山添村葛尾(くずお)の簡易水道施設
奈良県山添村は、ご存じと思いますが山と谷の地形が織りなす風光明媚な村です。
さわやかな味の大和茶が生産される所。
平成の大合併で、どことも合併をしない判断したした大変に珍しい村でもあります。
さてこの村には、上津(かみず)ダムがありますがこれは農業用のダム。
大きな川は無く、山水・沢水を頼りに水道事業を行っていくしかありません。
飲料水用のダムは無いし、何処のダムにも参画して居らず、自前の水源だけで運営している所が、某伊賀市とは違う所です。
伊賀市島ヶ原で水道事業説明会があったとき、近年で経った1回の渇水で苦労した話が強調されましたが、
ここを訪れてみて、島ヶ原(或いは伊賀市)は山添村に学ぶことがあるのでは?と、思いました。
なんと18箇所に及ぶ簡易水道があり、集落で水道組合組織を作って運用して居ます。
将来の水需要予測はだんだん減ると言うご認識をしっかり持っている山添村。
人口の変動グラフは、減少傾向をリアルに表現しています。ここも某伊賀市と違います。
この激しい人口減少の中で、敢えて合併を選ばなかった山添村民のお目の高さには、脱帽します。
合併すれば、大きな市からの軋轢に悩まされるだけのことでしょう。
平成の初め頃に、山添村の水道事業として当時の厚生省からの指導と助成をうけて、簡易水道は設置されました。
ここ葛尾は 最適地を選んで 土地は当時区長だった土地を無償提供され出来たそうです。
葛尾集落わずか8軒の簡易水道としては、立派です。 未だ20年しか経っていません。未だ未だこの先も現役だとのこと。
伊賀市は25年しか使っていない水道施設(例 槇山)を既に廃止に追い込みました。 この違いにご注目!
下に見える川は、名張川。
簡易浄水場のある所を更に登った所に取水口があります。
途中には、手入れが行き届かず荒れた山々。
荒れたままでは、いつまで山水はもらえるのか? 山添村の今後の課題の一つかと。
葛尾水道事業の詰めで奔走した当時区長の浜田さん
ここで、川の水をちいさく堰き止めていました。
とてもきれいな山水を取っています。 おいしい水でした。
山水ですから、緩速濾過か急速濾過方式をとって、さらにいくら汚れが少ないとはいえ塩素消毒で浄水されて、配水されています。
因みに水道水の定義は、「日本の水道では蛇口地点で塩素が0.1mg/L以上含まれていなければならず」なのです。
山添村全てがここ葛尾のような沢水か、あるいは深井戸による水道事業。
山添村民の水道加入率はほぼ100%。
気になる水道料金ですが、 今までは組合それぞれに料金設定があったのだそうです。
この4月から、村内全て統一料金になると言ってました。
4年も掛けて統一料金の協議が行われたとの事です。
「4年も協議重ねた」と、いうところが丁寧な行政だと思いました。
基本料金ひと月あたり、2,000円(10立方までを含む)/月。 さらに1立方ごとに100円と決めたといいました(消費税別)。
基本料金は少しお高いと思いましたが、基本料金以内で事足りればラッキーであり、増えてもその分の料金は低く設定されています。
ここも伊賀市と違う所。
伊賀市の料金態勢は、 使えば使うほどに高くなる設定でありますから、水をたくさん使う企業は来ると思えません。
井戸と併用のご家庭も、あるそうです。
更に5年後には村役場に水道課を設置して(今まで無かった!)、検針や料金徴収・水道施設の管理など行う予定だとのことでした。
以上で山添村水道事業の報告をおわります。 いかがでしたか?