日本列島旅鴉

風が吹くまま西東、しがない旅鴉の日常を綴ります。

花見の旅in信州 2016 - 月の轍

2016-04-10 22:33:57 | 居酒屋
高遠での夜桜見物を終えた後、伊那に移動し投宿しました。一風呂浴びて出直したいところを、取るものもとりあえず飛び出すという流れは昨夜の松本と同様です。先を急いだのは、日曜の晩だけに呑み屋が早仕舞いする可能性を考えてのことでした。急ぎ足で駅の方へ向かって歩き、商店街との交差点を曲がると、幸いにして目指す呑み屋の明かりが見えてきました。立ち寄るのは「月の轍」です。
日曜深夜の伊那市街で明かりを灯す数少ない店の一つとはいえ、そこまでして行くほどの店かといえば、少なくとも客観的には否ということになるでしょう。背ずりの大きい二人掛けのベンチシートを四つ並べたカウンターは、居酒屋というよりダイニングバーと形容する方が合っていて、独酌の中年男には少々不釣り合いです。若い客層に合わせて品書きはいちいち長く、必ずしも郷土色、季節感に富んでいるとはいえません。その一方で、きめ細かい泡の琥珀ヱビスがうまく、数は少ないながらも信州の地酒が揃い、店長とお姉さんによる客あしらいも心地よいものがあります。この店で呑むために旅をするほどではないにしても、現地を訪ねたときには挨拶代わりに立ち寄りたいと思う居心地のよさがこの店にはあるわけです。
以上のことを、過去の記録を一切参照することなく綴りましたが、もしかすると以前にもほぼ同旨のことを申したかもしれません。要は自分の中でこの店に対する評価が確立されており、ここで呑むことも花見の旅においては不可欠の一場面になりつつあるということです。万一早仕舞いで振られる可能性を考えたとき、風呂を飛ばしてでも向かわずにいられなかったのはそのために他なりません。
日替わりの品書きにはNo.2375の文字がありました。週に一度の定休日と盆、正月を除いても、年間の営業日は300ほどになるのでしょうか。そうだとすると、次に訪ねるときは2700近く、再来年には3000に達するわけです。5000に達するのは9年後、10000は四半世紀以上も先で、その頃には自分自身がどうなっているかも未知数ではありますが、ひとまず3000の節目だけは見届けたいと思っています。

★月の轍
伊那市荒井3474
0265-76-1601
平日 1730PM-2330PM(LO)
金曜・土曜・祝日前日 1730PM-030AM(LO)
火曜定休

琥珀ヱビス×2
大信州
お通し(南蛮漬け・わかめ酢)
サゴシのフキ味噌焼き
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花見の旅in信州 2016 - 高遠の夜桜

2016-04-10 21:38:06 | 甲信越
高遠城址に上がり、一時間ほどかけて一周したところです。園内は特段混んでいるわけでもなければ空いているわけでもなく、日曜の晩としてはごく平均的といったところでしょうか。震災の年、死んだように静まりかえった夜桜を経験して、夜桜には多少の賑わいも必要だと知りました。かような観点からすると、今日の人出は実に適度です。加えて桜は依然満開、適温無風の条件も申し分ありません。
例年であれば、ここでしみじみ名残を惜しみ、10時の消灯を見届けてから車を走らせるところです。しかし今年はあと一日残っています。そのおかげで、明日は初日の積み残しを消化でき、最後は高遠でもう一晩夜桜見物ができるわけです。わずか一日とはいえこの違いは非常に大きいものがあります。三日以上を確保しようとしても、週末の前後が天候不順ならどうしようもなく、土日に無理矢理詰め込んだ去年などはまさにそうでした。それが今年は、天候のみならず開花状況までが完璧に噛み合いました。幸運に感謝しつつ、残り一日も満喫して帰るつもりです。
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花見の旅in信州 2016 - 高遠再訪

