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○KANSAS「TWO FOR THE SHOW : 30th Anniversary Edition」(1978/2008 Reissue)
カンサスの名ライヴアルバムが、リマスター拡大版としてリリースされた。ミートローフ「地獄のロック・ライダー」と同じく、自分が中学生だったときに「刷り込み」されてしまったアルバムのひとつである。
最初に「暗黒への曳航」(1977)を聴いてカンサスのファンになり、続いてリリースされたこのライヴアルバムを入手して見事にノックアウトされた。
前にも書いたことがあるけれど、アメリカン泥臭ロックとプログレが奇跡的に融合を果たしているのが彼らの音楽の魅力であるわけで、それを最上の形でぎゅうぎゅうに詰めこんだのがこのアルバムなのである。1曲目「Song For America」のイントロを聴くだけで、今も胸が高鳴る。極論をいえば、カンサスはこれだけ聴いておけばいい。
今回の再発は2枚組仕様。ディスク1にオリジナル音源(LPでは2枚組だった)を収録し、ディスク2には同時期の未発表ライヴテイクをたっぷりと収録している。(CD化された際に時間の都合でカットされてしまった「Closet Chronicles」は、ディスク2に収録)
追加された曲どれもが、本編に組み込まれても全く違和感のないクオリティの演奏ばかりで、当時のカンサスが絶頂期にあったことを如実に示している。付属のブックレットで、中心メンバーのケリー・リヴグレンが、「ライヴを録音すること自体は簡単だった。たいへんだったのは、どのテイクを収録するのかを決めることだった。」と語っているが、それもうなずける。しかも(本編も追加曲も)まったくオーヴァーダブをしていないらしい。それがほんとうだとしたら、なかなか凄いことだと思う。
パッケージは3面デジパックで、ブックレットにはメンバーの証言をまじえた解説と、未発表のライヴフォトを掲載。
正直、「パシフィック・オーシャン・ブルー」レガシー・エディションなんかに比べると造作自体は少々安っぽいんだけど、日本では紙ジャケ化も検討されているらしいので、そちらに期待しましょう。
小ネタをひとつ。ライヴ会場のお掃除おばちゃん二人がカンサスのプログラムを熱心にながめているという印象的なジャケは、アメリカの国民画家ノーマン・ロックウェルによる「The Charwomen」(1946)をベースにしたもの。アメリカやねえ。
「銀翼のイカルス」。1975年のライヴ。なんという田舎バンド。演奏はすごいけど。
カンサスですか!
わたくし、これ自慢なんですが―
カンサスの初来日公演、行ってますのよ。
お客さんはあんまり入ってなかったように覚えていますが、不良外人(笑:おそらくベースの連中)が多く、ライブでの声のかけ方や内容が勉強になりました。
不良外人に教えられるというのがまた良いですね。
それにしても日本ではあまり人気なかったですよね、カンサスは。同傾向としてくくられていた中では、ボストンとかスティクスの方がずっと人気があったような記憶があります。