日本列島旅鴉

風が吹くまま西東、しがない旅鴉の日常を綴ります。

東北縦断花見の旅 - はすや

2015-04-28 22:32:22 | 居酒屋
たまには早く切り上げるかと思っても、結局10時頃まで引きずるという展開は、弘前で夜桜を眺めるときの常です。必然的にはしご酒という選択肢はなくなり、今夜も「はすや」にやってきました。
同じ店を二日続けるのも芸がなく、今日は「弦や」にすることも考えはしたのです。少なくとも、はしごができる状況ならば必ず立ち寄ったと思われます。しかし、10時過ぎに花見を切り上げ、その足で「はすや」に乗り込み、日付が変わる頃まで呑むという展開は、花見の旅で何度となく繰り返されてきた定跡中の定跡です。それを最後に崩したくなかったとでもいえばよいでしょうか。こうして実現した「はすや」での第二夜でしたが、結果としては空振り気味でした。
内容的には申し分なかったのです。お通しは一品料理としても十分成り立つほど完成されており、刺盛りは彩豊かで、一手間加えるべきものには手が加えられています。鰹のみょうが味噌は酒が進む一品でした。不運だったのは、遅い時間というのに店がかなりの盛況で、必然的に注文が立て込んだことです。その結果、店主の腕をもってしてもすぐには捌き切れず、注文したものが出るまでこちらの想定以上の時間を要し、展開が間延びしてしまいました。加えて、山菜に桜ますなど、これはと思う品がことごとく切れていたのも不運というしかありません。自分の描いた通りの展開を守れなかったことが、画竜点睛を欠く印象につながったわけです。
しかし、さほど落胆しているわけではありません。まさかの看板で振られた二月にしてもそうでしたが、これだけ通い続けると、一度や二度外しても次があると割り切れるからです。次回は津軽平野に稲穂が実る頃の再訪を予定しています。そのときにまたお会いしましょう…

はすや
弘前市上瓦ヶ町1-1-2F
0172-33-6981
1800PM-2400PM
日曜定休

六根・ん
お通し(もずく酢)
刺盛り六点
さしとり芽天ぷら
カツオみょうが味噌
はすや風天丼
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東北縦断花見の旅 - 月夜の桜

2015-04-28 21:56:29 | 東北
一時間弱かけて園内を歩き、三の丸のピクニック広場にやってきました。早咲きの八重桜の下にあるベンチから投稿しています。
撮るべきものは昨夜のうちに一通り撮ったため、今夜は名残を惜しむことを主題にしました。唯一記録したのが、桜のトンネルから夜空を見上げ、縦横に交差する桜の枝と半月を重ねた絵柄です。仮に満開ならば隙間がなく、完全に散ってからでは絵になりません。今しか撮れない絵柄をものにできたのは幸いでした。
弘前公園に関していえば、結局今季も見頃を逃しました。これで過去四年中三年は似たり寄ったりの結果です。しかし、だからといって落胆しているわけではなく、むしろ満足しているというのが偽らざる心境です。まず、一時は見送りも検討していた弘前での花見を、今年も実現できたという達成感があります。花筏については、過去眺めた中でも最高の部類に属するものでした。二の丸の大枝垂の復活ぶりを見届け、静かな朝の公園でチェロの調べに耳を傾け、夜には半月に重なる桜を眺めました。禅林広場では今まで気付かなかった絶景に出会い、岩木山麓でも北海道を彷彿させる雄大な桜並木を発見しました。このように、何回足を運んでも、あっと驚く光景と新しい発見があり、来てよかったと納得させてくれるのが弘前の桜なのです。そのことを改めて実感した今回の再訪でした。
あとは外濠沿いに歩いて帰ります。夜桜の照明が落ちた後の、月明かりに照らされた桜を眺めて行きたいのはやまやまながら、今夜はこれが潮時です。明日も朝から慌ただしくなるため、公園には寄る時間はないかもしれません。しばしの別れを告げて立ち去ります。また来年…
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東北縦断花見の旅 - 最後の夜桜

2015-04-28 21:06:49 | 東北
投宿して車を置き、弘前公園に戻ってきました。昼のうちに一風呂浴びておいたためその分時間が浮き、代わりに野暮用がいくつか加わった結果、昨夜とほぼ同じ時刻の開始となります。
既に園内のかなりの部分を回っており、今夜は早く切り上げ心おきなく呑むという手もないわけではありません。しかし、明日は夜桜を眺める時間などなく、今季は函館での花見も見送ります。道東には夜桜見物という習慣がそもそもないため、これが今季最後の夜桜です。既に見頃を過ぎた弘前の桜ではありますが、情緒を味わう分には不足はありません。往生際悪く粘るのも一興かと考えている次第です。
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東北縦断花見の旅 - 富田の清水