2016-04-10 19:52:57 | 甲信越
松本から塩尻までが高速道、そこから先が一般道という昨日と逆の組み合わせで高遠に戻ってきました。伊北が最寄りになるところを二つ手前で下りたのは、高速料金の節約に加え、距離も若干短くなるからです。必ずしも快走路とはいえない153号線経由ではありましたが、高速道を飛ばした場合と比べても10分程度遅れるに過ぎないため、そこそこ利用価値はあるかもしれません。
土日としては意外なほど空いていた昨日に対し、今日は夜になっても河原の駐車場が相当数の車で埋まっており、昨日と同じ図書館の駐車場に入りました。車の数からしても、夜桜は相当賑わっているのではないでしょうか。昨夜の松本と同様風がほとんどなく、10度という気温の割に肌寒く感じないのも一因のようです。とはいえ立ち止まれば寒くなってくるため、雨合羽を持って城址に上がります。
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花見の旅in信州 2016 - 老後の楽しみ

2016-04-10 18:16:17 | 甲信越
夕日が山の向こうに隠れてから一時間が経ち、次第に暗くなってきました。気温は少し下がって15度、しかし終始適温だった昨夜と違って風が冷たく、雨合羽を羽織ってちょうどよく感じられます。
名残は尽きないものの、今年はこれが潮時でしょう。もう一度カリーをいただいて昼間の借りを返し、昨夜中途半端に終わった松本城の夜桜を見物して行くのも一案ではありますが、やはり手堅く高遠へ戻ろうかと考えています。

それにしても、結局今日も積み残しが出てしまいました。アルプス公園、城山公園に行けなかったのはもちろんのこと、黒沢川の桜並木も本来ならば一、二時間かけて鑑賞したいところではあったのです。安曇野といえば、早春賦の歌碑が建つ穂高川の桜並木もよかったと記憶しており、時間が許せば久々に再訪したいところでした。
これらを全て回ればもう一日かかります。ならば明日をそのために使うかと思っても、それは昨日積み残した分に回さなければならず、結果としては三日どころか四日が必要だったわけです。しかもその中に東信、北信の名所は含まれておらず、往路に素通りした甲州も含まれません。これらを心行くまで訪ね歩くには、東北と同様一週間単位の長旅にする必要があります。しかし、それは少なくとも勤め人の身分では難しく、老後の楽しみの域に入るでしょう。このような旅をする体力気力がその頃まで残っていれば、なけなしの蓄えを投げ打って、冥土の土産に一度は挑戦してみたいものだと思います。
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花見の旅in信州 2016 - 黒沢川

2016-04-10 17:44:53 | 甲信越
信州の花見では立ち寄る場所が他の土地以上に多く、どうしても積み残しが出てしまいます。アルプス公園と城山公園は時間の都合上やむなく切り、車を走らせ安曇野にやってきました。
時間的には松本市内で完結させてもよいところ、わざわざ安曇野に移動してきたのは、黒沢川の桜並木を再訪したかったからに他なりません。アルプス公園の見所といえば常念岳の眺め、城山公園についていえば北アルプス、安曇野、松本市街、美ヶ原の眺望であり、それは花見の季節においても同様です。曇りがちの空により、その眺望に多くを期待できない以上、今回再訪する必然性は乏しいものがありました。その点、夕刻に最も絵になるのが黒沢川です。川の東側から遠望すれば、堤に沿って見事な桜並木が続き、背後に聳える北アルプスへ向かって夕日が沈んでいきます。西側の道沿いに立てば、淡い夕日を浴びた桜が風に揺れるという、これまた情緒的な光景が展開します。
昼過ぎから曇った空は最後まで晴れず、雲の向こうで西日が鈍く光るといった程度に過ぎませんでした。着いてから日が山陰に隠れるまでは、10分あったかどうかでしょう。しかし、あいにくの小雨だった去年よりもはるかにましには違いありません。松本市街で散り始めていた桜も今まさに満開を迎えています。短時間とはいえ今年も再訪できたのは幸いです。
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花見の旅in信州 2016 - 護国神社

2016-04-10 15:56:11 | 甲信越
続いては護国神社を訪ねます。本殿の左奥から突き出るように伸びたエドヒガンの大木は、既にかなり散って色褪せつつあり、代わって参道の両側に並んだソメイヨシノと八重紅枝垂が満開です。
立派なソメイヨシノが林立する手前に若い八重紅枝垂が並ぶというのが、参道の右側の眺めであり、背丈には親子ほどの違いがあります。ここに限らず若い木が多く、大木がほとんどない八重紅枝垂ですが、年数を重ねれば背後に立つソメイヨシノを覆い隠すほど成長するのでしょうか。八重紅枝垂に混じってエドヒガンの若い木も一本だけ植えられており、少なくともこちらについては、いずれ本殿の背後の大木と並ぶこの境内の双璧となるのかもしれません。ただし、そうなるのは少なくとも百年単位の時が流れた後でしょう。この目で見届けることは残念ながらなさそうですorz
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花見の旅in信州 2016 - 松本美須々ヶ丘高校

