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説明する水道部席(阿山会場)
去年度最後の議会で承認された伊賀市水道事業基本計画(水道ビジョン)は、市民に対して各支所等で閲覧とインターネット閲覧が出来ると言うだけに なっています。
2008年度に策定された伊賀市1回目の水道ビジョンの冊子は、水道部に希望すれば手に入ったのですが
このたびの冊子は希望しても頂けません。
それほどに 命の水について市のたてた方針は、市民から遠い存在に置かれることになりました。
伊賀市として2回目となった水道ビジョンの策定委員会(都合9回)では、委員さん達のがんばりがあって中間案の地域説明会が各支所毎に開かれました。
そこでは思いも寄らない市民の声がたくさん揚がった事は前のブログに出させて頂いてます。http://blog.goo.ne.jp/mtomiga/e/7fe54be08e9554f5206c2383a0519f02
また、水道ビジョン冊子の中に 大事な資料を盛り込むことになりました。 ところが策定期限について、
3月議会にてどうしても承認されたかった水道部は、質問や審議を途中で打ち切り、最後には策定案の採決をとって賛成多数(反対3)で”策定委員会終了”としました。
そしてこのお盆1週間で伊賀ケーブルTVにて水道部は策定された基本計画のPRを放送しました。
さらに、市内2箇所(伊賀地区と阿山地区)で事業基本計画の説明会があったのです。 (伊賀町会場)
配られた資料は、水道ビジョンのダイジェスト版(ピックアップしたのも)と、こちら(阿山会場の場合)です。
中身は、この様になっていました。 会場で出た質問を織り交ぜて報告します。
①『水源施設と整備計画」では、”ゆめが丘浄水場を最大限に活用した水源施設の統廃合”。
伊賀市の全地図を示して21箇所の浄水場が14箇所に。32箇所の水源が20箇所になる計画を現しました。
耐震化率の高い(運用して7年ですから当たり前)強靱な施設であると強調しました。
今度造る時は300億か? ーーー費用の話は、②です。
同時に いまある水源と浄水場の問題点も示しました。
伊賀町の朝古水源は、今年の渇水によって給水不足が52日あり 鴉池(予備水源)から補填された事が報告。
鴉池は初めからその為にある水源なのに、朝古水源がいかにも水量不足かを 水道部は強調しました。
阿山の槇山水源は、アルカリ度が高くて調整が難しいと報告。 水道部はいかにも難儀な事を言います。
中間案報告会では、砂が貯まって仕方がないと言って居ましたが今回 それは言いません。
貯まる砂を取りに行けないだけかと、突っ込まれたらそれでおしまいですから。
②水源施設と整備計画では、
伊賀町の朝古水源は運用廃止。 川上ダムが完成するH35年からは、100%ゆめが丘浄水場の水に変わる。
導水管は途中までしか来て居らず、これから伸ばす工事をする。
同じく瀧川水源は規模縮小。 川上ダム完成するH35年からはゆめが丘浄水場と混ぜた水が給水される。
川上ダム完成後のH35年から100%ゆめが丘浄水場の水に変わる。
さて「費用比較」の説明が次にありました。朝古と滝川と玉滝の資料をくっつけて一枚の写真に撮ってアップしました。
ゆめが丘からの送水コストが従来の水源利用よりも安価に示されている事への疑問の声が、わき上がらざるをえない示し方です。
特に、玉滝浄水場を比べた場合に片やゼロ円ですから ゼロ円とはどういうこと? になります。
質問 ・継続利用した場合の費用はどうやって計算したのか、見積もりを取らないのは疑問。
・ゆめが丘浄水場やダム水利権負担額が計上されてこその 費用比較ではないのか?
・ゼロ円はないやろ、誰も納得しないよ。
会場では、水道部からの明確は返答はありませんでした。
次に、それぞれ「浄水場の取水現況と施設の問題」が示されました。
朝古に付いて、降雨状況によって取水出来ないが鴉池のある岡鼻水源で水量は賄われている。施設は更新時期を迎えるほど古い。
西の米川ダムのある丸柱水源では、近年配水量の増加・許可水量の上限ぎりぎりに取水していると示して、そのうちゆめが丘の水が配られることを暗示しているかのようでした。
なぜか? ダムの水利権(毎秒0,358t)を減らさないからです。減らせるのに伊賀市は何故かその交渉をして来ません。今まで同様 水源を廃止していく道を直進中です。
次は③です、「水質検査データ」が示されました。
要は、ゆめが丘浄水場の水は美味しいのか?です。
硬度・水温・残留塩素・総トリハロメタンなどを、伊賀市内の水源11箇所で比べています。
何時どんなときに取ったデータなのか解りません。
伊賀市内の水源同士で比べても、何の意味はあると言うのでしょう。
また 「人の五感で感じる美味しさは必ずしも当てにならず 科学的データで比べた」と説明者は言いました。
意見 ・五感で飲み比べ データを積み上げてきた水と緑のこのグラフ への対峙だと 感じました。
私達は100歩譲って、それでも今の水はは未だマシだとおもいます。
しかしH35年に川上ダムが完成すれば今の水の美味しさは保てないと水道部さんは、解っていながら意味のない 調査をしたと思いました。
次は2) 「収支計画と水道料金の見通し」です。
収益的収支(単年度収支)では黒字になる計画と しました。
ここに水道部さんのまやかしをみます。
収入項目に他会計補助金が0,9億、その他で0,8億ありますが、何処からの収入でしょう?
