国際医療について考える

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MCQs in Travel and Tropical Medicine 3rd edition Section9 (Air Travel)

2012-04-26 | MCQ in T&TM
S9-1, 3☆, 4☆
traveler's thrombosisのリスク

4時間以上のフライト6000回に1回に生じる
フライトがない人の罹患率1.2/1000に対して4.0/1000とリスク上昇
年齢や性別によりリスクの差はないとする報告がある
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/11250184
また長いストッキングが膝下のストッキングに比べて予防効果が高いとする報告がある
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/14507107
避妊薬はDVTのリスクとなりうる
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed?term=9236553
economy class Syとしてのリスクが知られるが、座席形態についてはエビデンスなし?

S9-2
下肢の深部静脈血栓症の症状

ほとんどが無症状
ふくらはぎの血栓症の25%が近位に拡大、その40%が肺塞栓の原因となる
臀部や骨盤の術後に生じやすい

S9-5☆
DVTの予防

ワーファリン等の抗血栓療法が有効
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed?term=20439576
Afに伴う塞栓症予防はワーファリンがアスピリンの3倍有効
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed?term=21614409
アスピリンもリスクが低い人に対しては20%塞栓症のリスクを軽減するが、副反応のリスクを伴う
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed?term=17577005
フライトでアスピリンを使用する場合には出血傾向がないことを確認して数日前から使用を開始

S9-6
飛行中の航空機機内圧

標高1500-2500mの気圧と同等

S9-7
飛行中、健常な乗客の血液酸素分圧と酸素飽和度

55mmHg, 85-91%

S9-8
航空機機内圧が標高2500mと同等である時、体内腔の容積の膨張率

30%

S9-9
石膏による骨折治療を行っている場合の注意

気圧低下により膨張した気体が外に出ることを確認

S9-10
航空機内の空気循環において外気の使用率

50-55%

S9-11
航空機内の空気循環

調理室、トイレからの空気は外に出す
空気交換は5-12分毎
オゾンO3はエンジン熱や触媒式排出ガス浄化装置によって酸素に変えられる

S9-12
航空機内の乾燥

人の密度が疎なファーストクラスで乾燥が強く20-30%の湿度低下(通常は10%)
空気の乾燥により粘膜に影響が生じる

S9-13?
アナフィラキシーの予防

ピーナッツ等の原因食材は提供されなくなった

S9-14
航空機内の感染症

陰圧のかかっていない飛行前後にリスクが高い

S9-15
航空機内のフィルター

HEPA(high efficiency particle air)フィルター(0.1μm)は一般にウイルス(0.01-0.2μm)は除去できないが、細菌や真菌を除去する
また臭いや揮発性有機化合物も除去する

S9-16
航空機内の食中毒原因菌

サルモネラ
冷蔵庫から取り出した後、4時間で200倍に増加する
サルモネラ 40%
ブドウ球菌19%
ビブリオ 16%
シゲラ 9%

S9-17
宇宙放射被爆が強い地点

北極点、南極点
被ばく量は年間1mシーベルト未満とし、大まかなフライト時間は年間2000時間を上限(妊婦は200時間)とする

S9-18
飛行中に起こりやすい医学的問題

血管迷走神経性の発作 22%
心疾患 20%
消化器疾患 15%
呼吸器疾患 15%
外傷 15%
脳血管障害 8%

S9-19, 20
航空機搭乗が不適な人

小児
・生後48時間以内の新生児(できれば生後7日以上必要)
妊婦
・妊娠36週以降
・多胎妊娠の場合は妊娠32週以降
疾病
・教員章あるいは安静時の胸痛
・重症あるいは急性感染症
・ダイビング後の減圧症(<24hr)
・頭蓋内圧亢進症(出血・外傷・感染症)
・副鼻腔・耳・鼻の感染症、特に耳管閉塞
・最近の心筋梗塞・脳卒中
・空気やガスが残存している可能性のある最近の外科手術あるいは外傷
・重症呼吸器疾患・安静時呼吸困難・気胸
・鎌状赤血球症
・コントロール不良な精神疾患

自然気胸後6週間は飛行機に乗ることを避ける
急性心筋梗塞、CABG後3週間は飛行機に乗ることを避ける
不安定狭心症は飛行機に乗ることを避ける
伝染性の呼吸器感染症のある人は飛行機に乗ることを避ける

S9-21
低酸素吸入試験の概要

15%酸素を10分間吸入する

S9-22
航空機内の緊急医療対応

多くの国で居合わせた医療従事者に義務はない、医療行為に報酬はない、不利益が生じた場合に訴えられる可能性がある

S9-23
飛行機事故で死亡するリスクと交通事故で死亡するリスクの比

飛行機事故による死亡のリスクが100万分の1以下

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