以前(08.07.21)に映画「日本の青空」の感想を書き込みました。過日のこと「日本の青空Ⅱ」製作委員会から、待望の第2弾が完成し劇映画「いのちの山河」の試写 会を行う旨のご案内が届きました。(添付写真)
映画の内容は、「いのちに格差があってはならない」と全国に先駆けて老人と乳幼児の医療費無料化を実践した岩手県沢内村の村長の“生命行政”だけに、是非とも試写会に行こうと思います。
私が“医療”機関(勤医協)に就職したのは、今から34年前のこと。当時、健康保険本人は医療費無料(初診時一部負担)、家族は3割、そして65歳以上(地域差はあった)は“原則”無料の時代でした。ところが、時の大蔵大臣(後の副総裁)は「老人医療費の無料化は“枯れ葉に水”を差すようなもの。止めて頂くと大蔵省は助かる!」と言及。その後も「病院はお年寄りのサロン場」とか「薬つけ、検査つけで医療費が膨らみ、日本は滅びる」などと財政論と老人医療費無料化無用論が叫ばれ、革新自治体への反撃がはじまりました。そうした世論操作が高まって、全国老人クラブ連合会は「ちょっとの負担なら・・・」と“原則”無料から400円の一部負担を認める苦渋の選択をしました。その後は「お年寄りが負担できて、何故働く者が負担出来ないのか?」論が声高に叫ばれ、国民健康保険の3割負担との不公平感を展開しながら、国民のなかに分断政策を広げました。これが私の記憶している医療の格差のはじまりです。結局、低いところの給付が平等論となり、今のような医療費負担増をつくり出しました。その当時から、岩手県沢内村の地域医療の展開を机上で勉強していました。乳幼児の死亡ゼロ作戦、長生き健康作戦など予防医学を行政課題として村民と一緒になって展開していました。「いつかは現地を視察したい」と思っていましたが、未だに行く機会がありません。“岩手県人会”の一員としても、個人的にも行ってみたいと思います。
以前ベストセラーとなった「豊かさとは何か」【暉峻淑子(てるおかいつこ)著:岩波新書】を思い出しました。
「貧困と格差」が広がっている昨今の状況を考えると、すぐ頭に描くのは規制緩和、勝ち組・負け組・・・をつくり出した “小泉構造改革”です。
改めて、「いのちの山河」を見て、憲法25条で保障されている“生存権”とは何か?を考えたい、と思います。