52 Crescent Street

東京目黒から山梨へ育児のためにお引越し。40代高齢出産ママの雑記帳です。

三ツ星レストラン@鉄輪

2013年12月28日 | 散歩・旅のこと


最終日のお昼はI氏お勧め鉄輪のここちカフェむすびのを予定していましたが、あいにくお休みでしたので、鉄輪バス停留所の近くにある三ツ星レストランに行くことにしました。鉄輪のそれほどにぎやかではないメインストリートの十字路の角にある三ツ星食堂は、吉田篤弘著『つむじ風食堂の夜』をほうふつとさせるお店です。つむじ風食堂にはこだわりの料理を出す無口な店主が登場しますが、三ツ星食堂の店主もおいしいものをリーズナブルに食べさせたいという熱い思いを持ったシェフのようです。

つむじ風食堂の夜 (ちくま文庫)

店内は思ったより席数が少なく、奥の方にテーブル席が5つほどあったでしょうか。店内はクリスマスの装いで、こまごまとした装飾品が窓辺や壁に飾られているのに静かな統一感があって、大変落ち着いた安心感がある空間になっています。窓の3つの星のデコレーションがかわいらしかったです。この日、先客は年配の女性客が1組と、おしゃれな男性客が一人でした。栗のスープがお勧めだったのですが、あまりお腹が空いているわけではなかったのであきらめましたが、おしゃれな年配の男性が栗のスープをおいしそうにいただいているのをみて、かなり後悔しました。



ランチにはサラダがついています。黄色い縁のお皿が気持ちを明るくし食欲も刺激してくれます。洋食屋さんですが、「お箸のほうが食べやすいですよ」と、ナイフとフォークの他に、サラダと一緒にお箸を出してくれたのもうれしい心遣いです。というのも、わたし、ナイフとフォークでサラダを食べるのが本当に苦手なのです。もう少しテーブルマナーの練習をした方が良いのでしょうけど、日本にいるときはお箸もあるし、ついつい怠けて今日まで来てしまいました。なので、三ツ星レストランの奥様の心遣いには心底感謝しました。



ハンバーグには美しくグリルされた野菜が添えられており、たっぷりかけられたデミグラスソースはトマトの風味が爽やかで、とてもおいしかったです。



オムライスは最近では珍しいと思うのですが、そしてこの方がわたしは好きなのですが、薄い卵で包まれており、デミグラスソースはハンバーグにかかっていたのと同じくトマトの風味が爽やかです。オムライスの上にのせられたネギが和風風味を添えていて少し珍しいのですが、おいしかったです。



食後のコーヒーと一緒に出された木製の丸い容器は砂糖の入れ物で、アイヌの民芸品だそうです。洋食屋さんと民芸品とは意外な組み合わせですが、この空間にはとてもマッチしていました。夜のコースの評判がとてもよいようなので、機会があれば夜に訪れたいと思います。


別府温泉保養ランドと地獄蒸しプリン

2013年12月26日 | 散歩・旅のこと
4日目は、まず明礬温泉にある別府温泉保養ランドに向かいました。I氏によると、こちらの泥湯は美肌に効くらしいです。I氏からは、露天風呂は混浴なのでハードルが少々高いかもしれないけれど、男女の脱衣所もお風呂の入り口も別になっているし、泥湯自体は白濁しているので見えることはない、一番いい泥は混浴の男側の奥の方にあると聞き、勇気を振り絞って混浴に入ってきました。



この日はとても良いお天気で、露天風呂日和となりました。別府温泉保養ランドはネーミングも建物もすこし古臭い感じがするのですが、建物内のお掃除は行き届いている感じがします。お風呂の入り口まではけっこう歩きます。お風呂は撮影禁止ということで写真は撮れませんでした。

