今日ももたもた

絵本描いています。
たまーに更新。主に愚痴。

バーバラ

2021-02-23 17:28:00 | ノンジャンル
『約束された移動』(小川洋子著)という短編集の中の『ダイアナとバーバラ』が個人的にとてもよかった。

たった一人の孫娘が生後1年も経たないうちに、息子夫婦の離婚のため母親に引き取られ、会うことも叶わなくなってしまった。
その孫娘が10歳になって以降、ときおり自転車に乗って主人公バーバラを訪ねてくれるようになった。
孫娘は、バーバラの部屋で、持参した本を読んで過ごす。
バーバラは、ダイアナ妃の写真を見て、そのドレスを忠実に再現=縫製することに情熱を注いでいて、しかもそれを着て孫娘と共にショッピングモールに行く。(孫娘に好きなおやつを奢ってあげる)

私も孫に「ばあば」ではなくて、「バーバラ」って呼ばせよう …
と思ってしまうくらい、理想の老後の生活だなぁ。
ささやかな仕事があり、打ち込める趣味?があって、孫娘がたまに訪ねてくれる。
しかもその孫娘は読書好きで(現実にはなかなかあり得ないかも)…こんなふうに過ごせたらいいなぁと妄想させられる^^;
以前どこかでこの著者が、「この物語は自分のことが書かれていると読者が思えることが大事」というようなことを言っていた。
誕生後幾度も抱っこしないうちに会えなくなったというあたりでもう「わかりますわかりますとも」でした。

他の物語もよかったです。
シュールなとこが好きです。


神戸市外国語大学魅力発信事業(オンライン講演会)で松田素子さんの話を聴きました。
その中で触れられていた茨木のり子の詩を改めて読み返し、自分を叱咤する日々。
「ぱさぱさに乾いてゆく心を
ひとのせいにはするな」
「駄目なことの一切を
時代のせいにはするな」

なかなかアイデアが浮かばないのを
コロナのせいにはするな

とは言え、どうやってみずからに水やりをしたらよいのか悩みます。

まど・みちおさんは100歳過ぎてもみずみずしい心のままなのでした。



2月13日、劇団四季の「ライオンキング」を観てきました。
友人の親戚が子役で出るということで推されて。
結構公演日間際でも席が取れ(一応密になりにくそうな2階の端の席を選ぶ)、土曜日なのに空席が目立ちました。
当たり前だった日常のありがたさを思い、熱演に至るまでの困難の数々を想像し…
パーカッションの生演奏も素晴らしくて、終盤、目から汗が出てしまいました…(^^;;

デザインあ展

2021-02-04 23:02:00 | ノンジャンル
豊田市美術館で開催中の「デザインあ展」に行きました。











↑立体版顔出しパネルという感じのオブジェ。

ここから頭を出して、梅干しの気持ちを体験できます。
一人で行ったので、頭を出している写真を撮ることも撮られることもできず、梅干しナシの弁当です。
(近くで消毒液と布を持ってスタンバイしているスタッフさんに、撮ってもらえないか頼んだら、お客さんの私物には触れない決まりになっていて・・・と断られました。)




(梅干しの視点で撮った写真)











他にも、歯車の気持ちになれるところなど、夫のぎっくり腰が治ってから一緒に来た方がよかったか...という場面も多々ありましたが、「デッサンあ」で、やっぱり描けんわと諦めがつくまで、結構長時間写生ができたので、連れなしでよかったです。
ちなみに豊田市美術館での「デッサンあ」は、トヨタのお膝元なので、武骨なエンジンがモチーフです。難し過ぎました。



圧巻は、「体感のへや」の360°フルスクリーンに映される「解散!」「森羅万象」など。

「森羅万象」は家紋をテーマにした映像でした。


さいしょは円

はな
とり
むし

しんらばんしょう

円から円

せかい (気象現象)
いのち (生物)
いとなみ (生活、人工物)

しんらばんしょう


いくつもの円が重なり合って、やがていちめんの青海波があらわれるところとか
雁金~八つ雁金車の早口言葉とか…
感動的でした!
改めて家紋のかっこよさを見直しました。
(ムカデを家紋にするなんてすごいセンスだ・・・何故?
と思って、検索してみたら、ムカデは前にしか進めない。
後退しない、前進あるのみという意味をこめて、武家の家紋や指物として採用されたとか。)












↑『思ってたんとちがう』というデザート(1,000円+税)





思ってたんより若干小さかったです。






デザインマインド
「みる」 身の回りに意識を向ける
「考える」 どのような問題があるか探り出す
「つくる」よりよい状況を生み出す

そういうもんだとかしかたないとか、見過ごしたり諦めたりしがちな自分には感心させられることばかり。




付け足し

佐藤オオキ『コップってなんだっけ?』という絵本の巻末に…
デザインとは、日常のちょっとした不便を見逃すことなく、それに対する新しい解決策を見つけること…
とあった。
感受性が枯渇していると、あたりまえとかふつうとか、日常を疑う視点もなくなってしまいそうだけど、常日頃の訓練次第かなとも思う。
まどさんが常に身の回りのものに耳を傾けていたように、常に問いかける。

『佐藤オオキのボツ本』
3週間後には5案ほど詳細なデザイン案をプレゼン。
ボツをたくさん生み出すことが大事。