日本列島旅鴉

風が吹くまま西東、しがない旅鴉の日常を綴ります。

東北縦断花見の旅 2016完結編 - はすや

2016-04-30 22:33:01 | 居酒屋
花盛りを過ぎたとはいえ大型連休の最盛期、ぼんぼりと投光器は引き続き11時まで点灯されるらしく、10時を過ぎても明かりが消される気配はありません。しかし自分にとってはもう潮時と割り切って、消灯を待たずに切り上げました。その足でやってきたのは「はすや」です。
昨日は早仕舞いで振られており、時間的には返り討ちも懸念される中、本日は明かりが灯っており一安心。先客も一組のみと落ち着いた店内です。しかるに店主は忙しそうに包丁を捌いています。よく見れば小上がりに宴会の準備がされていました。二卓とも使うということは、少なくとも片手に余る人数です。この時間から大人数の宴会というまさかの事態に遭遇し、一挙に騒がしくなったり、注文したものが間延びしたりといった展開も覚悟しました。
しかし幸いだったのは、二軒目以降の酔客ではなかったらしく、拍子抜けするほど静かだったことです。事前にまとめて準備しておいたのが効いたか、注文が滞る場面もありません。おかげで終始自分の意図した通りの間合いを保ち、0時の看板に合わせて席を立ちました。

はすや
弘前市上瓦ヶ町1-1-2F
0172-33-6981
1800PM-2400PM
日曜定休

華一風・六根・遊穂
お通し(煮貝)
刺盛り八点
新しょうがとホタルイカ天ぷら
帆立玉子味噌
大判つくね焼
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東北縦断花見の旅 2016完結編 - 最後の夜桜

2016-04-30 20:42:53 | 東北
広域農道を引き返し、そのまま弘前方面へ進んで市街に戻りました。湿地と沼が散らばる荒涼とした津軽半島もさることながら、左手に津軽平野の明かりを望みつつ、上り下りを繰り返して走る岩木山の裾野の道も秀逸でした。走っていてこれほど楽しい道もそう多くないような気がします。
車載の温度計は一時1.5度まで下がり、市街に戻った今も6度となっています。体感温度が数字以上に低いのは一日を通じて変わらず、にわかに冷えた高遠の最終日と比べてもさほどの違いを感じません。長袖二枚に雨合羽を羽織って夜桜見物に向かいます。

北海道には行かないと決めている今季、これがおそらく最後の夜桜となります。おそらくというのは、ここへ来て考えがわずかに揺らいでいるからです。これは、連休後半も花見に注ぎ込むという悪魔のささやきが聞こえているということに他なりません。
本日の状況からして、岩木山の西側の開花が最も遅い場所ならば、連休後半でも花見ができそうなことは分かりました。加えて弘前公園では八重桜が開花し始め、夜桜も引き続き開催されます。さらには今日走った津軽半島の西海岸の荒涼とした雰囲気がよく、花見云々を抜きにしても一日かけて走る価値はあるような気がしてきました。最終日の大半を復路の移動に費やすことを考えると、連休後半の三日間を使い切るに十分な題材はあるわけです。しかし結論としては、予定通り明日帰路につこうと考えています。
第一部で二日、第二部で四日、今回も三日、東北の花見に合わせて九日を注ぎ込みました。満開かつ快晴の弘前で花見をするという宿願も果たし、本来ならそこで切り上げても十分だったわけです。しかるに、おまけのような第三部でも好天に恵まれ、岩木山麓でも津軽半島でも印象的な桜を眺めることができました。さらに三日を付け加えるより、この余韻をそのまま持ち帰り、次なる旅へと目標を切り替えるのがよかろうと考えている次第です。

そのようなわけで、よほどのことがない限り、これが今年最後の夜桜となります。既に盛りは過ぎており、今更撮るべきものもほとんどありません。撮影を最小限にとどめ、しみじみ名残を惜しむことに主眼を置くつもりです。
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東北縦断花見の旅 2016完結編 - ささやかな夜桜

2016-04-30 19:21:44 | 東北
夕景を眺めるうちに残照も大分弱まってきました。しかし、弘前へ戻ろうと車を走らせると、先ほど訪ねた公園の桜並木を照らす投光器がついていました。毒を食らわば皿までも、移動の前に夜桜も鑑賞していくことにします。
夜桜といっても、弘前のように絢爛豪華なものではありません。広大な園内に無数の桜が林立する中、東西方向を貫く二百mほどの通りに並んだ桜が小さな投光器に照らされるというもので、ぼんぼり、提灯なども一切ありません。自分の知る中でいうなら、猪苗代の観音寺川を彷彿させるささやかな夜桜です。
とはいえ、このささやかさもあながち悪くはありません。日中に引き続き見物客は皆無、人通りのない園内で淋しげに佇む桜もまた印象深いものがあります。
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東北縦断花見の旅 2016完結編 - 平滝沼の夕景

