音楽中心日記blog

Andy@音楽観察者が綴る音楽日記

Lost Horizon

2007年10月21日 | CDの感想
  
○ヨンジン「ミー・アンド・マイ・バート ~バート・バカラック・ソングブック」(2006)
 韓国のギターポップ・バンド、ライナス・ブランケットのシンガーがバカラックの曲ばかりをカヴァーしたアルバム。リリースされたのは去年だけど、やっと聴きました。

 可憐なウィスパー・ヴォイスの女の子が、BMXバンディッツをはじめとするグラスゴー人脈の全面バックアップによりバカラック・ナンバーを歌う。選曲も適度にマニアック、ユージン・ケリー(元ヴァセリンズ)やノーマン・ブレイク(ティーンエイジ・ファンクラブ)とのデュエットもあり。ということで、聴く前から盛り上がっていたんだけど……実際聴いてみると、少々物足りなかったのでした。

 とてもていねいに作られた愛すべき佳作だとは思うんですよ。ヨンジンのヴォーカルもチャーミングだし、アコースティックに徹したサウンドも心地よいし。
 でもね、あまりに品が良すぎるというか、ポップソングとしてのアトラクティヴな”ひっかかり”が不足している気がするのです。すらりと流れ去ってゆきすぎるというか。

 たとえば最近聴いたものの中で、音楽的な傾向や声質の面で似ているのは、Au Revoir SimoneとかCOLTEMONIKHAなんだけど、あちらには十分な”ひっかかり”が存在していると思うのです。

 前にもこんな感覚をおぼえたアルバムがあったぞ、と記憶をたどっているうちに思い出しました。イゾベル・キャンベル「Amorino」。そういやあれにもユージン・ケリーとのデュエット曲あったな。

 ヨンジンがこのアルバムの収録曲「Promise Her Anything」を歌っている映像。ハングルの字幕が読めん。
  

Sad Tomorrow

2007年10月20日 | 音楽関連ニュース
◆U2の代表作『ヨシュア・トゥリー』が発売20周年記念版として再登場!(CDJournal.com)
 もう20年経つのか……そろそろ新しい音質で聴きたいころではある。

◆ムーンライダーズのアーカイヴ・シリーズ第3弾『1980.2.23 ムーンライダーズ・リサイタル(仮)』が、12月19日に発売(bounce.com)
 いちばんニューウェイヴ的に過激だったころのライヴかな。最近やたらとアイテムがリリースされるので、ムーンライダーズ・マニアの方はたいへんっすね。

◆【レーベル研究】ハガクレ・レコード&くノ一・レコード(CDJournal.com)
 松村雄策の全アルバム復刻は快挙でした。

◆Di(s)ctionary 第18回 バーバンク・サウンド(bounce.com)
 記事を書いているのは鈴木惣一朗氏です。
 
◆久保憲司のロック千夜一夜 - モノ・ヴァージョンで聴きたいピンク・フロイドのデビュー作(bounce.com)
 フロイドの話より、ジュリアン・コープが日本ロック史の研究書を出していたという話のほうに驚いた。これか。「村八分は結局のところ、ロックンロール・ライフをエンジョイしたいだけのバンドだった。なぜならセット・リストが何年間もずっと一緒だった」なんて記述があるらしい。翻訳熱烈希望。

◆だまされる人続出:有名ギタリスト熱演のパロディビデオ(WIREDNEWS)
 what's my scene? ver.7.2経由で知った記事。
 めちゃくちゃウケる人と、「どこがおかしいの?」とマジ顔で言う人と、反応がふたつに分かれるだろうなあ、これは。

◆キム・シャタック(The Muffs)公式サイト
 The Muffs' Fanpage In Japan10/19付けエントリ経由。マフスの代表曲をフル試聴もできる。ああひさしぶりにげっぷが出るまでマフスを聴きたくなってきたよ。

