日本列島旅鴉

風が吹くまま西東、しがない旅鴉の日常を綴ります。

東北縦断花見の旅 2016完結編 - 弦や

2016-04-29 22:31:10 | 居酒屋
どうにか無事に下山して一息つきました。あとは呑み屋で一献傾けられればというところです。ところが、目当ての「はすや」が10時過ぎにして早々と明かりを落としていました。大型連休で宿泊客が殺到した結果、品切れで早仕舞いといったところでしょうか。この時間では「しまや」も「山水」も終わっており、残る「弦や」が頼みの綱です。しかしこちらも時間的に厳しくなってきました。以前は1時頃まで開いていたはずが、今は10時半にラストオーダーというのが公式発表です。同じく早仕舞いもあろうと懸念しつつ小走りで店へ向かうと、幸いにしてまだ明かりが灯っており、どうにか入店と相成りました。
まずビールと黒石豆腐、次いでその他の品を二、三いただき、一時間ほど滞在して切り上げるという流れは前回とほぼ同様です。しかし、実際にラストオーダーを聞かれたのは11時でした。公式発表通りだったとすれば、最初の注文で終わってもおかしくはなかったのです。もしかすると温情措置だったのかもしれません。二組いた先客が早々と出ていれば、見切りで閉店していた可能性もあるでしょう。峠での一件に続き、またしても人の情けと幸運に救われました。

弦や
青森県弘前市本町76
0172-34-9951
平日1100AM-1330PM(LO)/1700PM-2230PM(LO)
土曜及び祝日 1700PM-2230PM(LO)
日曜定休

香るエール
めっ・田酒
お通し(赤海老)
黒石豆腐
ガイヤーン
自家製ナンプラー揚げ
パッタイ
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東北縦断花見の旅 2016完結編 - 間一髪

2016-04-29 22:12:31 | 東北
弘前に着きました。出発からの走行距離は1000kmを超えたところです。気温は6.5度、今日は10度に達することさえ一度もなく、長袖シャツと雨合羽を羽織ったままでした。
賢明な読者の方は、十和田を出てからやけに時間が経っていることに気付かれたかもしれません。場合によってはその原因についても察しがついたのではないでしょうか。そうです、恐れていた事態が現実のものとなってしまったことが原因でした。

七戸と十和田の状況からは、特に何の心配もしていなかったのです。実際のところ、峠の手前までは順調でした。天候が急変したのは峠を越えて下り坂にさしかかった直後です。路面は真っ白に積雪し、さらには吹雪で視界が遮られる状況でした。
咄嗟に危険を感じて停車し、まずは引き返すことを考えました。しかし、あいにく転回できるだけの道幅はありません。下手に試みて失敗すれば道をふさぐ形にもなりかねないと予想し、これはもう救援しかなかろうと判断するまで、さほどの時間は要しませんでした。しかるに峠の頂上ということもあって携帯の電波が通じず、後続車の御方に無理を言って酸ヶ湯温泉まで乗せてもらい、そこからJAFに救援を要請。峠の麓までレッカー移動してもらい、どうにか事なきを得るという顛末です。
乗せてもらった後続車も、JAFの救援車も恐る恐る下っていったことからして、冬タイヤがあれば越えられたという問題でもなさそうです。むしろ冬タイヤを過信して不覚をとっていた可能性も否定できません。沿道で乗用車と観光バスが雪の壁に突っ込んでいたことからしても、あのまま進めばとんでもないことになっていたのは明らかでした。八甲田の自然を甘く見ていたことによる失態ではありましたが、間一髪のところで踏みとどまったのが、自分にしては賢明だったといえなくもありません。

これにより三時間弱を消費してしまったため、夜桜の終了時刻には間に合いませんでした。しかし、夜桜を逃したことを嘆くより、無事で済んだことに感謝したいというのが偽らざる心境です。目の前に津軽平野の明かりが広がってきたときには心から安堵しました。
もっとも、間一髪で回避できたとはいえ、他人様を巻き込んでしまったことについては反省しなければなりません。酸ヶ湯まで乗せてもらった後続車の方々、救援を待つ間に場所を貸してくれた旅館の受付のおばちゃん、そしてJAFの御仁に感謝すべきことについてももちろんです。自他ともに認める人嫌いではありますが、あの状況で放り出されたとすればどうなっていたのでしょうか。柄にもなく人の情けが身にしみた出来事です。
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東北縦断花見の旅 2016完結編 - 官庁街通り

