日本列島旅鴉

風が吹くまま西東、しがない旅鴉の日常を綴ります。

晩秋の大地を行く 2021 - 本降り

2021-11-03 16:57:41 | 北海道
230kmほど走って釧路に着きました。午後からは運転にも難儀するほどの本降りでした。しかも厄介なことに風まで強く、傘も全く役立ちません。一週間以上も旅をしていれば、雨の日が一度や二度はあるものです。しかし、朝から一瞬たりとも止むことなく降られたのは久々のような気がします。少なくともこの数年では確かな記憶にありません。思ったよりも上出来だった上陸後の二日間に対して、今日は手酷くやられました。七時頃から多少なりとも弱まると予想されているため、ひとまずは宿で様子を窺います。
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晩秋の大地を行く 2021 - 別海町鉄道記念館

2021-11-03 14:58:35 | 北海道
川湯を出てひたすら南下すれば釧路に至ります。しかしそのまま行っても時間を持て余すだけです。使い道はないかと再考した末に、思いついたのは弟子屈から一本道で辿り着く西春別の鉄道記念館でした。屋外の車両展示は10月までで終わるものの、記念館だけは開いていることが分かったため、急遽向かうという顛末です。
本降りの中を走ってきたのは、是非もう一度見ておきたいものがあったからに他なりません。上映時間40分以上にも及ぶ、「緑の大地に夢見た鉄路」と題する記録映画がそれで、一ローカル線の記録としては、三笠鉄道村で上映される「さらば栄光の幌内線」と双璧をなす力作です。しかし、Web上でも視聴可能なあちらと違い、本作品が公開されている場所はおそらくここしかありません。ならば多少の遠回りをしてでも見に行く価値は十分あると考えました。
改めて鑑賞してもしみじみと感銘を受ける名作ですが、ブラウン管に映し出される映像に時代の流れを感じました。機器が寿命を迎えたとき、この映像がどうなるのかが気になります。後世へ末長く受け継がれていくことを願ってやみません。
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晩秋の大地を行く 2021 - 藻琴山展望駐車公園

2021-11-03 11:44:14 | 北海道
釧路まで淡々と走るだけとはいっても、経路はいくつか考えられます。距離が短く初見のところという条件で調べた結果、行き着いたのは藻琴から川湯へ至る道道102号線です。ツーリングマップルによると、沿道からオホーツク海と斜里岳を遠望できるとあるものの、この天候では当然望むべくもありません。しかし、峠を越えると眼下に屈斜路湖の眺望が広がりました。少し走った先に駐車公園があったため、そちらに入ったところです。現在の気温は4度で上陸以来最も低く、あまつさえ東の方から冷たい風が吹き付けて、数字以上に寒く感じます。木々が皆冬枯れているのも宜なるかなです。
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晩秋の大地を行く 2021 - 卯原内駅

2021-11-03 09:40:14 | 北海道
さろまにあんの館主と女将に、雨の日でも楽しめる場所はないかと聞いてみたところ、博物館以外に思い当たらないという、当然ともいえる答えが返ってきました。今日のところは多くを望まず、釧路へ向かってひた走りますが、卯原内駅だけ定点観察していきます。道内各地に保存された車両の多くがシートで冬囲いされる中、こちらの客車と機関車はまだ眠りにつく前でした。
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晩秋の大地を行く 2021 - 出会い

2021-11-03 09:04:06 | 北海道
朝食をいただいてから出発します。何度か泊まったことにより、ライダーハウスと旅人宿の違いが分かりかけてきました。前者では安く宿泊することに重きが置かれるのに対し、後者では触れ合い、出会いに重きが置かれ、客層もそれに応じて変わります。やはり自分は旅人宿よりライダーハウスに向く人間の典型なのかもしれません。しかし、経済性と出会いのいずれ重きを置くかが違うだけで、本質においては異ならないともいえます。この宿との出会いに対しては素直に感謝したいものです。
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晩秋の大地を行く 2021 - 六日目