2015-04-28 20:08:11 | 東北
さらに明日の用事を先取りし、富田の清水で湧水を汲みます。汗ばむ陽気が続き、冷たい水が身体に染み入る季節になりました。
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東北縦断花見の旅 - Uマート

2015-04-28 19:50:30 | 東北
最終日を残してはいるものの、明日は何かにつけて慌ただしくなると予想し、Uマートで職場への土産を調達しておきます。長旅の終盤にはありがちな一幕です。例によって東北限定のカップ麺を買い込み、十和田のワダカン醤油のダンボールに詰め込みました。
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東北縦断花見の旅 - 禅林広場の夕景 再び

2015-04-28 18:41:46 | 東北
弘前市街に戻ったところで、出発からの走行距離が1000kmを超えました。只今禅林広場で夕景を眺めているところです。現在の気温は気温は17度、瞬く間に10度を切った岩木山麓と違い、昼間の熱気がまだ残っています。
夕日が沈むところは惜しくも見届けられなかったものの、茜色の空には刷毛で描いたような薄雲がたなびいています。明日の今頃には復路の長距離移動が迫り、夕景を鑑賞するどころではなくなっているでしょう。道中で実質最後となる夕景を、絵になる状況で眺められたのは幸いでした。
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東北縦断花見の旅 - 予想外の収穫

2015-04-28 17:18:04 | 東北
ほぼ読み通りで展開した午前に対し、思わぬ方向に展開したのが午後です。結局岩木山麓に五時過ぎまで滞在してしまいました。
岩木山麓の桜といえば、岩木山神社のソメイヨシノと、その先に続く「世界一長い桜並木」で、いずれも何度か訪ねています。よって今回はさわり程度にとどめ、あわよくば金木の芦野公園に足を延ばそうなどと考えていたのです。ところが、今回発見した並木道が秀逸で、滞在時間が大幅に延びました。
「世界一長い桜並木」とはいっても、交通量がそこそこある県道沿いに、桜としてはやや華に欠けるエゾヤマザクラが並んでいるに過ぎず、特段鑑賞に値するほどではないというのが実感でした。しかし、その県道からそれた静かな小道に桜並木が続く様子は、津軽平野の桜とは全く違う、北海道を彷彿させる雄大さに満ちており、思わず足を止めて鑑賞せずにはいられなかった次第です。
これが今回の旅において自分が求めていたものかといえば、必ずしもそうではありません。しかし、仮に芦野公園まで足を延ばしたとしても、弘前の一日か二日後を追う桜だけに、同じく見頃を逸して幻滅した可能性は十分あります。まさしく最高の条件で、かくも印象的な桜を眺めることができたという点では、これでよかったと納得しています。
日が少し傾いただけというのに、気温が次第に下がって15度を切りました。まだ雪が残っているのですから当然ではあります。涼やかな微風とともに、末長く記憶にとどめておきたい印象的な光景です。
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東北縦断花見の旅 - 台形の岩木山

2015-04-28 16:07:39 | 東北
一目で分かる岩木山の特徴といえば、三つの峰に分かれた王冠のような山頂ですが、それは表の顔に過ぎないと知ったのは比較的近年のことです。時計回りに周回すると、岩木山神社を過ぎたあたりで峰の一つが隠れ、さらに走るともう一つも判然としなくなって、七時の位置まで来ると安曇野の有明山を彷彿させる台形となります。磐梯山に妙高山など、見る位置により形が大きく変わる山はあっても、想像もつかない形に変わる変幻自在さに関しては、岩木山の方がむしろ上ではないかと私は思います。
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東北縦断花見の旅 - 北国の遅い春

2015-04-28 15:48:51 | 東北
さらに西へ進むと、残雪の中に連なる桜並木が視界に飛び込んできました。県道からそれた小道の両側に、満開のエゾヤマザクラが続いていたのです。道の両側に積もったままの雪が残っていることからして、ほんの一、二週間前までは一面真っ白だったのではないでしょうか。現に、そう遠くない場所に雪原が残っているのも見えます。平地では25度を超えていた気温も、ここでは19度に下がっており、初夏の陽気がうららかな春に戻ったかのようです。北国の遅い春を実感する印象的な光景です。
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東北縦断花見の旅 - 岩木山総合公園

2015-04-28 14:59:59 | 東北
岩木山神社を出ると現れるのが、「世界一長い桜並木」と称するエゾヤマザクラの並木道であり、ほどなくして現れる公園にも、かなりの数のエゾヤマザクラが咲いています。
エゾヤマザクラといえば、ソメイヨシノに比べて今一つ絵にならない桜という印象があります。他の桜にもまして盛りが短い上に、花と同時に若葉が出て、なおかついずれも赤っぽいため、咲いているのかいないのかが判然としないのです。散り際もソメイヨシノに比べれば実に地味です。しかし、今日はまさしく最盛期に重なったのか、どの桜も見事な花を咲かせています。朝方出ていた薄雲が晴れ、空がますます青くなってきたということもあるのでしょう。いずれにしても、正面に鎮座する岩木山との取り合わせは見事です。
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東北縦断花見の旅 - 温泉旅館 中野

