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東京目黒から山梨へ育児のためにお引越し。40代高齢出産ママの雑記帳です。

わたしの外国語学習法 (ロンブ・カトー)

2007年08月04日 | 本のこと
わたしの外国語学習法 (ちくま学芸文庫)わたしの外国語学習法 (ちくま学芸文庫)
Lomb Kat´o 米原 万里

筑摩書房 2000-03
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外国語学習で行き詰っている人・もがいている人は、他人の学習法をのぞいてみるべし。

わたしも行き詰ってから、この本を読み始めました。

著者のロンブ・カトーさんは、ハンガリー人の通訳・翻訳者。
この人のすごいところは、ヨーロッパ系の14言語と、日本語と中国語を
ほとんど自国ハンガリーをでることなく修得し、語学で生計をたてていること。

彼女の場合、何語に取り組むにしても、すでに一定の自分なりのアプローチが確立している。新しい言語に取り組むときは、毎回このアプローチにのっとって学習し、結果を出しているという点で、自信をもって推薦できるとのこと。
アプローチの柱は以下の通り。

  ・辞書と友達になる
  ・ターゲット言語で書かれた本を読む
  ・ラジオを聴いたり、映画を観たりする
  ・翻訳する

彼女のように、まずは1ページ目から辞書に目を通して、言語の音韻体系
や文法体系を分析することまでは、さすがに、ちょっとムリ・・・です。
が、ターゲット言語で書かれた本、特に文芸書を読みまくるというのは大賛成。
わたしもやっていることです。

これ以外に、10の鉄則みたいなものも紹介されていますが
それについては、本書を読んでくださいませ。

著者がここで言っていること、やっていることは
何語が母国語であろうと、何語をターゲットとしていようと
新しい言葉を習得するのに、楽な道などやっぱりないんだということ。
当たり前のことを当たり前にやる、地に足をつけた著者の学習法でなっとく。
また、今やっていることが間違いじゃあないという確認にも。

ただ、やっぱり思うのは、同じことをするのでも、純粋な知的好奇心があることや
対象言語や国や文化が好き!という前向きな気持ちが大事だなあということ。
そうすれば、たいへんな作業も苦労とも思わずにやり遂げてしまうし
結果的にそれなりの成果をあげることができるだよね。気持ちって大事だなあ。

ところで、この本の訳者は元ロシア語通訳の米原万里さん。
尊敬する米原さんですが、初期の頃の翻訳ということで、やや読みづらい場面も。
でも、「あの米原さんでも初めは苦労したのね~」ということが実感できる
唯一の例なので、この点がまた励みになりました。