「車のいろは空のいろ」というタイトルには覚えがなくても、
この中の一遍「白いぼうし」は、
小学校の国語の教科書で読んだ記憶がある方も多いのでは。
(私も子どもの教科書で読んだ覚えが。)
KFSの会員誌に隔月連載中の谷山浩子さんのエッセイのイラストを描くために
「白いぼうし」を含めて三冊の短編集を読んでみた。
だいぶ前に書かれた童話なので、
今読むとちょっと違和感があるところがふたつばかり。
ひとつは、運転手の松井さんが、知らない子どもを送ってあげようと
自分の車に乗せてあげるところ。
知らないおじさんの車に乗ってはいけません、と言われて育った
今の子どもたちにはそんなふうに声をかけることもできない。
もうひとつは、松井さんがたばこを吸う場面が多いところ。
先日、「かがくのとも」の、喫煙シーンが多いから、という理由で
自主回収するという記事を読んで、
ここ数年で随分感覚が変わってきたなあ、と思う。
などというのは本筋とはぜんぜん関係ない話で、
いつも谷山浩子さんのエッセイを読むと深~いので
こういうふうに本質を読み取れることに感心します。
作者のあまんきみこさんは、大人に囲まれて育った一人っ子で、
おじいさんは、偉人伝
おばあさんは民話
叔母さんはグリム童話やアンデルセン童話
もう一人の叔母さんは怪談
お母さんは即席保育話、というように
毎晩今日は誰におはなししてもらおうかな、と
枕を抱えてうろうろしたとか。
この続きはどうなるのかな
とわくわくしてページをめくらせるおはなしの力は
こうやって培われたんだろうなー。
大晦日、約20年ぶりに劇団四季の「オペラ座の怪人」観てきました。