シンガー『ナターシャ』のブログ

関西・東京・名古屋・広島、そして台湾もグローバルに歌うシンガーソングライター、jazzシンガーナターシャのブログです

SAYONARA

2008-03-24 | 外国語・文化
今日は友達のSAYONARA drink オープンハウスに行ってきました。10年ほどいた日本を旅立つドイツ人の友達が「引越しセール」プラス「オープンハウス」と称して会いたい人に来て貰っておしゃべりをする日を先週と今週の日曜日に設けていたのでした。なかなかいいシステムですね。私も国を越えての引越しは何度もしましたが、だいたい最後の週なんて毎日どこかで誰かに会うので忙しくって、引越しの作業と両立するのは難しいのです。

しかし、ドイツ人だからか彼女の性格だからか、さっさと物事を進めていて素晴らしい。明日リサイクルセンターの人がぜ~んぶ取りにくる手はずを整えていました。出発は31日だというのに。私なら有り得ないわ。

私の場合は毎度、引越しセールの物を見に来る人に「ほんとにxx日に出発できるの?」と飽きれられるくらいの進行状況でした。自分の中ではしっかりスケジュールを立てているつもりなのですがねえ・・でも毎回最後の日は徹夜。でも、何とかなっているもんですね。今から考えると。

さて、その彼女。メールでそのお知らせが来たときも、「次はどこにいくの?」ときいてもその事については返事には何も書いてなく、知りたい知りたいと思ってました。尋問したところ、仕事自体はシンガポールや香港、ベトナムにあるみたいだけど、彼女が大好きで何度も旅をしているラオスやチベットに行くんではないかな。さすがに今はチベットは危ないから様子見ているみたいだけど。1年くらいはボランティアしたり旅したり、でも流れでいいなと思ったら働くみたい・・そんな感じでした。

新品の暖かそうなソックスをもらったので、「え、冬にはかないの?」と言うと「寒いところにはもう住むことないもん」「ドイツ寒いでしょ?」「ドイツには長い間すまないし・・」といってました。とりあえずドイツに帰りはするけれど、長居はしないみたいですね。ユーロは高いから円で給料をもらっていた彼女にはヨーロッパを旅するのもお金がかかるから気が乗らないみたいでした。

本当にいろんな旅をしている人で、陸路でドイツまで帰ったこともあるみたいでした。(上海までは船でそこから鉄道)そういう人の話は聞いていて飽きることがありません。一緒におしゃべりしていた日本人も皆世界中どこでも行ってんかい・・というくらい、どこでも訪れていたし面白い話をたくさんきけました。

その彼女が私に質問があるといいました。
「アメリカ、アジア、ヨーロッパに住みたかったって言ってたけど、なんで今は日本に住んでいるの?」と。「なぜ今日本を選んでいるの?日本のいいところって何?」(実際は英語だったから What makes you stay here?がメインの質問)

彼女のライフスタイルは私とも共通するところがあるからとっても理解できるし、だからこそ彼女は私になぜ日本に今いるのかを聞いたんだと思います。

フランスに行く前なら私も色々ぼ~っと「ヨーロッパに飽きたら青年協力隊の南米で日本語教えるのに応募しようかな(以前日系人をメインに日本語教えたりするプログラムを見たことあったのです)」日本語教えるのはやっぱり楽しいしスペイン語も話せるようになるしいいかなあって思ったり、あるいはベトナムの刺繍が私は大好きなので「ベトナムでお針子として働くっていうのもいいかな」とか思ったりもしました。勿論永住する気はないけれど、そこで訓練させてもらえて生活するお給料もらって何年間か働いたらいいかな・・とか。ただあんなに素敵なかわいい刺繍が自分でできたらいいな~という延長線上にある発想です。空想想像の世界で、こういう手もあるな・・ていう程度でしたが。

なんせフランスへ行くまでの日本に居る7年ほどの間、私は日本を出たくて出たくてしょうがなかったのです。日本で私がオープンになっても相手がなかなかオープンになってくれないことがとても悲しくて、それなら「この人にはオープン度50%」、「この人には80%」とかそんな具合で人と接していました。だから本当の自分を表現できる人は2,3人で、でも外国人と話していたら、あるいは海外で出会った友達の前では扉全開100%になれるわけで、だから早く外に出たい、そしてできるならもう日本に住みたくないなとも思っていました。

その頃の私と今の私、何が変わったかと言えば、今は相手が何パーセント開けていようがおかまいなしに、私はいつでも100%になれたことだと思います。例えば以前なら話相手とのバランスを考えたりして調節していたわけですけれど、今は私のハートが言いたかったら言うし言いたくなかったら言わない。「言わないといけない」ということもない。

だから、どこに行ってもどこに住んでもあんまり変わらなくなったのだと思います。勿論、日本に住んでいて「ここの人ら頭おかしいんちゃうか?」と思うこともあるけれど、でも前ほどそれにイライラさせられなくなっている自分に気づくのです。

要は周りからの影響を以前ほど受けなくなったということです。だからどこに住もうがあんまり関係ないのです。

そんなことを彼女の質問で思い出しました。

そうは言っても、日本に住んで日本人とずっと一緒に居たら考え方ってどんどん狭まるし、たまには今日みたいに自由に行きたいところに行く人と接して、いろんな話をきくだけで自分の世界も広がって気持ちいいです。

そう考えるとやっぱり日本て「一般的な考え方、生き方、常識」という目にみえないおおきなものにコントロールされている人がすごく多いなって感じます。ま、私も以前はそれに合わそうとしていたから苦しかったのですが「苦しい」というサインがあったお陰で、そこから今は出ることができたんですけどね。

ああ、でも今日は楽しかった。
いつかまた彼女と会う時がくるなら、私は、彼女はどこで何をしているのか楽しみです。