2021-11-03 06:17:09 | 北海道
おはようございます。昨晩は夕食をいただいてから部屋に戻り、そのまま眠りに落ちました。外が明るくなってきたのに合わせて先ほど目覚めたところです。
昨日は旭川を出る頃から小雨が降り出し、白滝の前後で一時本降りとなるも、目的地が近付く頃には止みました。正確には、移動してくる雨雲をこちらが追い越したということです。一晩滞在しいている間に追いつかれ、道東では一両日にわたって降ると予想されます。残念ながらこれでは使い道がありません。釧路へ向かって粛々と走り、一杯やれれば御の字といったところです。
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晩秋の大地を行く 2021 - さろまにあん

2021-11-02 18:30:48 | 北海道
通行無料の旭川紋別道をあえて避け、先行車皆無の国道333号線をひた走りました。遠軽の市街に入らずなおも走り、佐呂間への道道を経て海沿いへ出たところに今夜の宿があります。旭川から180km走ったところで打ち止めです。さろまにあんの世話になります。
出発前に考えていた行程は、釧路に二泊、オホーツクに一泊するというものです。オホーツクではこちらの世話になるつもりでした。しかし、あいにくの雨に祟られて、道東編を短縮し、道央で回復を待つという戦術に切り替えたことについては既報の通りです。どこを切るかと考えたとき、出てきた答えは釧路を一泊限りにするというものでした。オホーツクで一泊するという構想は、釧路に比べなじみの薄い一帯を旅するという目的があってのことに他なりません。天候に全く期待できなくなった状況において、オホーツクへ行くべき理由の大半は失われたということになります。それでも釧路を切ったのは、この宿の存在によるところが少なからずありました。旭川のサンホテルと同様、こちらに泊まること自体が必須の行程だったわけではありません。しかし、近くへ来たなら寄っていきたいと思わせるものがここにはあります。たとえていうなら、札幌の「ふらの」のような存在とでも申しましょうか。一年ぶりに再訪できたことを幸いに思います。
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晩秋の大地を行く 2021 - ホクレン

2021-11-02 15:24:05 | 北海道
内地では宇佐美に頼りきりの給油が、北海道ではホクレンの独擅場に一変します。沿道の左に給油所があったため、上陸後最初の給油を済ませました。
乗船前に給油していたこともあり、燃料はまだ半分近く残っています。しかし、道内では早めの給油が鉄則です。道東へ至る間に無人地帯をしばらく経由することからも、旭川を出る前に補給した方が無難でしょう。それに加えて最近の燃料高も踏まえると、最果てへ行けば行くほど高くなるのは容易に想像できるため、なおさら早めに済ませたかった次第です。
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晩秋の大地を行く 2021 - 常磐公園

2021-11-02 13:12:52 | 北海道
続いては常磐公園を訪ねます。去年よりさらに半月渡道が延びたことにより、冬枯れに変わり果てているかと思いきや、木々の彩りはむしろ鮮やかです。三日にわたって観察してきたことにより、その理由がようやく解りかけてきました。同じ木々の色合いが増したのではなく、見頃の樹木が替わったのです。去年最も目立っていたのは楡でしたが、その楡が落葉しつつある一方、今年は銀杏、楓、ポプラ、落葉松、白樺といったところが主役を張っています。しかしながら、一様な曇り空の下では今一つ絵にならないのが残念です。終盤までに天候が回復することを願います。
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晩秋の大地を行く 2021 - 旭川サンホテル

2021-11-02 09:05:32 | 北海道
近年平日にもかかわらず道内で宿の確保に難航するということが度々起きました。釧路ではそれがいまだに続いているものの、幸いにも旭川では難なく手配できています。サンホテルが空いていたことにより、他と比べるまでもなく即決という結果です。
館内には、今週末を最後に改修工事を始め、しばらく休業するとの告知がありました。旅人宿でも今頃から修繕を理由に休むのが相場です。厳しい冬を乗り切るためには、冬支度が宿にも必要なのでしょう。萱野のライダーハウスと違い、ここに宿泊すること自体を必須の行程としているわけではないものの、初見の宿より慣れたところの方がよいのはもちろんです。休業前に滑り込めたのは幸運だったことになります。
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晩秋の大地を行く 2021 - 五日目