脱衣所の正面にコロイド湯の大きな浴槽があります。コロイド湯というのは、コロイド硫黄を多量に含んだ湯で、老化した皮膚を整え、ハリのあるスベスベした色白の肌になる効果があるそうです。ここでかけ湯をして屋内泥湯へ進みます。竹竿のようなもので区切ったスペースに、若者4名とおばさん2名が入っていたので、ここは思い切っていきなり混浴の屋外泥湯に挑戦することにしました。屋外への入り口扉を開けると、板塀で囲まれた空間に白く濁ったお湯があり、板塀の下のほうをくぐって混浴エリアに出ていくような仕組みになっていました。白濁したお湯はかなりぬるく感じましたが、とりあえず体を沈めて見えないようにして屋外にでてみると、若い男の人が一人いるだけで、女側はひとり占め状態です。I氏の言っていた一番いい泥がある場所はよくわからないので、女側にて足元にある泥をすくっては体に塗りたくってみました。細かい粒子の泥なのでサラサラ流れて行ってしまう感じですが、とてもやわらかくて気持ちの良い泥です。お湯は相変わらずぬるめですが、日の当たる場所にいる限りはあたたかく感じます。日焼けが少し気になるため、結局あまり長居せずに屋内泥湯に移りました。屋内泥湯は地獄から直接お湯を引いているということでしたが、あいにくここもとてもぬるいお湯で、泥を洗い流すシャワーに至っては水しか出ず、コロイド湯のお湯が出てくる奥の辺りにはりついて、やっと体を温めることができました。日や時間帯によってお湯の温度が変わるそうなのですが、冬に行くときは少し要注意なのかなと思います。



お風呂から上がった後は、I氏お勧め岡本屋の地獄蒸しプリンを食べに行きました。あまりプリンが好きではないI氏でも、おいしいと思えるプリンなのだそうです。岡本屋は明治8年創業の老舗旅館で、青磁にも喩えられる青みを帯びた白濁色の湯が美しいお風呂があるそうです。一度は泊まってみたいお宿です。地獄蒸しプリンは旅館を通り過ぎて少し行った右手に位置しています。お店の入り口には地獄蒸し用の釜があり、もくもくと湯気が上がっていて温泉情緒満点です。



山小屋風の店内からは別府明礬橋が見えたり、とても眺めが良いです。



地獄蒸しプリンには普通のカスタードプリンの他にコーヒー味など全部で4種類がありましたが、まずはオーソドックスにカスタードプリンを選びました。なお、ここではプリンの他に軽食もいただけるようです。無添加の材料を温泉の噴気で蒸して作った地獄蒸しプリンは、手作り感たっぷりですが、実際卵を混ぜるところからすべて手作りなのだそうです。



見た目はかなりしっかりしているように見えますが、生クリームが入っていてとてもなめらかなプリンです。苦めのカラメルがマッチしてとてもおいしいです。小さすぎたり大きすぎたりせず、ちょうどよい大きさで、お土産に買って帰ることもできるそうです。大満足のプリンでした。



海鮮いづづ@別府

2013年12月25日 | 散歩・旅のこと


寿温泉で温まった後は、夕ご飯を食べに海鮮いづつに向かいました。初日の夜に「従業員研修のためお休み」ということでふられてしまったので、リベンジです。I氏が予約をしておいてくれました。寿温泉からいづつまでは歩いて数分なので移動の流れもとてもよかったです。生ビールでのどを潤し、今日1日にしたことをI氏に報告しながら、海鮮丼を待ちます。この日は夕方二人だけで竹瓦温泉を再訪したのですが、初日の晩のようにお湯は熱くなかったので、寿温泉の印象がいっそう強くなった、喫茶なつめのパフェ類は最高などなど、ご報告。

海鮮いづつの座敷席は満席で、地元の会社員が数組ほど食事会をしているようで、みなさん鍋を食してました。I氏お勧めいづつの海鮮丼は常時10種類ほどのネタが酢飯の上にのせられているそうです。I氏曰く、とてもボリュームがあるように見えて、実際はぺろりと食べられる量だそうで、他にも鍋やお刺身などをたのみました。



海鮮丼は定食にすればお味噌汁もついてくるのだそうですが、今回は単品にしました。見るからに新鮮なお魚を、ちょっと甘みの強いいづつの自家製醤油につけていただきます。やっぱり新鮮でおいしいです。