2016-04-10 15:20:55 | 甲信越
長い中断を経て花見を再開、まずは松本美須々ヶ丘高校を訪ねます。午後から平凡な曇り空となってしまったのが惜しまれますが、立派な桜並木は少しずつ花を散らしながらも遠目にはまだ満開です。これで直近の四年中三年が同様の状況となりました。
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花見の旅in信州 2016 - 北門大井戸

2016-04-10 14:44:38 | 甲信越
花見の旅といいながら、それ以外の行程が松本では多くなります。酒、カリーに続いては湧水です。今回は北門大井戸に立ち寄りました。
二重の濠に囲まれた松本城ですが、その外側を濠がさらにもう一周していたことは知る人ぞ知る話です。一部残った東側の濠は、観光客で賑わう松本城とは対照的に訪れる人もほとんどなく、しかしあちらと同様桜並木に彩られています。その一角の、道から一段下がった場所にブランコと鉄棒を置いた小公園があり、中心に柳の大木が一本立って、その脇にあるのが北門大井戸です。松本に数多ある湧水の中でも、雰囲気に関して「鯛萬の井戸」と双璧をなすのがここであり、特に桜が咲けば随一ではないでしょうか。
公園の一角に五本並んだ桜のそばには、花見に興じる地元の人々の姿が。井戸には彼等のものと思しき酒瓶が沈められ出番を待っています。端から見てもうらやましくなる、何とも贅沢な花見です。
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花見の旅in信州 2016 - 山崎精一商店

2016-04-10 14:19:25 | 酒屋
本日の二軒目にして道中三軒目の酒屋が登場です。こちらも毎度おなじみ山崎精一商店に立ち寄ります。
ここにも美寿々がありました。それも先ほど買ったのと全く同じ純米吟醸の生原酒です。つまり中島酒店では初見の酒を買い、ここで美寿々を買えばよかったということになります。ただしそれは全くの結果論であり、このような結果になったことを嘆いているわけではありません。古風なラベルの御湖鶴が目を引く中、本日はあえて既出の酒で統一し、安くておいしい純米酒の代表格、明鏡止水の「垂氷」を選びました。

山崎精一商店
松本市元町1-8-17
0263-32-0020
平日900AM-2000PM
日祝日1000AM-1800PM
火曜定休
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花見の旅in信州 2016 - メーヤウ桐店

2016-04-10 13:24:02 | B級グルメ
飲食が後回しになりがちな花見の旅ではありますが、松本は数少ない例外の一つです。これも偏に、カリーをいただくという十数年来不動の習慣が確立しているからに他なりません。今回も桐店を訪ねます。
真打ちのチキンが格落ちの骨無しになったのを皮切りに、桐店のバイキングが年々凋落傾向をたどった結果、単品またはセット注文の信大前店を利用するのが常態化していたところ、直近では一転して桐店が続いています。ただし、前回桐店に入ったのは、閉店時刻の関係上信大前店を選べなかったからであり、そのも昼過ぎまで飲まず食わずでとにかく空腹だったという事情があります。
それでは今回は何が理由かといえば、昼時の混雑を嫌ったというものです。信大前店のカウンターが狭く、混雑時には窮屈に感じることから、広めのテーブル席でゆったりいただけるバイキングに価値を見出したのでした。しかしこれが結果としては見事なまでの裏目でした。
想定の範囲内だったとはいえ、チキンが骨無しだった上にポークもなかったのです。もちろん、店先の品書きにポークの文字があることは確かめてから入りました。しかし、品書きにはあるポークが実際にはなかったという話を活動仲間から聞いており、こうなることは予測できたわけです。品書きを安易に信じ込んだ自分が悪かったということでしょうorz
以前はチキンが骨無しならばその旨が明示されており、ましてや品書きにあるものが用意されていないなどということはありませんでした。それがある時から断りもなく骨無しのチキンを出すようになり、今では実際にないものまで品書きに入れている始末です。これでは品書きなどあってないようなものです。今回のような事態を回避する手段が存在しない現状では、もはやバイキングを選ぶことはできなくなります。やはり次回からは信大前店に回帰するということでよさそうです。
見事なまでの惨敗ではありましたが、シナモンの風味を効かせたビーフだけはいただけたのがせめてもの救いです。とはいえ、久しくポークをいただいていないだけに、物足りなさが残るのは致し方がありません。さらに市内を回れば、松本を出るのは三時か四時頃になると見込まれます。腹がこなれてくれば、信大前店でブラックだけいただいて行くという選択はあり得るでしょう。そのような展開に備え、最小限の余力が残る三周目で切り上げました。