2021-11-02 07:23:30 | 北海道
おはようございます。北海道に上陸後、序盤の二日は上々でしたが、今日からは冷たい雨をやり過ごす日々がしばらく続きます。少なくとも一両日は雨に祟られ、明後日から徐々に回復する地域が出始めるものの、これから向かう道東の天気がとりわけよろしくなく、釧路では明後日まで終日雨というのが最新の予報です。ならば最小限の日数で釧路へ行って戻るにとどめ、道央で天気が回復するのを待つのが得策でしょう。
全国的には好天の地域が多いにもかかわらず、よりにもよって最も天気のよくない地域を旅することになるのが皮肉ではありますが、一昨年は正反対のことが起き、空前絶後の完勝となったことからすると、通算すれば辻褄が合うともいえます。もっと早く来られればと臍を噛むつもりは全くありません。そのような境地に到達できたのは、上陸後に今更知った事実のおかげでもあります。あろうことか、道内では先月末までお門違いな「要請」が罷り通っており、飲食店が早仕舞いを余儀なくされていたというのです。これ以上早く訪ねたところで心置きなく呑むことはできず、逆に今より遅ければ雪が降り出していたでしょう。後にも先にもここしかないという状況で渡道でき、むしろよかったと受け止めます。
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晩秋の大地を行く 2021 - 北と東

2021-11-01 19:00:31 | 北海道
国道12号線を淡々と下って旭川に着きました。出発から1400km走ったところで投宿です。気温は7度、しかし昨夜の岩見沢より相当寒く、道央との気候の違いを感じます。
北海道に上陸した後、まず悩むのは北と東のいずれへ行くかということですが、今回は迷いなく北へ走りました。というのも、釧路の「万年青」が月に一度の連休で、今夜も明日も開いていないのです。ただし、代わりに訪ねた旭川で、目当ての「独酌三四郎」に入れるかという問題が常につきまといます。教祖をして「北海道一の名居酒屋」とまで言わしめた聖地の一つを、初めて巡礼したのは八年前でした。それ以来、秋の遠征に際してはここへ寄るのが必須という前提で日程を組み立てるようになりました。しかし、店の名声は年々高まり、特にTVで紹介された五年前から、間一髪での滑り込みが常態化して現在に至ります。神懸かり的な強運に恵まれて、不敗神話を守ってはいるものの、いつ途切れるかと思うと毎回のように気を揉んでしまいます。ならば予めおさえてもらえばよいかというとさにあらず。なまじ手配をしてしまうと、今度はその予定が万一狂わないかと気を揉みます。その結果、多少なりともお客が引けてくるだろう終盤に突撃してきたのが真相です。その戦術も年々通用しづらくなってきているところではありますが、今回も玉砕覚悟で臨みます。
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晩秋の大地を行く 2021 - にわ山森林自然公園

2021-11-01 15:48:07 | 北海道
花見の名所が続きます。続いて奈井江のにわ山森林自然公園に立ち寄りました。主役の桜もさることながら、ここの見所は展望台から眺める石狩平野です。桜が咲く頃に広がる水鏡と、増毛連山の残雪は実に印象的でした。南北に長い平野を東から見渡す関係上、順光となる午前中に訪ねるつもりでいたところ、寄り道が祟って西日が傾く三時台にまで延びるも、これがあながち悪くありません。日射しが傾いて陰影ができ、木々の彩りも相俟って、晩秋らしい眺めとなっていたのです。諦めずに走った甲斐はありました。
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晩秋の大地を行く 2021 - 東明公園

2021-11-01 14:15:42 | 北海道
常盤台から引き返して東明市街へ戻りました。道央屈指の桜の名所といえば東明公園です。去る五月はここで花見の旅を締めくくりました。あのとき満開だった桜は落葉し、ぼんぼりは既に片付けられて支柱だけが残されています。しかし白樺と銀杏、楓が色づいており、特に楓の色鮮やかさが印象的です。
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晩秋の大地を行く 2021 - 常盤台駅

2021-11-01 13:43:18 | 北海道
毒を食らわば皿までも、久々に美唄鉄道の終点だった常盤台まで走り切りました。落葉松以外の木々がことごとく冬枯れて疎らとなった山肌は、去年までなら標高の高い峠でしか見られないものでした。それが人里に近い場所まで下りてきている光景に、冬間近としみじみ実感させられます。
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