2016-04-30 18:28:25 | 東北
前言撤回です。平滝沼で夕景を眺めていくことにしました。
平滝沼というのは先ほどの公園のことではなく、広域農道を挟んで公園の反対側にある、湖といってもよいほどかなり大きい沼です。ツーリングマップルRを見て、公園の反対側に沼があるのは承知していました。しかし、沿道の案内板には平滝沼の文字しかなかったため、あの公園を含めて平滝沼だと思い込んでいたわけです。しかしカーナビ上は亀ヶ丘公園との表記があります。公園と沼は別物と考えた方がよいのかもしれません。
沼のほとりからの眺めも桜越しの眺めに負けず劣らず秀逸です。手前は湿地帯になっていて、その向こうに大きな沼が広がり、対岸は荒涼とした平野になっていて、正面には主役の岩木山が鎮座します。田圃が広がり、その向こうに岩木山が鎮座するというのが、自分の知る典型的な津軽平野の眺めです。しかし、湿地と沼と寂寥たる平野の向こうに鎮座する岩木山には、全く違う趣があります。今まで知らなかった津軽の一面を発見したような思いです。
改めて眺めると、三つに分かれた頂のうち中央だけが頭一つ高く、そこから長い裾野が左右に下りていき、佇まいの美しさという点では弘前市街からの眺めよりも上のような気がしてきました。そのように思うのは、山の形もさることながら、遮るものが全くないからでもあるのでしょう。山頂が淡い夕日に染まり、日が沈むにつれて色褪せていく様子は、三保の松原の先端から眺める、駿河湾の向こうの富士山にも通ずるものがあります。
この印象的な眺めに加えて、先ほどは桜と岩木山が重なる絵柄もありました。ここまで走ってきた広域農道も、荒涼とした平野を一直線に貫く、北海道をどことなく彷彿させる快走路で、東を走るこめ米ロードとは全く違う趣がありました。本来の目的だった芦野公園に行き損なうなど、花見としての収穫こそ少なかったものの、ここまで来てよかったというのが実感です。
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東北縦断花見の旅 2016完結編 - 返り討ち

2016-04-30 17:47:40 | 東北
予定していた岩木山麓に加え、平滝沼という思わぬ収穫にも恵まれた本日の花見ですが、実はここを目当てに北上してきたわけではありません。本来の目的は金木の芦野公園を再訪することにありました。
弘前公園と並んでさくら名所100選の一つに数えられる芦野公園ですが、自身訪ねたのは六年前の一度きりです。それも、今にも降り出しそうな曇り空の夕暮れ時で、桜は全く絵にならず、この名所のよさを体感できずに終わりました。しかし、再訪の機会を度々うかがいながらも、弘前との兼ね合いからなかなか時間を捻出できずに今日まで来たわけです。それが今季、満開、快晴の条件で弘前の桜を眺めるという幸運に初めて恵まれ、その結果今日の午後については丸々時間が空きました。そこで、またとない機会と思い車を飛ばしてきたわけなのですが、残念ながらまたも返り討ちに終わろうとしています。
というのも、津軽半島にさしかかった頃から大きな雲がいくつも流れて日差しを遮るようになったからです。岩木山と桜並木が重なる絵柄も、長い間天気待ちをして、わずかな晴れ間にようやくものにしました。時間が経つほど雲は厚く大きくなっており、日没までの残り時間を考えても、再び晴れることは期待できません。目前まで迫りながらも、芦野公園は今回も見送りとします。
岩木山の山頂には一点の曇りもなく、南下すればするほど晴れてくると予想されます。今から戻れば、日没には間に合わないとしても、暗くなるまでには禅林広場に着くでしょう。そこで夕景を見届けて締めくくるつもりです。
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東北縦断花見の旅 2016完結編 - 平滝沼

