忙中閑あり・・・ 出かけてまいりました~(*^_^*)
午後の数時間 新幹線で福島へ 福島と言えば23日が最終日 東日本大震災復興支援
そうです・・・・・ そうなんです プライスコレクション江戸絵画の美と生命
甚大な災害に見舞われた日本にとって必要な手助けは何か・・・
プライス夫妻は瓦礫の中で泥をかぶっていた一本の梅の木に花が咲き 桜や水仙も花をつけている様子に涙が止まらなかったそうです
美しいもの、たくましい生命力にあふれたもの、自国の歴史と文化を背負った日本人が忘れてはならない誇り
それらが日本の人々に元気と勇気を与えると気づかれたそうです
2006~2007年に東京・京都・福岡・名古屋で「最後の里帰り展」としていたプライス夫妻が
再びコレクションを日本で公開することを決意してくださいました
その熱意に賛同し国内の博物館・美術館・文化庁 各企業の協力により
震災で被害を受けた三県 宮城→岩手→福島で開催される運びとなったそうです
ダーさまと福島でしたら新幹線で1時間弱
「時間をつくってお出かけしましょうね」と話しておりました
今日実現できました
新幹線西口には「和」の文字のモニュメント
タクシーで15分ほどで緑濃い木々に囲まれた広々とした県立美術館に到着
車中、運転手さんに伺うと「 午前中は入場券を購入する列が道路の方まで並んでいましたよ。 これからだったらそんなに時間はかからないと思いますよ」とのこと
並んだのは20分ほど・・・ 心地よい風の中の待ち時間
猛暑・酷暑の中で1時間~1時間半は辛いので 少し秋めいてきた頃を見計い しかも15:00ごろから・・・ わが夫婦にとっては正解でした(*^_^*)
宮城・岩手・福島の三館の学芸員の方が集まり知恵を絞り 展覧会の題を決め コレクションの展示方法を話し合い
プライスご夫妻の願いに沿って 子供たちや美術の展覧会になじみのなかった方々にも見ていただきたいと工夫を凝らされたそうです
第一章 ようこそプライスワールドへ
1: 目がものをいう
おどけたような「岩陰からのとら」 見得を切るような「のし歩く軍鶏」 眼力の座禅一筋の「だるま」さん
嬉しそうに鏡の中の美女を覗き込む閻魔さま等々
2: 数がものをいう
雅煕の色々な姿をした百ものおたふくさん「福が百」の脇には
絵本「ウォーリーを探せ」のように このおふくさんどこにいるかわかるかな?と3体のおふくさんが・・・
思わず探してしまいましたわ(^_-)-☆
中住道雲の「松・竹・梅にあつまるたくさんの鳥」 とっても多くて数えきれませんでした
若冲の「果蔬涅槃図」
昔から多くの絵師によって描かれているお釈迦様がお亡くなりになった時にお釈迦様を慕う人々や動物が周りに集まり嘆き悲しむ姿を
若冲は人物や動物を野菜に置き換えて描いています
若冲の「よりそうツル」
視覚のトリック・・・何羽かのツルが寄り添っているのですが 頭を下げたり・上げたり 首を曲げたりいろいろな姿で密着しているので
どのツルの頭か足か 一見しただけでは???
3: 〇と△
二つの物を対比させながら描いた絵 このコーナーでは3つの屏風(左右の屏風の対比)
白いゾウと黒いウシ 雪の日の白いウサギと黒いカラス 春のムギと秋のイネ
第二章 はる・なつ・あき・ふゆ
酒井抱一の12の月にちなむ花や鳥を描いた12のお軸
六曲一双の満開の梅の花の屏風 夏のアオギリと秋のカエデ双幅 六曲一双のヤナにかかったアユとカニ
第三章 プライス動物園
ネコを参考にしてトラを描いたり 虎の皮の敷物を手に入れリアルな毛並みの円山応挙
空想のライオン(唐獅子? 獅子鼻・黒々とした渦巻き毛 モップのようなしっぽ)
長沢芦雪の牡丹の花と孔雀
第四章 美人大好き
江戸ガールズコレクション 清楚に・・・ 粋に・・・ 艶やかに・・・ その一瞬を描き止め
髪型や着物のその時代の流行など思い浮かびます
第五章 お話聞かせて
画家たちがストーリーの特定の場面を取り上げて 続き物語を読み聞かせるように描いています
源氏物語・七夕伝説・源の頼光の鬼退治のお話・狐の嫁入り など
第六章 若冲の広場
いよいよお待ちかね若冲ワールド
江戸時代中ごろ京都の青物問屋の跡継ぎとして生まれ 家業の傍ら絵を描くことに情熱を傾け 40歳で弟に家督を譲り
はじめ狩野派に学び その後中国の絵画の模写や実物性と装飾性をもつ独特の画風を貫き85才でなくなるまで創作活動が続きました
今から50年ほど前に若沖の「ブドウの木」と出会ったプライス氏・・・
東洋の水墨画に興味のなかった氏の心を捉え 「誰が描いたかより 美しいと思うことで絵画を求める唯一の理由になる」
ここがプライス氏のコレクションスタートのエピソードとか
水墨画のツルさまざま「鶴屏風図」六曲一双 まるの形自由自在 ひと筆で素早く書かれた筆のスピード感 手直しが効きませんよね~
松に鷹の図 親鶏と雛図 芭蕉雄鶏図 鷲図
花鳥人物図屏風」六曲一双
足をなめるトラ「虎図」 竹と梅と二羽のツル「竹梅双鶴図」 日の出を告げるオンドリ「旭日雄鶏図」
紫陽花の花と二羽の鶏{紫陽花双鶏図」
第七章 生命のパラダイス
86000個もの桝目に色を埋める気の遠くなる作業の果てに完成した作品
江戸時代の人々にとって身近な生き物だけではなく 遠く外国の生き物 そして想像の生き物も描かれています
白い象と華やかな色彩の鳳凰を中心に仲良く集う楽園 ユーモラスな形と明るく強い色彩で描かれた楽園には生命の輝きが満ち溢れています
多少の混雑がありますが ガラス越し&白線の外から すぐ真近で鑑賞することができ
疲れると所々にある 外の緑を眺めながら 椅子5~6客の休息用ブースでひと休みしながら ゆっくりじっくり鑑賞いたしました
陰り始めた秋空を眺めながらのんびりタクシーを待ち
車窓からは暮れなずむ夕陽を眺め ここのところ忙しい日を送っておりましたが 忙中閑ありの充実した午後を過ごすことができました
日本人として プライスご夫妻の日本に対する愛情とご厚意に感謝申し上げます
図録の表紙・裏表紙を開くと 震災に合った子供たちの笑顔と一言が記載されています
*展示会カタログより抜粋させて頂いております