3月の劇団本公演が終わり
予定では総文祭の台本も仕上がっていて
あとは小布施野外シアターと
3月にオファーがあった皆神神社奉納劇の台本執筆・・・
だったはずが、総文祭の予定がずれ込み
3月から5月にかけて、開会式の演劇練習以外に
打ち合わせや会議が入って、台本執筆の時間が取れず・・・
昨年の野外劇の主催者は小布施町文化事業活性化委員会様
実行委員長は岩松院のご住職さま
事務局長N氏が小布施町に演劇文化を根付かせたいと願い
各所に働きかけをしてくださって
長野県地域発元気づくり支援金のご助成と
小布施町の共催をいただき、開催する運びとなった。
裏を支えてくださるのはドリーム・コンシェルさん
理事長は演劇で町を盛り上げようと須坂市に事務所を構えた熱意溢れるSさん
演劇の可能性を感じてくださっているN氏とSさんがいなかったら
オープンエアシアターは終わってしまったかもしれない。
2001年から上演して来たNAGANO open-air THEATER(長野における野外劇)は
芸術文化振興基金様のご助成をいただき、若干の赤字を出しつつも
支払うべきところはきちんと支払い、赤字分は他の仕事でカバーして
年間通じての赤字にはならない運営が成り立っていた。
ところが・・・
平成28年の助成金申請時にプロ対象の助成金に切り替え
劇団本公演とオープンエアの二つを申請したところ
劇団本公演のほうはご助成をいただけることになり
東京公演が実現したが、オープンエアは落選。
理由は、市民参加の舞台としてのクオリティは高いが
一般の素人さんが大勢出演しているため
プロのステージとして認めることができない・・・とのこと。
助成金の当落がわかるのは申請を出した次の年の4月。
オープンエアの公募開始は2月のため
一昨年は見切り発車状態で公募をスタート。
結果は落選・・・
が、公募を開始した以上は、たとえ助成金をいただけなくても決行する!
と決めていた。
そして「奇想竹取物語 KAGUYA」を上演。
音楽を多用した野外音楽劇として創作し
芝居、生演奏、歌、殺陣、ダンス、身体表現のコラボによる
パワーエンタはお客様から好評をいただき、無事故で終えた。
しかし、やっぱり大きな赤字が残ってしまい・・・
このまま助成金なしで、この野外劇を継続するのは困難という結論に至る。
20周年までは何があっても継続しようと決めていた。
どんな困難があっても諦めずに乗り越えて
ここまで継続して来たのに・・・無念・・・
そんな時、小布施町文化事業活性化委員会様から有難いオファーが!
まさに「捨てる神あれば拾う神あり」
主催は変わるし、形も変わるだろうけど
市民参加の野外劇は継続することが出来る!(^^)!
この野外劇は、長野に演劇文化の土壌を育むのが目的で始めた事業でもある。
その根本的な理念が継続されるのであれば
形が変わったとしても、続けることに意義がある・・・
こんな有難いことはない。
そんな感謝の思いで小布施野外シアターに取り組むことにした。
作品は岩松院にお墓がある戦国武将「福島正則」公が主人公の舞台
2013年に初めて小布施ハイウェイオアシスで上演した作品「石の城」は
福島正則公の嫡男・忠勝公を主人公に描いた舞台だった。
その時に福島正則公に関する調査をして資料も手元にある。
が、私がその時に正則公を主人公にしなかった理由があって・・・
正則公の武勇伝は、江戸時代に入ってからではなく
豊臣秀吉公の家臣だった頃が多く
秀吉公が亡くなった後は徳川家から危険視され
まんまと罠にはめられて、信州の山の中に移封されて・・・
私が歴史上の人物を舞台化するのは
市民に地元の歴史を知っていただくためと
市民(子どもたち)が地元で活躍した人物を知ることが
地元愛を育むきっかけとなると思うから。
2013年の時点では、移封されて悲しい晩年をおくった
