S4-1
東南アジアにおける豚肉による感染のリスク
↓
Taenia saginata = beef tapeworm (無鉤条虫)
Taenia solium = pork tapeworm (有鉤条虫)
Taenia asiatica は台湾、韓国、中国、ベトナム、インドネシアにみられ、古典的にpork tapewormと呼ばれる有鉤条虫よりも一般的で有鉤嚢虫症となる頻度は低い。
Gnathostomiasisは魚、カエル、鳥、爬虫類の生食と関連し、Angiostrongylus cantonensis (広東住血線虫)、Baylisascariasis(バイリスアスカリス)と共に好酸球性髄膜炎の原因となる。
S4-2
気胸後のフライトの注意
↓
自然気胸後6週間は飛行機に乗ることを避ける
1年後までは再発のリスクが50%
S4-3
渡航者下痢症の予防に最も気を配るべきこと
↓
手洗い
S4-4
ヒトに感染するschistosomesが少ない国
↓
インド(確かに少ないらしい)
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/22132307
S4-5
cryptosporidiumのcystを除去する方法
↓
煮沸するか濾過する方法の2択
S4-6
水を殺菌するためのiodine(ヨウ素)を用いた水にVitamin Cを入れるとの意味
↓
ヨウ素の味が改善される
Vitamin Cは消毒のための水とヨウ素の反応後に入れる
その他、thiosulphate(チオ硫酸塩)、hydrogen peroxide(過酸化水素)を加える方法でも同様の効果を得られる
S4-7
海抜0mで水の煮沸に要する時間
↓
1分、飲水には70-85℃で1分程度消毒すれば十分。
Clostridium は100℃までの熱に耐性だが、飲むことでは害にならない
S4-8
海抜10,000 feet (3048m)での水の煮沸に要する時間
↓
3分
標高が高くなると気圧が低くなり、沸点が下がる。標高3000mだと沸点が92℃となり、1分の煮沸でも飲水には十分だが、3分煮沸するれば沸点の低下を差し引いても確実。
富士山頂(3776m)での気圧は、約630hPaで沸点は88℃。エベレスト(8850m)では、気圧が約300hPaで沸点も70℃。
S4-9
ハロゲン化の有効性
↓
ほとんどのウイルスに有効(濁っていると効果がない)
iodine, chlorineは簡易で安価な飲水のための消毒方法
反応時間を長時間にしても寄生虫の幼虫や原虫の嚢子を殺すことは難しい(cryptosporidium parvum, giardia lamblia and cyclospora)。
サイクロスポーラはネパールで雨期(5-7月)に流行が見られることが知れている。
寄生虫の嚢子を除去するためには濾過法を利用する。
S4-10
iodine, chlorineの違い
↓
20分程度綺麗な水と反応させることで、Iodineの方がchlorineより簡易で綺麗に処理できる
chlorineは大規模な除菌に広く普及していて0.25ppmでmycobacteriaを除く細菌に有効。
S4-11
最も安全な水の浄化方法
↓
1分の煮沸で全ての病原体を死滅できる(見た目や味は良くない)海抜2000m以上の場所であれば3分煮沸する。
紫外線照射は微粒子や外部物質で保護された微生物を除去できない
ハロゲン化はシストや胞子(cryptosporidia, diardia)を死滅できない
濾過はウイルスを除去できない
Iodinationと濾過を合わせた方法は良い方法
逆浸透は期待できるが、費用が高い
S4-12
ライム病に対するチェコワクチン(Czech vaccine)が有効な地域
↓
トレッキングに行く15歳~70歳に考慮
病原体となるBorrelia burgdorferi は北アメリカ、Borrelia afzelii and Borrelia garinii 欧州とアジアに分布。
ライム病ワクチンのLymerixはBorrelia burgdorferi にのみ有効な不活化ワクチンで臨床的に75%の予防効果があるが、需要が低く高額であることから2002年に市場から消えた。
ボレリアの表面蛋白を標的としたチェコワクチンは全ての種類のボレリアに有効で2015年までには使用可能となる。
S4-13
南アフリカのクリニックにボランティア活動に行く看護師、7年前にB型肝炎ワクチンを接種済みだが、証明できない。