 マフス「Really Really Happy」PV
   

私の青空

2007年10月19日 | CDの感想
  
○畠山美由紀 with ASA-CHANG&ブルーハッツ「わたしのうた」(2007)
 7月に出たジェシー・ハリスとのコラボアルバム「Summer Clouds, Summer Rain」からわずか3か月、畠山美由紀の新しいアルバムが出た。
 今回は元東京スカパラダイスのドラマー、ASA-CHANGをリーダーとする16人編成のビッグバンド「ブルーハッツ」との共演である。
 曲はすべて、ジャズスタンダードや昭和の歌謡曲などのカヴァー。NHK「みんなのうた」の名曲「小さな木の実」なんてのもとりあげている。
 
 これはもう圧倒的に楽しいアルバムだった。彼女の唄に少々複雑な思いを抱いている僕も、諸手を挙げて絶賛してしまう。激しいドラムビートから始まる1曲目の「Lover come back to me」のかっこよさといったらどうだ。シャープで熱い演奏を繰り広げるブルーハッツとスリリングにわたりあう畠山嬢のヴォーカルがたまらない。

 スカのリズムが楽しい「君恋し」やグルーヴィーな「小さな木の実」もいいし、マリリン・モンローが映画「紳士は金髪がお好き」でキュートに歌い踊った「Diamonds are a girl's best friend」はとてもセクシー。「浜辺の歌」については、「Summer Clouds」ヴァージョンと聴き比べるという楽しみもある。 

 それにしても、「Something Stupid」をデュエットしているリリー・フランキーは許せんなあ。うらやましすぎる。

 試聴はここで。ご本人の曲解説も掲載されています。

 おまけ。マリリン・モンロー「Diamonds Are A Girl's Best Friend」映像。
 マドンナ「マテリアル・ガール」PVの元ネタとしても有名ですね。
  

No Matter What

2007年10月18日 | 音楽関連ニュース
◆バッドフィンガー、ワーナー時代のアルバム再発(CDREVIEWS.COM)
 アップルからワーナーに移籍後の1974年にリリースされた二作品「涙の旅路」(原題"Badfinger")、「素敵な君」(原題"Wish You Were Here")がCollector's Choice Recordsから再発されるとのニュース。知名度は低いけど、両方とも捨てがたい魅力のあるアルバムです。きちんとした音質になっているといいな。

◆ポリス27年ぶり来日公演…来年2月10日から(スポーツ報知)
 3月にスチュアート・コープランドが来日したときにすでに明らかになっていた話が、正式に発表になったようです。
 それにしてもスティングの息子のバンドが前座ですか…親バカ。

◆カジヒデキのポップ道、ここに極まる!(HMV Japan)
 発売が延びてたニューアルバムですね。ひさびさに買ってみるか。

◆エリオット・スミスのガールフレンド、支払いを受けられず(NME.COM)
 2003年に自殺したエリオット・スミスと一緒に暮らしていた女性が、彼のマネージメントやエージェントとしての業務をしていたことを主張して、その対価(100万ドル!)を求めていたけれど、その主張が認められなかったと。
 記事の最後の方に、ちらりと「状況から自殺には疑問があり、殺人の可能性も捨てきれない」と書いてあるんですが…。でも結局その線に沿った捜査はなされていないそうです。

◆Perfumeの見分け方
 日々の凧あげ通信より。ちょっと笑った。


 マイミクさんの日記で知ったすごいライトセーバー動画。マスター・ヤグディン。
  

New Frontier

2007年10月17日 | 音楽関連ニュース
◆Donald Fagen 三部作のボックスセット!(HMV Japan)
 ライノ企画だし、当然リマスターされてるんだろうなあ。「The Nightfly」のリマスター盤を待ち続けていたんだけど、このセットを入手しなきゃならんすか。

◆ジェフ・リン責任監修によるELOのベスト・アルバム第2弾がリリース(CDJournal.com)
 第1弾に比べるとかなり地味目な選曲だけど、「裏ベスト」的でいいかも。

◆元KINKSのRAY DAVIESがニュー・アルバム『WORKING MAN'S CAFE』を新聞の付録として無料配布(bounce.com)
 プリンスに続きレイ・デイヴィスがやるとは。

