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黛信彦の時事ブログ

5大紙社説:「仁が過ぐれて弱くなった」秋山真之

2015年09月20日 | 5大紙社説

● ~・~ 「長官、敵は降伏しています」

と、真之はどなった。

それでもなお東郷は右手で双眼鏡をかかげ、左手で長剣のつかをにぎったまま無言でいた。(中略)

真之がその癖のある両眼を裂くようにして東郷をどなったのはこのときであった。

「長官、武士の情けであります。発砲はやめてください」(中略)

が、東郷は安保清種の観察によれば冷然としていた。真之の言葉に切りかえすように、

「本当に降伏すッとなら」

と、薩音でいった。

「その艦を停止せにゃならん。げんに敵はまだ前進しちょるじゃないか。――」

『坂の上の雲』(ネボガトフ)より

このシーンは、「仁が過ぐれて弱くなった」秋山真之を描写しています。 ~・~

以上は下記のURLからコピーさせていただいた。

http://meiji.sakanouenokumo.jp/blog/archives/2007/02/post_447.html

●19日未明、安保関連法案の討論で民主党の福山哲郎議員は、

「あなたたちには武士の情けはないのか」

「このくらいことは 寛容で武士の情けで聞け 黙って」

と、二度も武士の情けを乞うた。 朝日新聞が19日付社説に「腰が定まらなかった民主党などの野党は今回、各界各層、全国各地に広がる抗議のうねりに後押しされ、反対姿勢を強めた。そしてその姿は、自分たちが代表されているという手ごたえを、国会の外にもたらした」と書いたが、こういう状況に酔って、乞うというよりも恫喝して要求したと言って良い。

しかし、前述の「坂の上の雲」のエピソードに照らせば、この時もこれからも、対案すら出せなかった民主党に武士の情けをかけることは「仁が過ぐれて弱くなった」秋山真之の轍を踏むことになる。

ところが、『野党の“増長”を与党が許した面も否めない。 自民党の衆院側は、遅くとも18日中の成立を目指していたが、参院側が野党に配慮。 18日未明にわざわざ8時間の休憩を入れて成立をずれこませ、野党を勢いづかせたからだ(産経)』。

自民参院は、「仁が過ぐれて弱くなった」秋山真之の轍を踏んでしまったのか。 「宋襄の仁」とも似たところがある。

●小欄は、新安保法の成立に大歓迎の立場だが、多くの人々が国会を囲むなどして反対を叫び、成立後の若者たちのシュプレヒコールは「選挙に行こう!」に変わった。 また、マスコミが取り上げなかった賛成集会も多くあった。 賛成しろ反対しろ、これらの政治に対する関心の高まりは日本の未来の貴重な宝物の一つだ。 

●19日付5大紙社説は各紙の日頃の主張の枠を出なかった。 以下、そのタイトルのみ記録する。

■社説タイトル

・朝日:安保法制と民主主義新たな「始まり」の日に

・産経:新安保法成立 戦争抑止の基盤が整った 国民守る日米同盟の強化急げ

・日経:どう使うかで決まる安保法の評価 

・毎日:安保転換を問う…法成立後の日本

・読売:安保関連法成立 残念だった「違憲論」への傾斜


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