↓
キャリア率が2%を越える地域への渡航時には免疫の確認が必要であるため、HBs抗体をチェックする。
(個人的には、ワクチン接種7年後に抗体陰性でも細胞性免疫がないかどうかは分からないので、1回追加接種して4週間後に抗体検査もありだと考える)
S4-14☆
B型肝炎の追加接種の指標
↓
EIAで10-100IUなら1年以内に追加接種
100-1000IUなら5年以内に追加接種
1000IU以上なら追加接種必要なし
(個人的には、陽転後には細胞性免疫により疫学的には20年以上感染が発症が予防されるとのデータがあるため、上記のreferenceを知りたい)
S4-15
B型肝炎抗体獲得で予防できるその他のウイルス性肝炎
↓
D型肝炎
B型肝炎がある状態でのみD型肝炎ウイルスは複製される
S4-16
B型肝炎ウイルスがnon-carrierで予防できることを示す指標
↓
HBs Ab
HBe Agは感染性の指標
HBc Abは既感染の指標
S4-17
タイのバンコクに渡航する場合の注意点
↓
タイの空港からライセンスのないタクシーに乗って強盗や殺人に会うケースがある
黄色や黒のナンバープレートでTaxi-meterのサインが車上にある公式のタクシーを使用すべき
空港内の宿泊施設情報は完備されている
S4-18☆
anecdotal report
↓
Tsetse fliesはnight biter → ×
解説は1日中刺すと記載があるが、日中のみの間違い
http://www.who.int/water_sanitation_health/resources/vector178to192.pdf
アルコールで食事の殺菌消毒→ ×
密封されたボトルウォーターは安全→×
ソーダであれば安全性はより高い
蚊には好みがある→ o
S4-19☆
腸内細菌を滅菌するのに必要な最低温度
↓
A型肝炎は酸、有機溶媒、乾燥、熱に対して抵抗性
60℃1時間程度の加熱では不活化されない
85℃1-2分で不活化される
サルモネラ菌の熱抵抗性(加熱に対する抵抗力)は弱く、60℃3.5分間の加熱殺菌で大幅に減少する ことが認められており、60℃20分間の加熱でほとんど死滅する
よって加熱時間にもよるが65℃では不十分な可能性あり
S4-20
移植患者が避ける事
↓
生ワクチンの接種
血液疾患に対する同種異型(allogenic)骨髄移植患者は機能的脾摘状態と考えられる
免疫抑制薬の使用中止後、1-3カ月程度で免疫状態は正常化する
S4-21 ☆
ステロイド内服の影響
↓
日和見感染のリスク増加 (20mg/day以上)
ステロイドは免疫応答の低下させるが、インフルエンザワクチンに対する反応は良い? C→A
S4-22, 23
旅行者が携帯すべき情報
↓
アレルギーのリスト
パスポートのコピー
S4-24
経口避妊薬の知識
↓
時差などがあれば時間に合わせて内服する必要なし
内服で血栓症のリスクは上がる
テトラサイクリンやアンピシリンはエストロゲンの代謝に干渉する
下痢症状がある場合には吸収率が悪くなる
S4-25
心疾患がある患者の渡航を許可する場合の責任の所在
↓
証明書を発行すればトラベルクリニックの発行者
ただし、リスクを主治医と相談して決める必要がある
(主治医に直接書いてもらえば良いようにも思うが…)
S4-26
渡航先の国の健康リスクに関する情報源として最適なもの
↓
CDC, WHO
S4-27, 28
トラベラーズワクチンで最も推奨度の高いワクチン
↓
A型肝炎
リスク地域が広く、重症化もありえる、免疫原性が高く、長期間効果が続く
S4-29
炭疽菌、ペスト、日本脳炎、ポリオの中でシベリアに渡航する際に勧められるワクチン
↓
日本脳炎(ダニ脳炎も)
S4-30
パキスタンのカラチに行く際のマラリア予防
↓
予防内服を推奨する(期間にもよるが、malaria freeの選択枝が×なので)
標高1677m, 熱帯熱マラリア約30%, クロロキンの耐性率は16-62%, 7-11月が流行時期であるがが、3-4月にも流行がみられる
S4-31
紫外線の知識について
↓
角化症は高齢者で起こりやすい
日焼け等、皮膚へのダメージの原因となるのはUVB > UVA
日中のUVAはUVBよりも深達度が100倍あるため、登山やスキーなどの日光をたくさん浴びる渡航者においては皮膚腫瘍のリスクがより高まる
紫外線により最もダメージを受けやすいのは10歳以下の子供