◆ポール・マッカートニー「Memory Almost Full」全曲解説(Mix Magazine Online)
 アルバムのプロデューサーであるデヴィッド・カーンによる全曲解説。
 まだきちんと全部読んでないんだけど、「Ever Present Past」はエレクトロニカみたいに聞こえながらもその実、クラシックなエピフォン・カジノにヘフナー・ベースを使って録音されているとか、なかなか興味深い話が埋まっていそう。

◆ビートルズ「ヘルプ!」新装版DVD、発売が予定より遅く(Ultimate-Guitar.com)
 10/30から11/6に延びたらしいよ。


 ドナルド・フェイゲン「New Frontier」PV。名作。
  

Smile

2007年10月16日 | 歌詞・訳詞
あんたがあたしを捨てたとき まだあたしは別れたくなかった
でもあんたは隣の部屋の女とファックしてたんだよね なんでそんなことしたのさ
あんたがあたしを捨てたとき 言葉が出てこなかった
それまであんな風になったことなんてなかった 一日中ただ座ってぼうっとしてるなんて

あのときは 完全に自分を失ってたけど
でも 友達からのちょっとした手助けで やっと光が見えたの トンネルを抜けて
あんたはまた電話してくるようになったけど
めそめそぐずぐずしてりゃいいのよ
だってただ淋しいだけなんでしょ

あんたが泣いてるのを見ると 自然に笑みがこぼれてくる
ちょっと悪いかなって思ったりもするけど やっぱり笑みがこぼれちゃう

あたしの顔を見るたび あんたはよりを戻したいって言う
言ってるでしょ そんなの意味ないって わけわかんない
笑いが止まんないよ
あんたは あたしの心をぐちゃぐちゃにして ひどい気分にさせたんだよ

あのときは 完全に自分を失ってたけど
でも 友達からのちょっとした手助けで やっと光が見えたの トンネルを抜けて
あんたはまた電話してくるようになったけど
めそめそぐずぐずしてりゃいいのよ
だってただ淋しいだけなんでしょ

あんたが泣いてるのを見ると 自然に笑みがこぼれてくる
ちょっと悪いかなって思ったりもするけど やっぱり笑みがこぼれちゃう

あんたが泣いてるのを見ると 自然に笑みがこぼれてくる
ちょっと悪いかなって思ったりもするけど やっぱり笑みがこぼれちゃう

- Lily Allen「Smile」(2006)
    (Translated by Andy@音楽観察者)

 前回「ポスト・リリー・アレン」を紹介したので、本家リリーさんの曲も訳しておくことにします。

 彼女を一躍有名にしたデビュー曲。あまりにあまりな詞だけど、ここまであからさまだとかえって気持ちがいい。
 「あんたが泣いてるのを見ると自然に笑みがこぼれてくる/ちょっと悪いかなって思ったりもするけど やっぱり笑みがこぼれちゃう」ってフレーズはたまらんすね。やっぱりケイト・ナッシュより上かな。

 ちなみに、これまた前回に引き続き翻訳時に困る言葉がありました。「it don't mean jack」というフレーズ。
 で、ネット検索してみたら、「It doesn't mean anything, nothing at all」という意味らしいので、それに従って訳してみました。

 原詞はここ参照。

 PV。さらに極悪。「友達の助けを借りて」ってそういうことかい!
  

 辛酸なめ子による訳詞をのっけたPVってのもあった。爆笑。

  

Foundations

2007年10月15日 | 歌詞・訳詞
木曜の夜 万事快調 あなたの目に浮かんでいる表情以外はね
話をしても あなたは退屈そう
なにか言いたいことがあるんでしょ
それをあなたは あたしの友だちの前でぶちまけて 恥をかかせる