2016-04-29 17:41:46 | 東北
十和田に寄ったのはバラ焼のためだけではなく、上北地方随一の桜の名所、官庁街通りを訪ねるためでもありました。
読んで字のごとく、市役所を始めとする官公庁が建ち並ぶ通りです。西へまっすぐ延びる通りの両側に続く、石畳を敷いた広い歩道と立派な松並木、桜並木が美しく、日本の道100選と街路樹100景に列せられた名所でもあります。
七戸の状況から予想できたことではありましたが、桜はますます散っており、葉桜同然の状態です。しかし、見頃こそ逃したものの、この時期に再訪したからこそ気付いたこともあります。官庁街の南側に競技場と野球場があり、そこにも見上げるようなソメイヨシノの大木が林立していることです。あと二、三日早ければ、さぞや見事な光景が広がっていたのでしょう。
しかし、二、三日前といえば弘前の桜が散り際の最高潮を迎えていた頃です。最盛期が弘前と完全に重なる以上、あちらを差し置いてまで来ることができるかといえば、実際の問題としては難しいものがあります。そうだとすれば、散った後の姿から花盛りを想像できれば十分なのかもしれません。折しも雨が上がって空が晴れ、街路樹の隙間から淡い夕日が射し込む様子を眺められたのは幸いでした。
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東北縦断花見の旅 2016完結編 - 大昌園

2016-04-29 16:38:00 | B級グルメ
そばをいただいてから間が空いて空腹感が戻ってきました。三時のおやつ代わりにご当地名物のバラ焼をいただいていきます。訪ねるのは昨秋も世話になった「大昌園」です。
バラ焼を出す店は他にもあり、趣向を変えるという選択肢がないわけではなかったのです。それにもかかわらず同じ店に戻ってきたのは、前回いただいたバラ焼が秀逸で、他の店へ行くよりもう一度この店を選びたかったのが一つ。前回初見ということもあり勝手が分からず、玉葱を焦がすという痛い経験をしたため、その借りを返したかったのが一つです。しかし、結果としては返り討ちに近いものがありました。
前回はジンギスカンと同様の感覚で放置したことにより玉葱を焦がしてしまったため、今回は焦がさぬように注意を払ったつもりだったのです。しかしそれでも全く足りなかったらしく、既に焦げつつあることを女将に指摘されました。そこで裏返す頻度を上げつついただいていると、再び頃合いを見計らって女将が火を止めてくれるという経過です。
前回の経験と総合するに、野菜炒めを作るような感覚で頻繁にかき混ぜ、ある程度火が通ったら弱めるか消すかするのが正しい焼き方なのでしょう。しかし、誰でも焼ける焼肉、ジンギスカンなどと違い、バラ焼をうまく焼くにはコツが要り、それを身につけるには何度か通うしかなさそうだということも分かってきました。女将の助けを借りずに焼けるようになるまで、引き続きこの店の世話になろうと思っています。

大昌園
十和田市稲生町16-8
0176-23-4413
1030AM-2200PM(LO)
バラ焼648円
ライス大216円
玉子スープ216円
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東北縦断花見の旅 2016完結編 - ユニバース

2016-04-29 15:25:57 | 東北
4号線を南下して十和田市街に入りました。沿道にユニバースが現れたため、ここで前回用意できなかった職場向けの土産を調達していきます。東北土産といえば、焼そばBAGOOOONを始めとするカップ麺です。
ユニバースのよいところとして、袋代わりに空いた段ボールを無料でもらえるところが挙げられます。地場のメーカーの段ボールに買ったものを詰め込むとき、地方紙の古新聞で酒瓶を包むような、ささやかな旅情を感じるとでも申しましょうか。
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東北縦断花見の旅 2016完結編 - 七戸駅

2016-04-29 14:26:05 | 東北
七戸に来たからにはここにも寄らない手はありません。南部縦貫鉄道の旧七戸駅を訪ねます。
駅舎と構内が車庫もろともそのまま残り、庫内に眠るレールバスも見学できるこちらの駅、連休中はそのレールバスが構内で運転される催しがあるようです。来月4日からの開催日には惜しくも重ならなかったものの、車庫ではそれに備えてボランティアの方々が機関や台車の手入れをしているところでした。かつての駅と車両に対する人々の愛着がありありと感じられる光景です。
加えて幸運だったのは、普段は閉じられている車庫の扉が、作業のために開け放たれていたことです。そのおかげで、半流線型をしたレールバスの個性的な顔を、十分な光量と引きのとれる条件下で押さえることができました。
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東北縦断花見の旅 2016完結編 - 七戸城