見た目が非常に美しいです。琉球ものっていました。つみれのお鍋は、これで一人前らしいのですが、たっぷりの量です。私は具のうまみが溶け出した透き通ったスープが大好きなのですが、このお鍋のスープもおいしくいただきました。



あじのお刺身です。これほど身がとれるとは大きいあじだったのか、数匹からとったものなのか、いずれにしてもおいしくいただきました。



食後は別府の夜景を見に十文字原展望台へ連れて行ってくれました。寒い夜でしたが、山を上っている途中で雪が降り始めたのにはびっくりしました。こちらが展望台から見下ろした別府湾とその夜景です。非常に寒い夜で一瞬しか外にいられなかったのですが、とても美しい夜景が見られました。昼間にも一度来てみたいです。



この後は、浜脇温泉の日の出温泉に連れて行ってもらうことになっていたのですが、少し具合が悪くなってしまったのでわたしはホテルに帰って休んで、男二人だけで日の出温泉に行ってもらいました。帰ってきたたいちゃんに感想を聞くと、どの温泉よりもお湯が熱かったようです。あつ湯好きの地元の常連客にとって、この日のお湯はぬるかったらしく、常連の1人が入ってきたとき、I氏の肌の色が十分赤くなっていないのを見て「ぬるいとおもったわ」とお湯の温度を判断していたそうです。初日から3日間、仕事の合間に毎日わたしたち夫婦につきあってくれたI氏とはこの日の夜にさよならしました。最終日は夫婦二人で明礬温泉、鉄輪温泉をめぐって大分空港から東京に帰る予定です。


寿温泉@別府

2013年12月24日 | 散歩・旅のこと


別府の繁華街をぶらぶらした後、夕方I氏と合流してまず初めに目指したのは寿温泉です。竹瓦温泉や梅園温泉からも近く、便利な立地です。建物は大正13年の物だそうで、常時43℃ぐらいのお湯は鉄分を多く含み、子宝の湯とも呼ばれているのだそうです。入り口を入ると右手に番台があり、おじいさんが座っておられました。100円を置いて浴室に向かう途中、女湯の入り口の前にお地蔵さんがありましたので、お参りしておきました。



脱衣所と浴室はほとんど同じ高さで、この日は先客はだれもおらず、女湯は初めは貸切状態でした。壁のブルーと窓の外のピンクのネオンがマッチしています。お湯は少し緑がかって見え、炭酸水素塩泉が掛け流しとなっています。



浴槽にはお湯がどんどん流れ込んでおり、温度は確実に43℃以上あったと思われます。かけ湯するのも難儀なほど熱いお湯で、何度かけ湯をしてもなかなか浴槽に入ることができません。足からそっと入り、できるだけお湯を動かさないようにして、何とか腰辺りまで入って休んで、ずいぶんとやせ我慢をしてようやく肩までつかることができたとき、地元の方が一人やってきました。

熱いでしょ、この辺で一番熱いんだよ、水でうめたらいいのに。

そういって、一番奥にある水色のホースで水をじゃばじゃば浴槽のお湯の表面にかけてくださいました。なるほど、今度からそうします。共同浴場を独り占めできるのは良いのですが、やはり地元の方がいるときに、いろいろ教えてもらいながら入るのが一番だと思いました。

仏頂面をしていた番台のおじいさんですが、熱いお湯で顔が真っ赤になったI氏を見てほろりと笑顔になり、しばらくおしゃべりしました。昔渋谷で働いていたそうで、関東のしょうゆは物足りなかったそうです。今なら私もわかります。


喫茶なつめ@別府

2013年12月24日 | 散歩・旅のこと
ランチ後はデザートを食べることにしました。I氏からニュードラゴンというおいしいケーキ屋さんがあると聞いていたので、別府にあるお店に行ってみたところ、定休日でした。別府の繁華街のお店は水曜日がお休みのところが多いようです。喫茶なつめも本来は水曜日が定休日なのだそうですが、この週はたまたまお休みを火曜日と入れ替えたそうで、ラッキーなことに開いていました。