2015-04-28 14:38:21 | 温泉
岩木山麓にやってきたのは、花見の湯を目当てにしてのことでもあります。立ち寄るのは岩木山神社の向かいの「温泉旅館 中野」です。去年は事故というやんごとなき事情により汽車旅となったため、桜の咲く時期に来るのは二年ぶりとなります。
今回は珍しく先客がいたものの、自分と入れ替わるようにして去りました。碧色の源泉が掛け流される瓢箪型の浴槽を借り切り、窓の外に二本並んだ紅枝垂を鑑賞します。

★温泉旅館 中野
弘前市百沢字高田80
0172-83-2345
800AM-2100PM
入浴料300円
泉質 ナトリウム・マグネシウム・カルシウム-塩化物・炭酸水素塩泉(低張性中性高温泉)
泉温 49.8度
pH 6.9
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東北縦断花見の旅 - 岩木山神社

2015-04-28 13:56:46 | 東北
二月にも訪ねた岩木山神社にやってきました。弘前市街の桜が散る頃、ここでは桜が見頃になると承知した上でのことです。その狙い通り、桜はまさに満開で、開きかけの蕾も散見されます。日陰に雪が残っているのも、ここでは毎度目にする光景です。
ただし、御多分に洩れず、ここでも花はまばらに咲いています。花の数だけでいえば、散りかけている弘前市街の桜と大差ないかもしれません。一昨年の経験から、寒い年に起きる現象だと思っていたはずが、どうやらそうでもなさそうです。
それにしても、今回の道中を通じ、桜が満開だったのは観音寺川とここしかなく、しかもこちらは花が少ない状態です。最盛期の姿ということになると、観音寺川が唯一ということになります。どこへ行っても散っているか咲いていないかのどちらかで、満開のソメイヨシノがどのようなものだったか、もはや思い出せなくなってきました。
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東北縦断花見の旅 - りんご畑

2015-04-28 13:34:42 | 東北
弘前市街から岩木山に向かって高度を上げます。沿道にはなだらかに傾斜したりんご畑が広がり、その向こうには針葉樹林、さらに奥には岩木山が鎮座します。平地から眺めるのとは一味違う雄大な光景です。
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東北縦断花見の旅 - 齋藤酒造店

2015-04-28 12:59:57 | 酒屋
弘前市街を出る前に、沿道の酒造店に立ち寄ります。存在自体はかねてから認識していたものの、これまで素通りを続けていた蔵です。しかし、「はすや」に最近常備されるようになった「六根」が秀逸だったこともあり、一度寄ってみるかと思い立った次第です。ルビー、サファイア、タイガーアイ、琥珀、翡翠と宝石の名前をつけた色とりどりのラベルの中から、県産の華想いで仕込んだ青いラベルの「サファイア」を選びました。
それにしても、改めて眺めると、思った以上に立派な蔵です。角地にある敷地はかなり広く、正面では黒塀から見越しの松が顔を出し、側面と背面を城壁のような土蔵が囲んで、中には櫓を備えた当主の屋敷が鎮座します。角には小売の店舗を兼ねた事務所が置かれ、その隣に屹立するレンガ煙突との取り合わせが秀逸です。

齋藤酒造店
弘前市大字駒越町58
0172-34-2233
900AM-1700PM
土日祝日定休
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東北縦断花見の旅 - 田沢食堂再び

2015-04-28 11:27:44 | B級グルメ
三時間ほどかけて一周し、弘前公園での花見は一旦終了です。花筏だけ眺めるつもりが、結局今日も三時間、昨日の日中と合わせれば七時間も注ぎ込んでしまいました。しかし、昼時の直前に終わったのは結果として絶妙でした。昨日に続き「田沢食堂」で遅い朝食兼昼食をいただきます。
同じ店に何度か通うと、注文が固定化されてくるのが常のところ、ここではいまだ確立していません。しかし、腹具合からして、今日も二品注文することについては迷いがありませんでした。本日はカレーチャーハンに小中華を組み合わせます。
ちなみに、昨日も今日も、中華そばが先に運ばれ、それを完食しようとする頃にご飯ものが運ばれてきました。伸びてしまう麺類を先に出し、二品ともおいしい状態で提供しようという配慮なのでしょうか。品数が多いにもかかわらず、控えをとらずに注文を完璧に記憶している職人芸もさすがです。

田沢食堂
弘前市茂森町97
0172-33-2969
1000AM-1830PM(土曜祝日 -1600PM)
日曜定休
カレーチャーハン580円
中華そば(小)310円
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