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小学校におけるプログラミング教育

2019-04-18 21:16:00 | プログラミング教育
コンピュータは、私たちの生活の中で様々な場面で活用されています。コンピュータは、人間が「プログラム」という形で命令を与えることにより動作しますが、より効果的に活用するためには、その仕組みを知ることが重要です。一方で、諸外国では初等教育の段階からプログラミング教育を導入している動きがあります。このような情勢を受け、日本でも2020年度から小学校におけるプログラミング教育を導入することが決定しました。

1.プログラミング教育のねらい
大まかにまとめると、「① プログラミング的思考を育むこと」,「② プログラムの働きやよさ、情報社会がコンピュータ等の情報技術によって支えられていることなどに気付くことができるようにするとともに、コンピュータ等を上手に活用して身近な問題を解決したり、よりよい社会を築いたりしようとする態度を育むこと」,「③ 各教科等の内容を指導する中で実施する場合には、各教科等での学びをより確実なものとすること」の三つが挙げられます。プログラミング言語やアプリを制作する技術を習得することを、主たる目的としているわけではありません。
プログラミング教育は、算数や理科などの授業に取り入れることや、各教科とは別枠で実施することも可能であり、その方法は学校の裁量に委ねられています。学習指導要領には「プログラミングを通して、正多角形の意味を基に正多角形を描く」,「身の回りには電気の性質や働きを利用した道具があること等をプログラミングを通して学習する」などの例が示されています。プログラミングを通して、その楽しさや面白さ、ものごとを成し遂げたという達成感を味わうことで、コンピュータを上手に活用する意欲を高めたり、各教科の学びがより充実したりする効果が期待されます。

2.「プログラミング的思考」とは?
「自分が意図する一連の活動を実現するために、どのような動きの組合せが必要であり、一つ一つの動きに対応した記号を、どのように組み合わせたらいいのか、記号の組合せをどのように改善していけば、より意図した活動に近づくのか、といったことを論理的に考えていく力」とされています。
例えば、図1のように「ある地点にいるロボットに動作の命令を与えて、1辺の長さが100cmの正三角形を描きながらスタート地点に戻る」プログラムを考えるとします。


図1 1辺の長さが100cmの正三角形

この動きを実現するためには、「前方に進む」,「その場で回転する」という動きを適切に組み合わせる必要があります。図2に、作成例を2パターン示します。


図2 プログラムの例

それぞれの方法は異なりますが、正三角形の「辺の長さが全て等しい」,「内角の大きさは全て60°」などの性質に着目して、それを基にプログラムを作成する点は共通しています。このように、プログラムを作成するときは、一連の動作からその性質や規則性を見つけ出すことが重要です。
正三角形の内角の大きさは60°ですが、②④⑥で60°回転すると正しい動作になりません。意図する動作を実現するためには、「なぜ失敗したのか?」,「何度回転すれば正しい動作になるのか?」,「より簡潔にプログラムを作成することはできるのか?」という疑問を持ち、修正や改善方法を論理的に考えて試行錯誤することが大切です。

3.外部の人的資源の活用
小学校の先生方には、プログラミングの経験がない、または苦手な方もいらっしゃるかもしれません。私の経験では、理系の学生でもプログラミングが苦手な人はいました。プログラミング教育の充実を図るために、外部の企業や団体と連携することは有効です。
千葉県柏市では、コンピュータの基本操作に慣れている市民ボランティアを募集して、教師の補助や児童の個別支援を担う事例があります。秋田県では、「秋田県プログラミング教育人材バンク」を作成しており、必要に応じて人材を活用できる体制を整えています。

4.あとがき
プログラミング的思考と、算数や理科の応用問題を解くために必要な思考は似ており、プログラミングの学習効果が他の場面で発揮される可能性は大いにあります。将来の進路や職業を決めるきっかけになるかもしれません。自分の手と頭を動かしながら、まずは自身のペースでプログラミングを楽しんで頂ければと思います。

出典
文部科学省 小学校プログラミング教育の手引
小学校プログラミング教育の手引の改訂(第二版)について[概要]
小学校プログラミング教育の手引(第二版)
美の国あきたネット 秋田県プログラミング教育人材バンク


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