蜜柑のつぶやき ~演出家の独り言~

NPO法人劇空間夢幻工房の演出家/青木由里の日々の呟き。脚本執筆・役者・ワークショップ講師も兼業する舞台人日記♪

劇空間夢幻工房 創立25周年記念公演「ISHIN version.2024」

NPO法人劇空間夢幻工房 創立25周年記念公演
タイトル 『ISHIN ~狼たちは最果てに~ version.2024』
脚本・演出 青木由里
出演 青木賢治/栗生みな/村松沙理亜/清水まなぶ/井田亜彩実/導星ゆな 他

日時 2022年9月8日(日)11:00~/15:30~
会場 飯山市文化交流館 なちゅら 大ホール
チケット予約フォーム:https://www.quartet-online.net/ticket/ishin2024

皆さまへ感謝を込めて晴れやかに開催‼
どうぞお楽しみに‼

師匠という存在

2016年02月08日 20時38分53秒 | 日記
昨年から、師弟関係について再考する機会をいただいた。
そのため、折々に考え続けている。

師匠とは・・・(コトバンクより)

1 学問または武術・芸術の師。先生。
2 歌舞音曲などの遊芸を教える人。
3 寄席芸人に対する敬称。

師匠か技術や作法を教わったり、お共に使える人は弟子と呼ばれる。

伝統(古典)芸能や武道、芸事、芸術の世界には
師弟関係が多く存在する。

私も日本舞踊は今は亡き藤間伊千康師匠に学んだ。

現代演劇というのは自由度が高いため
師弟関係は成立しにくいかもしれない。

以前、所属していた劇団では
演出家と役者が、師弟関係を結んでいたが
私はあくまでも「先生」と呼び続けた。

それは何故か―

私自身、演出家を師匠と呼べるだけの
準備が整っていなかったから。

師弟の契りは、強くて太くて重いのだ。

だからこそ、修得出来る領域があると
私は思っている。

全身全霊で師匠から学びを乞うには
それを実行できる環境を整える必要がある―
と、その頃の私は思っていた。

師匠から弟子へ受け継がれるモノは
技術、心得、作法、生き方、であろう。

技術、心得、作法が明確な分野であれば
それはもう、師匠について学んだほうが
圧倒的に上達は早い。

武道においては、危険が伴うものだけに
特に上記は非常に必要だと考えていた。

現在、夢幻の殺陣アクションを指導するケンジ君は
合気道の師匠・T氏のもとでご指導を受けている。

T氏は、合気道の技術はもちろんのこと
社会の仕組みや様々な視点を示唆してくださる。

私にとっても人生の師匠のような存在である。

技術の裏には生きざまがあり
否が応でも生きざまが現れてしまう。

それがバックボーンであり
それがフォルムを生み出し
それが存在感となる。

先日、偶然にもあるTV番組を見た。

滅多にTVを見ることがない私だが
この時は、途中で席を立つことが出来なかった。

その番組とは―

『密着!中村屋ファミリー大奮闘2016
 ~勘三郎との約束&七緒八4歳・哲之2歳も大暴れSP~』

「中村屋」という大看板と歌舞伎界を背負う
中村屋一家に密着する番組だった。

勘九郎・七之助兄弟が亡き父との約束であった
「平成中村座」の復活を果たすために奮闘した
2015年も振り返った映像で溢れていた。

頼りにしていた勘三郎氏のの盟友・坂東三津五郎さんの他界―

親子3代にわたり世話をしてもらっていた最古参94歳の
勘三郎氏のお弟子・中村小山三の逝去―

数々の試練が立ちはだかる中、支え合いながら
走り続ける兄弟と家族を、スタッフ・キャストが支え
素晴らしい舞台を創出していく。

芸を磨くとは、こういうことなのだ―

厳しい鍛錬を重ね、師匠や先輩の演技をソデで盗んで
日々研鑽をしながら心技体を磨く―

自分自身を振り返り、あれやこれやで
役者修業を疎かにしていたなぁと猛省。

体も声も体力も…そして心も…

薄っぺらなメッキは、磨いた途端にはがれちゃう。
そして、メッキの下に隠れていた裸の自分が現れる

裸の自分と向き合い、役と対峙すると見えて来る。

・自分と役との共通点
・自分と役との違い

見極めるポイントは

・環境
・性格
・価値観

そして、明確になった役と自分との溝を
少しずつ埋めて、距離を縮めて行く。
そうすれば必ず役に近づく事が出来る―

限りなく役の人物に近づくことこそが
役者としての任務。

そして、自分と異なる人生を体感できるのが役者の特権。

人間の一日に持ち時間は24時間。
これは皆平等だ。

だから―

高みに行きたい人は、一つに絞ったほうがいい。
そして良き師匠について学ぶといい。
そうすれば、必ず何かを獲得できるはず。

私は日舞と人生の師匠はいるが
演劇の師匠と呼べる存在はいない。

そうはいっても、教えを乞わなかったわけでなく
尊敬する先生や、演技術から演出手法
芝居において大切なことなど
多方面でご指導をいただいた先生方はいる。

いずれの先生方にも大変良くしていただき
心から感謝している。

中には、亡くなられた先生方も何人かいらっしゃって

先生方がいつも天から見守ってくださっている―

と感じる出来事が多々あって
日々感謝しながら活動に励んでいる。

私がご指導をいただいた先生方を
師匠と呼べないのは―

先生方のそばで学べる環境を
作ることが出来なかったから。

それが出来ていたなら、もしかしたら
師匠と呼べる方がいたかもしれない。

それもこれも、役者であるなら…の話。



現在の私の目的は、演劇を広めること―

故に今は役者業一つに絞るわけにはいかない。

けど…

だからって、高みを目指さないということではない。

矛盾しているようだけどね(笑)


自分に許された時間を最大限生かし
目標に向かって、高みを目指す。

手抜きはしない、どんな状況でも…

それが私の生き方.。o○


あ、ただ年齢も年齢なので、健康だけには気をつけねば!

無理がきく年齢でなくなっているのが残念だが
年齢相応の頑張れる範囲を見極めていこう(笑)