正則公を描くよりも、小布施に越してきて一年後
死因不明で亡くなった忠勝公のほうに触手が動き
「石の城」を執筆したのだが
今年は主催者から「福島正則公を主人公に」とご依頼が。
そこで、スケジュール意の合間をぬいつつ
もう一度正則公のエピソードを聞き取り調査し始めた。
K館長さんに正則公に纏わる話と資料をご提供いただき
ようやく方向性が定まって、いざ書き出そうとした頃
総文祭関連の事務作業が急激に増えて・・・
しかし、今年は総文祭の本番が8/6にあるため
台本脱稿時期を遅らせるわけにはいかない。
死に物狂い・・・というのはまさにあの時期の私のこと(笑)
何とか書き上げたが、主催者から修正依頼が入り
簡単に修正できる内容であればよいが
根本を覆すような修正に関しては状況的に難しい・・・
ないがしろにしているつもりはなくても
総文祭推進室からは、総文祭を一番手に考えて欲しいと言われ
小布施実行委員会からは、野外シアターを一番に考えて欲しいと言われ
どちらも立場を考えれば当然のこと。
要するに私の力量の問題・・・
4月~6月上旬にかけては板挟みのような心境に苛まれていたが
真摯に丁寧に一つずつ仕事をしようと決めて
ただひたすら、それぞれの仕事に取り組む日々。
5月に佐々成政おもてなし武将隊の仕事が入っていて
私も演出チェックのために、初日は現場へ同行し宿泊予定だったが
どうしても時間を取れず、大町市のご担当者に事情を説明して
宿泊をキャンセルしていただき・・・
この一日を逃すと命取りになる・・・そんな切羽詰まった状況だった。
一日一日を大切に・・・そして効率的に仕事を進める・・・
おかげで事務仕事、台本製作、チラシ、パンフ製作のスピードが上昇。
人は追いつめられると通常以上の能力を発揮するんだね(笑)
睡魔さえ襲ってこなければどんなにいいか・・・と何度思ったことか。
そんな私を劇団員が支えてくれて、大いに助かった。
彼らが劇団と稽古場を守ってくれたから今がある。
ただただ感謝!
大きな仕事を成し遂げるためには大勢の素晴らしいスタッフが必要だ。
総文祭の裏側にもプロフェッショナルな人々が大勢働いていて
小布施野外シアターの裏側も劇団員、研修生の他
能力のある客演の皆さんが協力してくださり
長野三光スタッフの皆さんが、しっかりと裏を支えて下さっている。
仕込み・バラシには大工の棟梁・酒井さんが駆け付けてくれて
ボランティアスタッフの皆さんが雨が降っても
素敵な笑顔で椅子を吹いてお客様対応をしてくださり
実行委員の皆様も稽古に足しげく通ってキャストを激励してくださって
岩松院の奥様は何度も差し入れを持ってきてくださって
N氏とSさんは稽古場確保やスポンサー依頼、チケット販売に奔走してくださり・・・
裏側で支えて下さるスタッフのおかげで
私は舞台を創造することができるし
キャストはステージで輝けるのだ。
昨年の音楽もメンターさんの作曲。
例年は、メンターさんが演奏の練習にお付き合いくださり
奏者にアドバイスをくださったり、その場で音源を修正したりして
とてもスムーズに進んでいたのだが
昨年はスケジュール的な問題もあり
音楽隊の練習日にメンターさんは参加できず・・・
とはいえ、奏者は皆さんオープンエアの経験者。
全員揃っての練習ができないまま、会場入りとなってしまったが
会場のサウンドチェックと奏者全員揃ってのリハが出来て、ホッ。
バイオリンの牧さんがいつも演奏隊をまとめて下さっている。
ありがとうございます!
声楽隊の皆さんには、ハーモニーまで作っていただき
それぞれ自主練を重ねてくださって・・・感謝です♡
昨年の殺陣は、元夢幻団員のマッチの現在のお師匠・奥住先生が
振付を担当してくださった。
音楽が出来てすぐに振付に来ていただき
僅か二日間で全ての振付をつけていただいた。
鮮やか、かつ難し過ぎず、見応えのある殺陣振付に感動!