メーヤウ桐店
松本市桐1-2-35 コマツプラザ
0263-33-6504
1130AM-2030PM(LO)
水曜定休
カリーバイキング1296円
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花見の旅in信州 2016 - 中島酒店

2016-04-10 12:13:50 | 酒屋
そろそろ自転車を返すべき時間ではありますが、小回りがききにくい駅前だけは自転車で回っておきます。立ち寄るのは毎度おなじみ中島酒店です。
選び抜かれた銘柄をとことん究める方針に転換した「酒文化いたや」に対し、信州の多彩な地酒を揃え、全国的には無名の蔵も積極的に扱うこちらの路線は健在です。例によって初見の酒も散見される中、今回はあえて既出の「美寿々」を選びました。一口に「美寿々」といっても、造りによって趣が大きく異なることに気付いてきたからです。

中島酒店
松本市中央1-3-7 セントラルビル1F
0263-32-1158
900AM-1900PM
第三木曜定休
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花見の旅in信州 2016 - ホテルトレンド松本

2016-04-10 10:34:33 | 甲信越
昨晩は「ホテルトレンド松本」の世話になりました。以前泊まった「おたりや」が昨年代替わりしたもので、実質的には二度目の利用でした。
公式情報によると、他にも店舗がいくつかあります。ただしそれらは基本的に居抜きらしく、経営難、後継者不足に悩む地場のビジネスホテルを買収してチェーン化されたというのが実態のようです。たしかに当館も、年配のおばちゃんが居住しつつ自らフロントに出ていたと記憶しています。売却先が現れたの機に引退し、今は悠々自適なのでしょうか。個人経営の宿からチェーンの一店舗に代替わりしたとはいえ、館内も料金もほぼそのままに保たれたのは幸いです。
この宿のよいところとして、駅、城、呑み屋街がいずれも徒歩圏内で、なおかつ宿の周囲は比較的静かという点が挙げられます。加えて駐車料が無料なのも助かります。さらによいところは、その駐車場を午前いっぱい利用でき、無料の貸自転車もあることです。そのようなわけで、本日は車を置いたまま自転車で松本城に来ています。
何分観光地だけに宿泊事情には波があり、直前に宿を押さえる自分にとっては、必ずここに泊まれるという保証はありません。しかし、前回泊まったときの経験から、空きさえあればここでよかろうという考えはありました。その宿がたまたま空いていたのは幸運だったということになります。
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花見の旅in信州 2016 - 二日目

2016-04-10 09:22:47 | 甲信越
おはようございます。二日目の朝はお約束の松本城から始まります。昨夜の人出からして、今日も相当混むだろうと考え、取るものもとりあえず宿を出てきました。只今右に天守、正面に常念岳、左に満開の桜を望む特等席のベンチから投稿しているところです。
気温は早くも17度でほぼ無風、今のところ晴れてはいるものの、空全体が薄雲に覆われ、北アルプスも霞みがちです。桜は早咲きの木が少しずつ散り始め、遅咲きの木はまだ満開。予想を上回る人出なのは昨夜と同様で、有料区画の入口には早くも長蛇の列ができています。松本ではまさに満開の最盛期、なおかつ天候も快晴という状況で花見をしているだけに、少なくとも今の天候では深入りする必要もありません。撮影は最小限にとどめ、ベンチに腰掛け悠然と過ごすことに主眼を置きます。
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