2016-04-30 17:29:58 | 東北
津軽半島の西側を行く広域農道を北上中、桜並木が視界に飛び込んだため緊急停車。立ち寄るのは平滝沼です。
桜の名所という形ではないものの、ツーリングマップルRに「岩木山を眺める絶好のポイント」との記載があることからして、知る人ぞ知る名所なのは承知していました。しかし車を降りてまず驚いたのは広大さです。所々に防雪林が点在する、津軽半島らしい荒涼とした平地をひた走っていると、突如現れるのがこの公園で、芝生を中心にした園内は弘前公園の市民広場、ピクニック広場、レクリエーション広場を全て合わせたよりもはるかに広そうです。それとともに意表を突かれたのは桜でした。樹齢こそ若いものの相当数の桜が林立しており、数にすれば千本単位は行くかもしれません。しかも、散ってきたとはいえ弘前以上の花が残っています。園内を東西に貫く道沿いには投光器も設置されており、暗くなれば夜桜にもなるようです。
そして何より特筆すべきが岩木山の眺めです。南北方向に長い園内を、南から北の端まで歩いて振り返ると、山頂が狭く、裾野が広く見える南向き特有の岩木山が、桜並木の上から顔を出していました。これがツーリングマップルRのいう「絶好のポイント」なのでしょう。
不思議なのは、これほどの名所でありながら、見物客が皆無に等しいことです。花盛りを過ぎたのに加え、場所柄風が強くなりやすいのが敬遠されるのでしょうか。まさに穴場というべき名所でした。
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東北縦断花見の旅 2016完結編 - 北から

2016-04-30 16:24:00 | 東北
その後岩木山麓を時計回りに周回し、11時の位置から北方向へ下っています。冬場に走ったことはあるものの、この時期はどうしても弘前での花見が中心になり、冬以外の季節を全く知らない場所の一つでもあります。
雪のない時期に走って気付いたのは、北から眺めた岩木山の佇まいです。東側の弘前市街から眺めた岩木山が、王冠のような三つの頂を持つのに対し、南側の岩木山神社を過ぎると頂が二つに見え、西側では意表を突く台形に変わります。それでは北からの眺めはどうかというと、東からの眺めと同様三つの頂があるように見えます。しかし頂の間隔はこちらの方が心なしか狭めで、その分裾野が長く見えるのが特徴的です。
北から南向きに眺めるということは、午前から昼にかけては逆光で眩しくなるということでもあります。しかし折しも日が西に回り、お誂え向きの光線状態となってくれたのは幸いです。
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東北縦断花見の旅 2016完結編 - 蕾

2016-04-30 15:05:03 | 東北
津軽岩木スカイラインの入口とは反対方向に県道を折れると、去年発見した桜並木が現れます。まだ雪が残る田畑の中を生活道路が走り、その両側に並んだ桜が午後の日差しを浴びて佇む光景には、北国の遅い春をそこはかとなく実感させる趣があり、今回是非再訪したいと思っていたのでした。
ところがその桜はまだ蕾のままでした。昨年あった残雪がすっかりなくなっている以上、開花が早まることはあっても遅れることはなさそうなものですが。蕾の状態からして、本格的に開花するのは明日明後日以降のことでしょう。ここだけは連休後半でも十分花見ができそうです。
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東北縦断花見の旅 2016完結編 - 岩木山総合公園

2016-04-30 14:38:00 | 東北
岩木山神社を出て少し走ると現れるのが、エゾヤマザクラことオオヤマザクラの並木が続く「岩木山オオヤマザクラネックレスロード」です。その中ほどに位置する岩木山総合公園に今年もやってきました。枝振りも花の数もソメイヨシノに比べて地味、満開になっても咲いているのかどうかよく分からないエゾヤマザクラですが、なだらかな斜面に桜が一直線に並び、その向こうに岩木山が鎮座する光景は、やはり誰が撮っても様になる絵葉書的なよい眺めです。
以前ここを連休後半に訪ねたとき、至る所に残雪があったのを記憶しています。しかし暖冬少雪の影響か、今季は影も形もありません。ところがそのような年であっても、八甲田では残雪どころか新雪を踏んだわけです。あちらの自然がいかに厳しいかを改めて実感させられます。
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東北縦断花見の旅 2016完結編 - 温泉旅館 中野