2016-04-29 13:57:10 | 東北
桜並木に沿って進み、突き当たりを左に曲がれば弘前方面への国道に出るところ、そちらへ行かずに七戸の町内に戻ってきました。というのも、津軽の方が天候の回復は遅いらしく、あちらでは終日雨が降るようなのです。ならば直行しても仕方なく、七戸と十和田にも寄っていこうと思い立ちました。
そのようなわけで、やってきたのは七戸城址です。ここを初めて訪ねたのは三年前、道東から戻ってきた翌週末に八甲田で花見をして、さらに一時帰京を挟んだ翌週末のことでした。時期にして六月の中旬、桜はとうの昔に散っており、代わりに花菖蒲が咲いていた頃です。しかし、ほどよい広さの城址にソメイヨシノが林立していて、花が咲けばさぞや見事だろうと想像したものでした。
町外れの牧場の桜並木でさえ散っていた以上、町内の桜についてはなおさらで、ほぼ散り終わった木も少なくありません。しかし、ここからまだ散るかと思うほどの花吹雪が舞い、雨に濡れた石畳に積もる様子は絵になっています。
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東北縦断花見の旅 2016完結編 - 牧場の桜並木

2016-04-29 12:06:59 | 東北
七戸十和田の駅から西へ少し走ったところに現れるのが、牧場の敷地を貫く定規で引いたような直線路と、それに沿って続く桜並木です。直線路の存在自体は何度か走って承知していたのに対し、桜並木があることに気付いたのは昨秋訪ねたときでした。花が咲けばどれほどかという想像は、意外に早く現実のものとなったわけです。
桜は既にかなり散ってきており、三日前明るいうちに寄れていればと思うと惜しまれます。しかし、雨に打たれてはらはらと散る様子には情緒があり、こちらはこちらで悪くありません。
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東北縦断花見の旅 2016完結編 - そば処

2016-04-29 11:00:56 | B級グルメ
七戸の道の駅にはもう一つよいところがあります。地産の粉を使った打ちたてのそばをいただけることです。早めのお昼にはもちろんここを選びました。注文は山菜そば大盛650円也。蕗、こごみ、筍など、様々な山菜を惜しげもなく使ってかけそばの50円増とはお値打ち品です。
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東北縦断花見の旅 2016完結編 - 道の駅しちのへ

2016-04-29 10:55:38 | B級グルメ
温泉に続いては道の駅に立ち寄ります。道の駅も玉石混淆様々ある中、七戸の充実ぶりは県内屈指、いや東北屈指といってもよいのではないでしょうか。とりわけ秀逸なのが、駅前のイオンをも凌駕する野菜の直売の充実ぶりで、昨秋訪ねたときも土産を満載して帰りました。そして今回、そのときにはなかった山菜が勢揃いしています。ミズ、しどけといった北国らしいものに加えて、先日会津で逃したこしあぶらも。帰京後は中一日で再出発しなければならず、消費できる分量も限られるのが惜しまれるところではありますが、その分厳選した品々を持ち帰ります。

★しちのへ産直七彩館
上北郡七戸町荒熊内67-94
0176-62-5777
900AM-1800PM
そば処 1000AM-1630PM(LO)
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東北縦断花見の旅 2016完結編 - 東八甲田温泉

2016-04-29 10:16:47 | 温泉
傘が手放せない本降りでは花見をするにも興ざめです。まずは天気待ちを兼ねて、冷えた身体を温めていきます。町内にいくつか温泉がある中、最も手近な駅前の「東八甲田温泉」を選びました。
建物は現代的で安普請、それでいながら温泉は贅沢です。巨大な浴槽からは滑らかな源泉が轟々と溢れ、同じお湯がカランとシャワーにも使われます。駅から徒歩1分の利便性も、300円の料金もありがたく、自身度々世話になってきた温泉の一つです。

東八甲田温泉
上北郡七戸町字荒熊内67-81
0176-62-6756
900AM-2200PM
入浴料300円
アルカリ単純温泉(低張性アルカリ性高温泉)
泉温 47.5度
pH 8.8
湧出量 520l/min
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東北縦断花見の旅 2016完結編 - 合流