だからあたしは あなたが嫌がる声色で こんな風に言ってみる
「結構なアドバイスどうも ダーリン。ほら、もう一本ビールいかが?」

するとあなたは あたしをあばずれよばわり
あたしたちと一緒にいる人は 誰でも恥ずかしい思いをさせられる
でもあたしは文句はいわないわ

あたしの指先は 土台のひび割れたところをつかんでいる 
手を離してしまえばいいんだろうけど できやしない
あなたとけんかをするたびに こんなの正しくないって思う
あなたがうろたえると あたしは微笑む
忘れてしまった方がいいんだろうけど できやしない

「もっとレモンを食べろよ」とあなたは言う あたしが辛辣(bitter)すぎるからって
あたしは「あなたの友だちと一緒にいるほうがいいわ。その方が楽しいもの」と言ってみた

そう 子どもじみてたわね あなたはひどく怒った
ちょっと怖かったのは確か
でも あなたに嫌みを言うのがスリリングでたまらないの

あたしの指先は 土台のひび割れたところをつかんでいる 
手を離してしまえばいいんだろうけど できやしない
あなたとけんかをするたびに こんなの正しくないって思う
あなたがうろたえると あたしは微笑む
忘れてしまった方がいいんだろうけど できやしない

青白い顔色をしてるわ そんなに落ち込んでしまうなんてびっくりね
もうあなたの顔なんてみたくない こっちまで気分が悪くなるから
あなたは気分を悪くして あたしのジョギングシューズに吐く それ 昨日買ったばかりよ
ああ もうそんなことに煩わされたくなんかない

明日の朝までにここを出てゆくわ
わざわざ暖房装置のスイッチをいれるのもうんざりだし
もうそんなことに縛りつけられていたくない

あたしの指先は 土台のひび割れたところをつかんでいる 
手を離してしまえばいいんだろうけど できやしない
あなたとけんかをするたびに こんなの正しくないって思う
あなたがうろたえると あたしは微笑む
忘れてしまった方がいいんだろうけど できやしない

- Kate Nash「Foundations」(2007)
    (Translated by Andy@音楽観察者)

 この間、デビューアルバムの感想を書いたケイト・ナッシュの曲。「ポスト・リリー・アレン」の書く詞がどんなものか興味を持つ方のために訳してみた。

 相手に不満を持ちながらも、ひとりになるのが怖くて別れに踏み切れない心理(結局最後には別れを決意することになるんだけど)をうまく描きだした詞だと思う。
 不満点のディテールはいちいちリアルなのに、リフレインでは「My fingertips are holding onto the cracks in our foundation(土台部分のひび割れを指でつかんでいる)」という堅めの比喩を持ってきているところが良い。

 訳していて困ったのは「intelligent input,darlin'」という言葉。
 ちょっと調べてみたもののわからなかったので雰囲気で訳してしまったけれど、ほんとはどう訳すべきなのか、どなたか教えてください。

※10/16追記
 「intelligent input」についてコメント欄でご教示いただいたので、それを参考に訳を直してみました。(当初訳は「インテリジェントな入力をしたらどう ダーリン どうしてもっとビールを飲まないの?」でした。)
 ご意見をいただいた方々、ありがとうございました。

 原詞はここ参照。

 「Later with Jools Holland」での演奏。
  

   

God only knows

2007年10月13日 | 音楽関連ニュース
◆ブライアン・ウィルソン、バレエ・デビュー(BARKS)
 ブライアンって、本国より英国で愛されてますね。

◆ジョン・ライドン、NMEキャンペーンについて語る(BARKS)
 いまさら「俺はアンチ・クイーンなんかじゃねえよ」とかいわれても。

◆EMI MUSIC、洋楽ロック専門映像サイトをオープン(BARKS)
 んなめんどくさいことしなくても、YouTubeとかを活用する方が、ずっと効果的かつ低コストでできると思うんですが。

◆Battles スペシャル・インタビュー(HMV Japan)
 内容がないよう。

◆ナイン・インチ・ネイルズ、リミックス・アルバムを発表!ニュー・オーダーら参加(CDJournal.com)
 これがメジャーからの最後のリリース。

◆“廃盤の秋”到来!毎年恒例の「廃盤CDセール」が今年も開催決定(CDJournal.com)
 いつも平日スタートなので、欲しいものが買えたためしのない廃盤CDセールですが、まあお約束ですから。


