水麻衣(出)。
以下、番組の一部の、妖艶なエコノミスト・浜矩子語録抄録である。
●誕生日
(御)増田さんは20日が64歳の誕生日、めでたい日であります。 おめでとうございます。 それでは、64歳の誓いを立てていただきます。
(増)めでたいとも思いませんが、とにかく適度な運動をして、大病で回りに迷惑をかけないよう、健やかに過ごしたいですね。
(御)わかりました。 では、浜さんからはお祝いのメッセージを。
(浜)増田さんは戸山高校で私の一年先輩でおいでであるということで。 ふつう戸山高校の卒業生はもうちょっと反体制的な傾向が強いのでありますが、今後とも良識と良心を持って世の中に貢献をしていただけますよう、またよく呑んでいただいて健やかにお過ごしくださいませ。
●お茶請け
(出)いよいよクリスマスです。 今朝は増田さんのお気に入り、クリスマスにぴったりの一品をご用意いたしました。 こちら、ドイツが発祥の伝統的なパン『シュトーレン』です。 お召し上がりください。
この『シュトーレン』、ドイツ語で「坑道」という意味でして、トンネルのような形が特徴です。 洋酒で漬け込んだドライフルーツをバターと一緒に練りこんで焼き上げたもので、ドイツではクリスマスまでの間、この『シュトーレン』を薄くスライスして少しずつ食べるのだそうです。 いま日本でもクリスマスの新定番として注目されている人気商品です。
増田さん、これなら甘いケーキが苦手な浜さんにもお気に入りになっていただけるのではないでしょうか?
(増)洋酒で湿らせてあるのでなおさら浜さん向きです。
(出)ホットワインなんかにも合いそうですが?
(浜)ワインにも合うし、ウイスキーにも合うし、ブランデーにも合いますが、願わくばもうちょっと(お酒で)湿らせていただくと・・・
(御)足りなかったと叱られてしまいました~。
●黒田バズーカ強化
(御)日銀が金融緩和の強化です。 浜さん、ずばり、どうお考えか?
(浜)これは、驚くべきナンセンスです。 更に一段と規模を拡大するというのも如何かと思いますけれども、特に、ETF(株価指数連動型投資信託受益証券)を買うということで、投資や人材開発に熱心なところの株を買っているETFに投資するということのようですが、これは中央銀行の役割ではないですね。 中央銀行は何のためにあるかといえば、自国通貨の安定を図ることであって、訳のわからない投資をして、国債も更に長期のものを買うということで、どんどん日銀自体の財務状態に重大な問題が生じるリスクを高めるようなことをやって『バズーカ』と称しているわけですけれども、これはまともな中央銀行だったら絶対やらないことだと思います。
●米金利引き上げ
(御)解説をお願いします。 また、日本への影響は?
(浜)利上げと言われていますが、金融政策の正常化と言うべきです。 金利がゼロに張り付いている異様な状態から脱しようと、少なくともFRBはそういうように努力してきたわけで、日銀よりは相当程度「まともにやろう」という感覚が強いと思います。
ただし、これを着実に進めていけるかどうかわかりませんが、それはそれとして、FRBが正常化に入った、金利を上げる方向ですね。 そして、その他の国々も追随する形になったとき、日本だけ一人がゼロ金利や量的緩和を維持するしていくようなことが果たしてできるのかという問題があります。 これは出来ないですよね。
日本だけゼロ金利だったら、日本から資金がどんどん金利の高いところに出て行ってしまうわけで、やっぱり日本も金利を上げるということになった場合、その日、日本の国債は暴落するということになるわけですから、(バズーカは)やめられないですよね。
やめられないけれども、やめなければ日本経済は干上がってしまう。 政策責任者たちは、こういう辻褄の合わないところに自国を追い込むことは決してやってはいけないのですが、そういうことを随所でやっているわけで、中でも一番危険なのがこれなんです。 いったいどうするつもりなんでしょう?
日本だけゼロ金利を解除できないようになると、日本は金融鎖国するしかないですね。 資本流出入規制をして、世界と、カネの流れという意味合いにおける関係を絶つという選択肢しか無くなってしまうかも知れません。
以下、省略
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