1961年創業の喫茶なつめは本格的喫茶店でコーヒー以外に軽食、甘味が充実しているうえ、席数もけっこうあるのですが、御主人が亡くなってしまった今、奥さんが一人で切り盛りしているのだそうです。これからも頑張って続けてほしいです。



お勧めは「温泉コーヒー」らしいのですが、Nピオで飲んでしまったので、ここではデザートだけ注文しました。たいちゃんは「抹茶三昧」、わたしは「なつめアラモード」にしましたが、どちらも大きな器にたっぷりアイスとクリームが入って大満足の一品です。「抹茶三昧」は、抹茶ゼリーの上にアイスクリームと小豆、一口大の抹茶ゼリーがのっていて、抹茶のシロップが全体にかかっています。



特に素晴らしいのは、グラスの底まで抹茶ゼリーがあったことです。一番下の緑の層はグラスの一部だと思っていたらゼリーでした。これはうれしいサプライズです。



「なつめアラモード」はプリンアラモードの器に、アイスクリームとたっぷりのクリーム、リンゴ、メロン、ミカン、イチゴ、梨、バナナなどといっしょになつめの甘露煮がたっぷりのっています。このなつめの甘露煮は自家製でこちらで炊いているそうです。生クリームとの相性が良くて、とてもおいしかったです。




喫茶Nピオ@別府

2013年12月23日 | 散歩・旅のこと


別府の中心街で2時過ぎにランチを食べようと思うと、これがなかなか難しいのです。ほとんどのランチは2時で終わり、またこの日はあいにく水曜日で、別府の中心地は水曜日が定休日のお店が少なくないのだそうです。喫茶Nピオを見つけたときは涙が出そうになりました。この日は、地元の常連客はもちろん観光客もいてお店は大変混雑しており、地元客の1人が我ら夫婦のためにテーブル席を空けてくれるなど、大変ありがたかったです。「軽くトーストでも食べたい」と珍しく控えめなことを言っていたたいちゃんですが、がっちり系のランチメニューの中から選んだのはカレーと炒飯です。私に選択権は与えられませんでした。。。



ランチの炒飯です。部分的にカリッとなるほどしっかり炒めてあって、実は大変おいしい炒飯でした。



カレーも昔懐かしい感じで、大変おいしくいただきました。喫茶Nピオ、別府での遅いランチに重宝です。

別府駅前めぐり

2013年12月23日 | 散歩・旅のこと
3日目は12時過ぎまでホテルでのんびりして、午後になってから別府の繁華街をぶらぶら散歩してみました。昼間に開いている飲食店は夜と比べると少なく、しかもランチタイムはたいてい2時まででいったん休憩して夕方再び開店するというスタイルが一般的らしく、確かに東京にも昔はこういう形態の店がたくさんあったのですが、最近は変な時間にランチする我らのような生活スタイルの人も増え、東京ではどこに行っても5時までランチを提供しているお店があるのは大変便利なことだと改めて思った次第です。



別府の路地裏の風景はとても絵になります。下の写真は昭和7年創業の「エッチ美容室」の建物です。別府八湯の中から別府温泉100%の完全無添加温泉化粧水「べっぴん泉」や別府八湯の個性をそのままに8種類の温泉で作った手練り石鹸「べっぷ八湯せっけん」などで有名なお店です。



エッチ美容室の「エッチ」はオーナーの林さんから来ているそうです。今回ここでは「べっぷ八湯せっけん」のうち、はまわき温泉とほりた温泉の石けんを買ってみました。はまわき温泉の石けんの説明は、「浜から温泉が湧き出る様子から『浜わき』の地名が生まれた温泉郷。敏感肌にもやさしい単純泉を練りこみました」、ほりた温泉の説明は「交通の便がよく、豊富な湯量に恵まれている堀田温泉。様々な成分をやさしく含む単純泉を練りこみました」とありました。肌がしっとりするそうです。



