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黛信彦の時事ブログ

5大紙社説:ぷんぷん臭う小沢の無罪

2012年04月28日 | 5大紙社説

26日、陸山会の土地取引を巡り収支報告書に虚偽記載をしたとして政治資金規正法違反容疑で強制起訴された小沢一郎氏に東京地裁が無罪を言い渡した。

27日付の5大紙社説は一斉に論評したが、判決については、 東京地裁は「4億円を記載しないことについて元代表への報告了承を認定した(毎日)」わけで「ウソは認定され(朝日)」「無実は証明されていない(産経)」。「結論はシロだが、潔白ではなく灰色という司法判断で(読売)」あり「疑わしきは罰せずを地でいく判決だ(日経)」し、「きのう裁かれたのは、私たちが指摘してきた小沢問題のほんの一部でしかない(朝日)」 と断定している。

小欄は27日付読売と産経の判決要旨を読んだが、主文以外のいたるところに小沢氏の臭気が漂っている。

汚い表現だが、誰の放屁か明らかなのに「俺の屁ではない!」と言う。「臭いすれども姿は見えず」だ。

検察審査会には、最高裁まで行くつもりで臨んでいただきたい。

本件裁判では検察の供述調書が捏造されていたことで小沢氏側が控訴棄却を申し立てたが、東京地裁は「検察官が事実に反する捜査報告書を作成し、検察審査会に送付することはあってはならないが、証拠の内容に瑕疵があることと、手続きに瑕疵があることとは別の問題だ」「起訴議決を無効とすることは法的根拠に欠ける」として控訴棄却申し立てを却下した。 残念ながら検察の愚かな行為が無罪判決に少なからず影響を与えたと思える。

しかし産経が書いたように、すでに有罪判決を言い渡されている小沢氏の元秘書、石川知裕・池田光智・大久保隆規の3人の控訴審に、この判決が証拠として提出され、検察側の有罪立証を補強する期待が持てる。

 

以下、27日付5大紙社説抄録

■メインタイトル

●朝日:小沢氏無罪判決―政治的けじめ、どうつける

●産経:小沢氏無罪判決 証人喚問で「潔白」示せ このまま復権は許されない

●日経:無罪判決を「小沢政局」につなげるな

●毎日:小沢元代表無罪 なお政治的責任は重い

●読売:小沢氏無罪 復権の前にやることがある

■判決の色

●朝日:「うそ」は認定された

●産経:無実は証明されてない

●日経:「疑わしきは罰せず」を地でいく判決だろう。

●毎日:4億円を記載しないことについて元代表への「報告・了承」があったのかについては(中略)元代表の了承を認定した

●読売:結論はシロだが、「潔白」ではなく「灰色」という司法判断だろう。

■検察は猛省を

●朝日:検察は猛省し謝罪を。この裁判は、検察が抱える深刻な問題もあぶり出した。

●産経:検察の大失策が判決に与えた可能性も否定できない。大阪地検特捜部の郵便不正事件と合わせ、検察当局には猛省を求めたい。

●日経:検察審査会は、検察側の資料をよりどころに起訴すべきかどうかを判断する仕組みだ。この資料への虚偽の記載が強制起訴の有効性に疑問を抱かせたことを、検察は猛省しなければならない。

●毎日:元秘書の供述調書の大半が「組織的に違法な取り調べが行われた」として証拠採用されなかったことを含め、検察は猛省すべきだ。

●読売:「審査会の判断を誤らせるようなことは決して許されない」との判決の指摘は当然だ。検察は、虚偽報告書が作成された意図や経緯を調べ、責任を追及すべきだ。

■検察審査会による強制起訴の見直し論議

●朝日:気になるのは小沢氏周辺から強制起訴制度の見直しを求める声が上がっていることだ。ひとつの事例で全体の当否を論ずるのはいかにも拙速だし、政治的意図があらわな動きに賛成することはできない。

●産経:検察審査会の議決を受けた強制起訴事件の判決は2件目だ。いずれも無罪判決となったものの、拙速な制度の見直し論に結びつけるべきではない。

●日経:無罪判決が続くと制度の信頼性に疑問が持たれかねない。今後、設計を見直す必要もあろう。

●毎日:審査会による強制起訴の制度については、その是非を判断するのは早い。ただし、審査員の会見実施を含めて審査過程の情報公開については、議論を進めてもらいたい。

●読売:民主党内には検察審査会制度の見直しを求める声がある。だが、小沢氏の規正法軽視が明らかになるなど、裁判が開かれた意義は小さくない。安易な見直し論に走るべきではなかろう。


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