■18日、田中直紀防衛相と前田武志国交相に対する問責決議が参院に提出された。
同日付産経主張は「首相は後任の人選を急ぐべきだ」とし、19日付で朝日社説が「2閣僚は辞任すべきだ」と、毎日社説は「混乱は首相の責任だ」と主張。
そして、20日可決され、21日付5大紙社説は後記のように一斉に論評した。
ところで、前田国交相は岐阜県下呂市長選の告示前に、民主党候補に対するサイン入り支援要請文書を建設業界幹部などに、国土交通省の封筒を用いて郵送した問題で市民団体に「事前運動にあたる」として公職選挙法違反罪などで告訴され、東京地検特捜部が19日に受理した。その他の被告発者は山田良司・民主党衆議員議員と前田国交相の元政務秘書官だ。
前田国交相は国会でも「2人にはめられた」と言うに近い発言を繰り返しており、捜査の行方が気になる。
民主党の閣僚や幹部が刑事告訴された例はこれで6人目になるというから恐ろしい。
それにしても小欄が判決を下すなら、前田氏が国交相という地位を利用して圧力をかけたことは疑いの余地がなく、「犯人隠し」と言う議員もいるのが道理だ。
樽床伸二・民主党幹事長代行は「問責ごっこ」と野党を非難するけれども、日経が主張するように「お粗末な閣僚が後を絶たない民主党にあきれる」国民にとっては当然の成り行きであり野田佳彦首相は2閣僚が辞任しないなら更迭すべきである。
また、問責可決以降の自民党の対応は当然である。
■さて、21日付5大紙社説である。次のように朝日新聞が的を射ている。
~・~ 野田内閣の2閣僚に対する問責決議がきのう、参院本会議で可決された。
しどろもどろの国会答弁を続ける田中直紀氏に、防衛相を任せるのは不安だ。前田武志国土交通相も、大臣の肩書を使って所管業界に選挙での支援を働きかけたとしか見えない。
だから私たちは、問責決議の乱発を批判しつつも、今回は速やかな辞任を求めてきた。
しかし、野田首相は続投を許し、両氏もその意向だ。理解できない。
首相は事態を打開するために、更迭もためらうべきではない。このまま、消費増税を含む税と社会保障の一体改革などの重要法案の成立が遅れていっていいのか。 ~・~
以下、5大紙社説のタイトルであり自民党の審議拒否に対する非難が多いが、やはり辞任や更迭のない審議拒否は当然のことである。
●朝日新聞(社説)問責可決―自民は職場放棄するな
●産経新聞(正論)2閣僚問責 更迭し与野党協議入りを
●日本経済新聞(社説)問責攻防はもううんざりだ
●毎日新聞(社説)首相と自民 これでは醜態の競演だ
●読売新聞(社説)2閣僚問責可決 自民の審議拒否は無理がある
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