築100年の長屋を改装した建物で、中心地活性化のためのプロジェクトに協力しているのだそうです。現在は「SELECT BEPPU」として別府のアートを取り扱うショップになっています。ここでフリーペーパー「旅手帖beppu」が手に入らないかと聞いてみたところ、すでに絶版になっており、現在大分全域をターゲットにした新たなプロジェクトが進んでいるとのことでした。「旅手帖beppu」は再版して有料で売ったらよいと思います。写真も素敵で、あんなに魂のこもった別府に関する資料はないので、他県から別府に来た旅行者は絶対に買うと思います。今回買ったどのガイドブックよりも充実していて非常に役に立ちました。再版求。



こちらで購入した本です。別府 「混浴温泉世界2012」総合ディレクター、 芹沢高志による書き下ろし書籍で、エッセーのような私小説のような不思議な本ですが、行ってきたばかりの別府の町の雰囲気が伝わってくる文章で、買ってよかったと思います。



別府駅前の「ピカピカおじさん」の象です。油屋熊八という方の象らしいです。



ウィキペディアで調べてみると、「油屋 熊八(あぶらや くまはち、1863年8月29日(文久3年7月16日) - 1935年(昭和10年)3月24日)は、歓楽的な温泉都市大分県別府市の観光開発に尽力し、田園的な温泉保養地由布院の礎を築いた実業家。」なのだそうです。別府の方たちの旅人への親切で気楽な接し方は、この方の影響なのですね。






駅前高等温泉@別府

2013年12月22日 | 散歩・旅のこと
満腹のお腹を抱えて次に向かったのは、別府駅前高等温泉です。別府駅から徒歩2分のところに大正時代の洋館が目指す目的地です。



昼間の様子はこんな感じです。



入り口のドアを開けると正面に番台があり人がいるのですが、ここは珍しく自動販売機で券を購入するシステムになっています。「あつ湯」と「ぬる湯」に分かれており、それぞれ番台の右手と左手に分かれて浴室が設置されているので、券を買う時点でどちらにするか決めなければいけません。別府の熱い湯の洗礼を受け感化されてしまった我らはもちろん「あつ湯」を選びました。

脱衣所と浴室は数段の階段で分かれており、この日は先客が一人いらっしゃいました。タイルにべたっと座って忙しそうにしています。私が入ってきたのも気にせず、目も合わせず自分のことに没頭しているようでしたので、私も特に声はかけずに浴室に降りていきました。



高等温泉の写真です。冊子より。

源泉掛け流しの単純温泉で、「あつ湯」は43℃らしいです。しっかりかけ湯して入ります。写真がなくてとても残念なのですが、「あつ湯」の浴場には、男湯と女湯の間にブルーとピンクのかわいらしいステンドグラスがあります。I氏宅に伺った際に見せてもらったフリーペーパー「旅手帖beppu」には高等温泉のステンドグラスを写したアーティスティックな写真が載っていましたが、実物よりは写真のほうが数倍美しく、現実とはこんなもんだとも思いましたが、それでもこのステンドグラスは見る価値のあるものでした。「ぬる湯」のほうにも同じようなステンドグラスはあるのでしょうか。気にはなりますが、ここまで熱いお湯になれてしまうと、「ぬる湯」に入る気はしないので、自分で確かめに行く機会はないでしょう。

何度か出たり入ったりを繰り返し、しっかり温まってからこの日は宿に帰りました。









チョロ松のかも吸@別府

2013年12月22日 | 散歩・旅のこと


昭和31年創業のチョロ松は、地元客でにぎわう料理屋さんで、その看板メニューの「かも吸」は先代の趣味である狩猟から生まれたそうです。I氏も今回初めてということでしたが、とにかく「かも吸ってなんだ?」ということで、好奇心の塊と化した我らが暖簾をくぐったのは、午後8時ごろのことでした。



まずは、水分補給に生ビールをいただきます。このジョッキがすばらしく雰囲気があるではないですか。細長いカウンターと並んで我らが座っている座敷席があり、店の突き当り、一番奥にも2つほどテーブル席があります。入り口に近い座敷席では、若い女性を2人連れた50代の男性が、おいしいものをたくさん食べさせたいという気持ちからだと思いますが、豪快な量の鶏のから揚げを注文しており、けっきょく食べきれずにお持ち帰りにしましたが、このから揚げがものすごくおいしそうで、食いしん坊の我らの脳裏にしっかり焼き付き、かも吸を食べた後で余裕があったら絶対注文しようと密かに誓ったのでした。