2016-04-30 14:02:19 | 温泉
朝から全く汗をかいておらず、なおかつ芯まで冷え切るほどの寒さでもなく、一風呂浴びるには何とも半端な状況ではありますが、ここまで来たなら是非立ち寄りたいのが「温泉旅館 中野」です。これも偏に、ここの浴場からの眺めが秀逸だからに他なりません。
二面採光の大きな窓の向こうに夫婦桜のような八重紅枝垂が二本並んで立ち、開けた視界の彼方には残雪の山々が連なります。瓢箪型の浴槽に掛け流される、やや金属臭のする緑色に濁った源泉もよく、花見の旅においては不可欠の立ち寄り場所の一つでもあります。
大型連休の只中ということもあり、岩木山神社は駐車場がほぼ満車になる大盛況ながら、こちらの温泉は全く知られていないと見え、相変わらず先客の姿は皆無です。今年もこの絶景を借り切っての贅沢な花見の湯となりました。

★温泉旅館 中野
弘前市百沢字高田80
0172-83-2345
800AM-2100PM
入浴料300円
泉質 ナトリウム・マグネシウム・カルシウム-塩化物・炭酸水素塩泉(低張性中性高温泉)
泉温 49.8度
pH 6.9
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東北縦断花見の旅 2016完結編 - 岩木山神社

2016-04-30 13:54:10 | 東北
岩木山神社を訪ねます。弘前市街の桜がほぼ散り終わると満開を迎えるのがここの桜です。ただし、去年は食害により花が少なく、一昨年はそもそも立ち寄るこができず、その前年は同じく食害があったため、正真正銘の満開は実に四年ぶりということになります。
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東北縦断花見の旅 2016完結編 - りんご畑

2016-04-30 12:55:45 | 東北
県道を西進しつつ高度を上げると、中腹まで雪をかぶった岩木山が車窓の右手に迫ってきます。なだらかな斜面に広がるりんご畑と正面に鎮座する岩木山の組み合わせは、誰が撮っても様になる絵葉書的な眺めです。
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東北縦断花見の旅 2016完結編 - 宗旨替え

2016-04-30 12:32:20 | 東北
弘前市街を出て岩木山を目指しますが、標高を上げる前に給油を済ませていきます。計算上あと百数十km走行可能な状態であり、今日中はどうにか持つと予想されたものの、残量を気にしながら走るより、早めに給油を済ませておこうと思い立った次第です。そう考えたのは、沿道に独立系の安いスタンドが現れたからでもあります。給油を宇佐美に丸投げしている自分にとっては、珍しい宗旨替えとなりました。
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東北縦断花見の旅 2016完結編 - 禅林広場

2016-04-30 11:40:03 | 東北
田沢食堂で腹ごしらえした以上、禅林広場に立ち寄るのも必然の流れとなります。これが四日ぶりの再訪です。
三日見ぬ間の桜かな、しかもそのうち二日は雨でした。満開だった桜も一変しているだろうと思っていたところが、意外なほどに多くのは名が残っています。高台の縁に三本並んだソメイヨシノにいたっては、遠目にはまだ見頃といっても過言ではありません。大きな雲が浮かんだ空にも満開の頃と違う趣があります。弘前公園については、盛りを過ぎたと知りつつも、往生際の悪さ故に再訪したのが実態ではありますが、ここについては客観的に見ても十分絵になります。二日にわたる雨風に耐えた桜は天晴れです。
ちなみに現在の気温は9度、日が射してはきたものの、北の方から冷たい風が吹いており、体感温度は数字以上に低く、雨合羽を羽織っただけでは足りなくなってきました。これから岩木山へ向かうことを考えると、あちらではさらに一枚着込むことになるかもしれません。昨日の雪にしても今日の風にしても、五月を目前にして突如冷え込むとは予想外でした。
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東北縦断花見の旅 2016完結編 - 田沢食堂

2016-04-30 11:07:11 | B級グルメ
10時半の開店を待って「田沢食堂」に入るという流れも完全に確立された感があります。しかし明日は残念ながら定休日の日曜です。少なくとも今回の道中において、この店の世話になるのはこれが最後になるでしょう。そのような状況下で何を選ぶかと考えたとき、いの一番に浮かんだのはもちろん中華そば、次いでチャーハンでした。
中華そばにしてもチャーハンにしても、二、三日続けても飽きの来ない完成されたおいしさです。ましてや前回から三日も開けば、間違いなく候補の筆頭に上がってきます。次の機会がすぐに来るなら、たまには趣向を変えるのも一興とはいえ、これを最後に当分間が空きそうな状況下では、この二品で締めくくりたいという考えが何より勝りました。もちろん汁一滴、米一粒残さず完食です。今季も散々世話になったことに感謝しています。

田沢食堂
弘前市茂森町97
0172-33-2969
1000AM-1830PM(土曜祝日 -1600PM)
第一土曜及び日曜定休
中華そば380円
チャーハン460円
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