音楽中心日記blog

Andy@音楽観察者が綴る音楽日記

You Just Haven’t Earned It Yet, Baby

2007年10月29日 | 歌詞・訳詞

君は不思議に思っている
求めている愛が なぜいつも君の横をすりぬけていってしまうのか
なぜ人はみな 君に乱暴で冷酷なふるまいをするのか
なぜだか僕が教えてあげよう なぜだか僕が教えてあげよう

君がまだ "それ"を手にしてないからだよ ベイビー
君はまだ "それ"を手に入れていないんだ ぼうや
だから君は まだまだ 苦しんだり泣いたりしなきゃならない
君はまだ "それ"をつかんでいないんだよ ベイビー
そういってるだろ

君は不思議に思っている
僕の人生最大の目的は 有名になることだったのに 
どんなに努力しても 全然うまくいってないじゃないかって

なぜだか僕が教えてあげよう なぜだか僕が教えてあげよう
(君は信じないかもしれないけど)

僕がまだ "それ"を手にしてないからだよ ベイビー
僕はまだ "それ"を手に入れていないんだ ぼうや
だから僕は まだまだ 苦しんだり泣いたりしなきゃならない
僕はまだ "それ"をつかんでいないんだよ ベイビー 
そういってるだろ

今日 僕は思いかえしていた みんなが僕をひどい目に遭わせたときのことを
彼らは 僕の目をにらみつけて こういったんだ

おまえはまだ "それ"を手にしてないんだ ベイビー
おまえはまだ "それ"を手に入れていないんだよ ぼうや
だからおまえは もう少しの間 そのままでいなけりゃならない
おまえはまだ "それ"をつかんでいないんだよ ベイビー 
そういってるだろ

- The Smiths「You Just Haven't Earned It Yet, Baby」(1987)
    (Translated by Andy@音楽観察者)

 シングルを中心にまとめられた編集盤「The World Won't Listen」収録曲。当初シングルとしてリリースされるはずが、なんらかの事情で未発表になっていた曲らしい。カースティ・マッコールによるカヴァーも良い出来だった。

 今回訳していて気づいたんだけど、この詞、ヴァース毎に人称が変化してゆくのだ。

 一番だけ見ると「僕」が「君のこと」について「君」に忠告するという、ごくオーソドックスな形なのに、二番になると「僕」が「僕のこと」について「君」に忠告する、という奇妙な形にスライドし、三番では「彼ら」が「僕」にかつて忠告したことを思い出して終わる。そして忠告の内容はすべて同じ。「君はまだ"それ"を手に入れてないんだ(You just haven't earned it yet, baby)」ということ。

 訳していると「you」が誰を指すのか混乱してくるんだけど、二番では実は「自分(僕)」を指すのかもしれないな、と思ったりもしたので、その解釈をベースに訳してみました。
 
 この曲、そもそも「君」なんてどこにもいなくて、最初から「自分」だけに向けて歌っているのかもしれないですね…。 

 原詞はここを参照。