待ちに待った雨で潤う苔
映画「水になった村」の大西監督と、元官僚で前淀川水系流域委員会委員長の宮本博司さんと、第七劇場のスタッフはコーデイネーターとして3人が舞台に上がりました。
映画で写らなかったおじいさん・おばあさんの取材の様子とか、大西監督の思いが聞けました。ダムの恩恵を受けて暮らしている人に、電気・水を造っている現場でこんな人たちの暮らしがあったのよと、ただ知って欲しかったと。お説教ではなかった。だから、たくさんの人の心にしみこんでいくような映画ができたんだ。
いまもっともタイムリーな映画だったようで、100人位しか入れないちいさな劇場だったから補助席いっぱい出して、立ち見も出たようでした。
宮本さんには、ずきずきとした質問がヤッパリあって今が今だけに。
官僚だった宮本さんの人生を180度変えた出来事は、苫田ダムにあったそうですが、変わりたくても変われない人が圧倒的に多いのに、官僚としての宮本さんが180度転換したいきさつーこれは何というか、リアルタイムでお話聞けるなんてそうそうあり得ないことだと思います。
同じダム官僚の中で自ら命を絶った人のこと・ダム水没者の中にも同じく絶った方が居られることなど、宮本さんはドロドロした地獄を見て居られてなかなか私ごときには聞き取れない世界を生きておられます。
これは、もしかすると他国を攻め入った戦争と同じではないのか! 自分の手は汚さずにダム建設を命じて造らせた張本人や、そのダムで儲けた人はどこかできっと生きているはず。なにやら、本当の戦犯はぬくぬくと戦後を生き抜いたアレと似ているではないのか。そう思う。
これ以上代替え出来るダムまで造らせては、絶対にいけない。