 Battles「ATLAS」PV
  

Norwegian Wood

2007年10月12日 | 歌詞・訳詞
むかし ちょっとひっかけた女の子がいた
いや 僕のほうがひっかけられたというべきかな
彼女は自分の部屋を見せてくれた 「素敵でしょ ノルウェイ材を使ってあるの」

「ゆっくりしていって どこに座ってもいいわよ」と彼女が言うので
あたりを見まわしてみたけれど 椅子なんて置いてなかった

だから僕は敷物の上に座り チャンスをうかがいながら ワインを飲んだ
午前2時までおしゃべりをしたところで 彼女が言った 「さあベッドに行く時間よ」

「わたし 朝、仕事があるの」と 彼女は言うなり笑いだした
僕は「朝は特に用はないんだ」と言って バスルームまで這ってゆき 寝た

目覚めると彼女はいなかった 鳥は飛び去っていってしまったんだ
僕は煙草に火をつけた 素敵じゃないか ノルウェイ材の部屋ってやつは

- The Beatles「Norwegian Wood(This Bird Has Flown)」(1965)
    (Translated by Andy@音楽観察者)

 「ノルウェーの森」誤訳問題については、ずいぶん前にこのテキストで書いた。
 「Norwegian Wood」が「Knowing she would」(彼女がやらせてくれることを知ってるよ)からきているフレーズなのかどうかはいまだによくわからないけれど、とりあえず自分なりに訳してみることにした。

 最後のライン(「I lit a fire」)については、前述のテキストでも書いたとおり「煙草に火をつけた」と訳してみた。
 女の子が去ってがらんとした部屋で、ひとり煙草に火をつけてぼんやりと部屋を眺めている、という情景が、この淡々とした曲の終りにふさわしいと思うので。

 でも英語版Wikipediaの曲解説を見ると、「女の子と寝ることができなかった復讐のために、彼女の部屋に火をつけた」意味だということが当たり前のように書いてある。ポールの発言が根拠らしい。うーん。

 ちなみに同記事によると、「ノルウェイ材」というのは安物の松のことで、これがインテリアに使ってあるということは、相手の女の子がワーキングクラスに属していることを示唆するらしい。へーそうなのか。けっこうイメージ変わるなあ。
  
 なお、去年出た「ザ・ビートルズ'65 BOX」のブックレットに掲載された歌詞対訳(奥田祐士氏によるもの)では、「だからぼくは火をつけた すてきじゃないか、ノルウェー産の木」となっている。これも「部屋に火をつけた」説だ。これまでの公式訳(「俺は暖炉に火をくべた。まるでノルウェーの森にいるみたいだ」)とは大きく変わってきてますね。

 原詞はここ参照。

  

  

Mouthwash

2007年10月11日 | CDの感想
  
◆Kate Nash「Made of Bricks」(2007)
 イギリスの新人女性シンガーのデビューアルバム。UKシングルチャートで2位にランクした「Foundations」が気に入ったのでアルバムを聴いてみた。(ちなみにこのアルバム、UKチャート初登場1位だったそうだ。)

 キャッチフレーズは「ポスト・リリー・アレン」ということだけれど、リリー・アレンがスカやレゲエ、その他ブラックミュージックをサウンドのベースにしているのに対し、こちらはピアノ系SSWといった趣き。

 女の子の本音をストレートに語る歌詞はどれもなかなかおもしろいけれど、音楽的な幅はあまり広くない。トラックのおもしろさはリリー・アレンの方が上だと思う。前述の「Foundations」を含む冒頭数曲はすごく楽しめたんだけどね。アルバムが進むにつれて失速してゆく感じ。

 好きなタイプのシンガーではあるので、今後に期待。一発屋とかいわれないようにがんばってほしいもんです。

 試聴は例のごとくMySpaceで可能。

 「Foundations」PV。