これぞプロの仕事!
私も見習わねば・・・
瞬時にキャストの特性を見極め、可否を判断し
可能な範囲を見定めて振付をしていく。
演技指導にも通じるね、コレ。
難しいのは判断基準設定。
殺陣振付に関しては、その後も動画のやり取りで
更に加えていただたものもある。
奥住先生を紹介してくれたマッチに感謝!
小布施野外シアターの一般公募で参加が決まったメンバーを見ると
小布施町民の参加者が想定より少なかった。
町の活性化を目指すのであれば、町民の皆さんに関わっていただく必要がある。
そこで、小布施町のⅠさんにご相談したところ
宝生流能楽師の佐野登先生をご紹介してくださった。
佐野先生は小布施町にて子どもたちに「おぶせお肴謡隊」をご指導されている。
佐野先生とIさん、Sさんいにお目にかかり
先生のお弟子さんにご参加いただけるようお願いしたところ
前向きにご検討してくださると仰ってくださって感激!
とても気さくで面白くて素敵な佐野先生♡
私自身も謡を習ってみたい・・・とも思ったけど
今のところその時間は取れそうもなく・・・残念。。
本番はお肴謡隊のお子さんたちが、謡で出演してくれて好評をいただいた。
佐野先生、Sさん、誠にありがとうございましたm(__)m
昨年の舞台も東京からダンサーの淳くんがダンス振付に来てくれて
本番は淳クンと千佳ちゃんの美しいバレエが華を添えてくれた。
実は本番直前に千佳ちゃんに大変なことがあって・・・
それを乗り越えて、本番で美しい舞を披露してくれた千佳ちゃんと
千佳ちゃんを支えてくれた淳くんに深く感謝・・・
この事件が、主役・ケンジの演技に良い影響となって現れて・・・
役者の内面が動けば、演技も変わるのは当然のこと。
役者は、こういう経験を積んで良い役者になっていくんだよね。
一般公募の皆さんは、例年以上に明るくて前向きで
稽古場にはいつも活力が溢れていた。
昨年は大人のリピーターは少なめだったが
小学生はリピーターが多く、全体の水準が上がったように思う。
継続は力なり!
一年に一度の市民参加の野外劇
一生の思い出に一回だけ参加するというのも良いけれど
継続して参加していただければ、自分自身の成長を感じることが可能。
大人になると、何か習い事や目標でもない限り
自分の成長を感じられる機会は少ないんじゃないかな。
スポーツで達成感を得るには勝つことが必要だけど
演劇の場合、コンクールやコンテストでもない限り、勝敗は関係ない。
自分がやった分だけ成長するし、体力や声、滑舌の変化はわかりやすく
出来るようになった自分を体感できる可能性が高い。
まあね・・・
自分が出来ないことばかり見る癖のある人は
これが難しくて、残念だなーと思う時もあるが・・・
この市民野外劇は、継続することに意義がある。
継続は力なり!(2回目だわー)
こうして迎えた本番は、例年以上に好評で
来年も継続してほしいという声が
あちらこちらから聞こえて来て・・・
ご支援とご尽力を賜りました皆様に深く感謝申し上げます。
そして、劇団員、研修生の皆さん
見えないところでたくさんの仕事をしてくれたね。
本当にありがとうm(__)m
これからもよろしくお願いします!
今年も小布施野外シアターを開催する方向で進行中♪
Nさん、Sさん、小布施町文化事業活性化委員会の皆様
今年もどうぞよろしくお願いいたします!
2月~3月にかけて一般公募が始まることでしょう。
皆さん、奮ってご参加くださいm(__)m
ご縁が繋がる良き機会でもありますよ~
PS.昨年9月末にオープンエアで知り合ったお二人が晴れて結婚♪
夢幻の団員やオープンエア関係者が結婚式に招待され
みんなで野外シアターで踊った全員ダンスを踊りました。
素敵じゃありませんか、こういうの(*^▽^*)
野外劇ファミリーが増えたらいいなぁ~なんて思う元旦の夜=^_^=