2016-04-29 09:37:09 | 東北
七戸十和田に着きました。相棒と合流して活動を再開します。先週末の出発からの走行距離は900kmをわずかに超えたところです。ほぼ同じ経路をたどって帰ることを考えると、第三部もこれに近い走行距離になると予想されます。
懸念していた雪こそ回避できたものの、外は雨足が見えるほどの本降りになっています。それとともに特筆すべきは寒さです。列車を降りた瞬間から肌寒く、すぐさま長袖シャツに着替えて雨合羽を羽織りました。それもそのはず気温は4度、この寒さが桜の散り際を多少なりとも延ばしてくれるのでしょうか。帰京前、暗い中から見えた町内の桜が、まだ咲いているかが気になります。
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東北縦断花見の旅 2016完結編 - 水鏡

2016-04-29 07:14:43 | 関東
小山を通過したところでにわかに雲が増え、さほどの間も置かず雨模様に変わりました。早くも昨日の雨雲に追いついたようですorz
住宅ばかりが建ち並ぶ、一見すると無味乾燥な車窓ではありますが、気付いたことが一つあります。所々に水鏡ができていることです。ただし一面の水鏡というわけではなく、ざっと三分の一から四分の一程度といったところでしょうか。ただし刈られたままの田圃もほとんどありません。関東の場合、田圃の草刈りをして土を耕し、水を張るかどうかの時期なのでしょう。
この車窓を眺めて思い出すのが三年前です。関東では三月の前半に早々と桜が開花し、今年はどれだけ早咲きになるのかと思ったところ、そこから先が遅々として進まず、空前絶後の長期戦となった年でした。東北には大型連休の初日に出発し、11日もの日程を注ぎ込みながら、真打の弘前では天候が全く振るわず、一時帰京を経て五月の第二週に再挑戦し、花吹雪をどうにか見届けるという結末です。その後も道南道央道東と転戦し、さらには本土に戻って八甲田の桜も眺め、最終的に帰着したのは六月中旬という、実に二ヶ月近い長旅でした。その間は旅先に車を置いて一時帰京し、週末ごとに戻るという奇策を繰り返したわけなのですが、週を重ねるごとに水鏡が広がっていき、翌週通ったときにはその水鏡から苗が出てくるといった光景を目の当たりにして、春から初夏にかけての移り変わりをありありと実感したのを記憶しています。
完結編を標榜する通り、今年の花見は東北で打ち止めとし、北海道まで行くつもりはありません。一面水鏡の車窓もお預けとなるでしょう。しかし、週ごとに変わる車窓は今も深く印象に刻まれています。いつの日かあの旅を再現してみたいと、密かに願っている次第です。
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東北縦断花見の旅 2016完結編 - はやぶさ45号

2016-04-29 06:21:31 | 関東
始発の東北新幹線で旅立ちます。大型連休初日に合わせて運転される6時発の臨時列車です。
普段は宿も列車も直前に手配する主義のところ、弘前の宿だけは事前に押さえておいたと先日申しました。それと同様、この列車も一月近く前から押さえておいたものです。もちろんその時点では、このような展開に至ることを読み切っていたわけではなく、暦の巡りと開花状況に応じて様々な日程が考えられました。ただし、仮に一時帰京からの復帰が大型連休初日に重なり、なおかつ行先が盛岡以北となった場合、列車が問答無用の全車指定となるため、直前では手配できないのが明らかでした。そこで、仮にそのような展開に至った場合、七戸十和田が起点になるであろうことも見越し、発売早々手配を済ませておいた次第です。
満席必至の状況ということもあり、今回はグリーン車を奢りました。七戸十和田までのグリーン料金は4110円、ただし普通車指定席が繁忙期料金になることを考えると、実質的な負担は3000円台前半です。3時間強の乗車時間を考えれば、支出に見合った効果はあります。

昨日延々降り続いた雨が止み、清々しい青空が広がりました。都心から筑波山も望める快晴です。しかしこのまま北上すると、よりによって昨日の雨雲に追いついてしまいます。改めて予報を確認しても、今日は夜を含めほとんど止み間がありません。雪で足止めされなければ御の字と割り切り、明日以降の回復に期待するしかなさそうです。

★東京600/はやぶさ45(8045B)/902七戸十和田
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