新鮮な海鮮をおつまみにしながら、「かも吸」の登場を待ちます。「かも吸」は注文が入ってからひとつの土鍋で鴨肉、鴨の内臓、ごぼう、こんにゃく、ネギなどを炊くのだそうです。一番おいしい状態で出すために、火加減やタイミングなどにとてもこだわりをもっているようです。裏の厨房と表をしきる女主人は2代目だそうです。



ぐつぐつと煮えたぎった土鍋が運ばれてきました。一人1個の土鍋です。おばさんがふたを開けて土鍋の中に柚子の皮を落としてくれます。立ち上る湯気に柚子の香気がふわりとのって、食欲を刺激します。



澄んだスープは脂がきらきらと光ってとても美しいです。豚のスープよりはあっさり、鶏のスープよりはこくがあり、ピリッと効いた胡椒が良いアクセントとなっています。この滋味あふれるスープを一口すすっただけで、ほ~っと、ため息が漏れてきます。



ちょうど良い大きさの鴨肉です。鴨肉はビタミン群や鉄を多く含んでいます。特にビタミンB2は皮膚、爪、髪の細胞の再生に関与しており、鉄は女性に不足しがちなミネラルですが、鴨肉の鉄は葱のビタミンCにより吸収が促進されるそうです。女性にとって「かも吸」はまさに美容食です。冷めないうちに、最後まで食べつくしました。胃袋にはまだ余裕があったので、から揚げも注文してみました。



大きな「鶏のから揚げ」は、東京のから揚げとは全くの別物です。衣は薄くてからりと揚がっており、肉はやわらかくジューシーです。揚げ物が苦手な私でもおいしくいただきました。何を食べてもおいしいチョロ松は本当にお勧めです。


永石温泉@別府

2013年12月20日 | 散歩・旅のこと
2泊目と3泊目の宿「別府温泉ホテルうみね」にチェックインした後は冷えた体を温めるため、この日1つ目の温泉へ向かいました。この辺でもお湯が熱くて有名な「寿温泉」です。ところが、あいにく寿温泉はこの日お休みでした。別府のよいところは「ここがダメならあちら」というふうに次から次に別の候補が現れる点です。この日もそれほど時間をかけることなく、次の候補が見つかりました。ミニ竹瓦と呼ばれている永石(なげし)温泉です。



永石温泉の入り口です。脱衣所と浴場は数段の階段で分けられていますが、やはり仕切りなどはなく、慣れてくるとこの構造はかなり機能的だと思えてきます。わりと混んでいる時間帯だったらしく、四角い小さめの湯船のまわりには5人ほどいました。



今回も写真が撮れなかったので冊子から。

単純温泉で、源泉の温度は49度、少し緑がかって見えるのは浴槽のタイルのせいでしょうか。浴槽適温は42℃らしく少し熱めですが、竹瓦温泉の洗礼を受けた後なので気持ち的には余裕なのですが、何度もかけ湯をしないと入れそうにありません。脱衣所の反対側、浴室の一番奥の一か所にあいている場所があったので、そこに陣取りかけ湯を繰り返し、何とか慣れたところで浴槽に入ろうとしたところ、地元の方に、そこは熱いから反対側から入りなさい、反対側が一番お湯がぬるいところだと教わりました。

地元の人間でも、お湯が流れ込んでくる場所は熱湯好きしか入らないそうで、たいていはぬるい場所から入って慣れてきたら移動するのでそうです。全体的にお湯がぬるくなってくると、調整のためにレバーを開けるらしいのですが、年配の方が「ぬるい」と一言いうだけで、若手が「はい」と返事して赤いレバーを開けていたのが、興味深い光景でした。何度も通っていたら、私もレバーの開閉を請け負うようになるのかもしれません。永石温泉はこの前日に浴槽の掃除をしたそうで、「きれいになった、きれいになった」と地元の方たちが喜んでいました。とてもタイミングがよかったようです。

お風呂から上がった後は、I氏お勧めの「チョロ松」にて夕ご飯です。