他会計補助金は伊賀市の一般会計からではありませんか。すでに水道会計の3分の一(上限いっぱい)が参入されており、この先15年もそのようになって居ます。
独立採算されるべき水道会計が、伊賀市の場合 ”黒字”と言ってもこの状態では”依存型会計”と言わざるを得ませんし「市民サービスを圧迫している水道事業」なのです。
資本的収支(長期の見通し)では、企業債(借金)を 1,8~2,9億円も当て込んでも、 毎年10億円以上の赤字になっていました。
資本的収支の赤字補填には、単年度収支で出た黒字(毎年3~4億)と、内部留保(15年後に41億円)から補填されるとしました。
これには策定委員会の学識経験ある大学教授の委員が、内部留保を使うことへの懸念を策定委員会で示して居ましたが、伊賀市水道部は計画を押し切りました。
質問・「内部留保を使って高い水道料金の改善が出来ないか」の質問が伊賀会場で出た時に、「内部留保は将来のためにとっておくべき物で水道料金改善には使えない」と回答しました。
15年後に41億円の資金では ゆめが丘施設の更新費用をどうやって賄えるのか。不安がいっぱいの水道部だと感じた次第です。 15年後には、その時の水道部が水道料金を上げるしか 方法はないと思いました。
「収入計画と水道料金の見通し(参考資料)」これで最後です。
水道料金収入は、なんと伊賀市の場合 15年間ほぼ横ばい(26,9~26,0 億円)になっています。
ここに人口予想グラフがなぜか付いてません。
人口数と水道収入は比例する物です。まして、高齢化率の高い伊賀市です。高齢者は者は水道使用量が少ないです。
質問・将来の人口減少予測についての質問に対して、「伊賀市が減少を食い止める努力をしていますから料金収入は落ちない と予想した計画」と回答しました。
意見 伊賀市の人口は官民一体で努力されておられるそれ以上に減少している事は事実なのに、人口減少予測をあま~く見て居る水道計画と言わざるをえません。
質問・「時節柄、資材の高騰・人件費の高騰があり得るこれからの川上ダムの総事業費を、相変わらず5年前の1180億円で見積もっていますか」の質問に対して、「1180億円でダムは完成すると考えている」と水道部は回答しました。
”ダムは小さく産んで大きく育てりゃお手柄”とされるのが常で、奈良の大滝ダムは最後は20倍になった事からみても、
水資源機構がこの5年余り総事業費を言い直していない実情からみても、空恐ろしい気がしないでもありません。
突っ込みどころがいろいろとあった二つの説明会場でしたが、阿山では時間が超過しても質問は止まず、納得した参加者は一人も居らず、司会者は途中でありましたが打ち切りました。
打ち切りの直前に、水道管理者北山氏が「責任持たせてもらいます」と発言しました。 水道ビジョンにこの方の挨拶文が載っています。
責任持つとは、この水道計画で何か市民に対して不都合が生じた場合、ということでしょう。
滅多に口になさらない行政自らの責任問題発言でありますから、 ビックリしました。 しかし、
管理者お一人で責任が取れるどころか、将来の職員退職金は出ないのでは無いかと覚悟すべきだとおもいます。
責任とると覚悟を示して策定しなければならなかった水道部の苦悩(外部圧力?)を、見て取れた思いです。
基本計画15年を待たずに結果は出るのではと 思います。
区を上げて反対した阿山と伊賀だけに説明して済ませるとすれば、不公平です。
中間説明会で反対意見は何処の会場でもたくさん出たわけですから、他の4地区での開催を要望して行きましょう。
「川上ダム通信9月号」によると、伊賀市長を始め議長達が水資源機構本社(埼玉)へ出向いて要請活動をしたそうです。
ダムの早期完成が主な要請で 費用を安く上げてもらう事は付け足しでした。 これは間違って居ると思います。
実労していない役人にまで支払って来ている人件費の問題を明らかにして、払い戻し願うことも遣って頂いたら良かったと思いました。
公費を使い大名行列のように大勢で行き、効果は果たして何だったのか? とおもうところです。
超長文になりまして恐縮です。
おつきあいいただきまして ありがとうございました。
私達は、パタゴニア日本支社から助成を受けて活動を行っています。